Alexa日本語対応とEcho発売。日本展開にみるアマゾン勝利の方程式 | RBB TODAY
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Alexa日本語対応とEcho発売。日本展開にみるアマゾン勝利の方程式

IT・デジタル その他
発表会に登壇した面々
  • 発表会に登壇した面々
  • Amazon Echoの製品群
  • 米アマゾンのAlexa担当シニア・バイス・プレジデント、トム・テイラー氏
  • 日本語の文脈も理解することをアピールした
  • 日本展開に合わせてスキルを用意したパートナー
  • Harman Kardonブランド初のスマートスピーカー。Alexa搭載の「Harman Kardon Allure」
  • こちらはオンキヨーのAlexa対応スマートスピーカー「Onkyo P3(VC-PX30)」
  • Anker社の「Eufy Genie」
 Amazon.co.jpは8日、クラウドベースの音声サービス『Amazon Alexa』の日本語対応と、Alexaに対応したホームスピーカー3種類『Amazon Echo』『Amazon Echo Plus』『Amazon Echo Dot』を発表した。価格は以下の通り。

・Echo:通常価格 1万1,980円/プライム会員は7,980円(11月17日までの期間限定価格)
・Echo Dot:通常価格5,980円/プライム会員は3,980円(11月17日までの期間限定価格)
・Echo Plus:通常価格 1万7,980円

 Echo、Echo Plus、Echo Dotの出荷開始は11月13日の週になる予定。購入に際しては、Amazon.co.jpサイトから申し込み、招待を受け取ったプライム会員がまずは対象となる。

 さらにEcho購入者は、今回同時に日本対応が発表された『Amazon Music Unlimited』の「Echoプラン」を利用できる。通常プラン月会費980円のところ、Echoプランは月会費380円となる。

■Alexaのきめ細かい日本語対応

 「Alexa」とはクラウドベースの音声対話エージェントのことを指し、Echoは、Alexaを利用するためのホームスピーカーとなる。発表会に登壇した米アマゾンのAlexa担当シニア・バイス・プレジデント、トム・テイラー氏は、「アメリカ、イギリス、ドイツ、インドに続いて、日本でAlexaを提供開始します。Alexaのユーザー数がすでに数千万人に達するなか、このたび日本でAlexaを展開するためにいちから設計したユーザー体験を日本のお客様に提供できることを大変嬉しく思います」と紹介した。

米アマゾンのAlexa担当シニア・バイス・プレジデント、トム・テイラー氏
米アマゾンのAlexa担当シニア・バイス・プレジデント、トム・テイラー氏


 またAlexaの日本向け対応について、「日本語は同音異義語がたくさんあり、対応が必要でした。Alexaは文脈を理解し、”のどあめ”という言葉を、雨ではなく飴だと理解できます。そしてAlexaは、日本の文化も理解することができます。プロ野球、Jリーグ、大相撲はもちろん、日本の休日やお正月、あいさつ、冗談、俳句、なぞなぞも理解し、対話することができます」とし、単に日本語対応するだけでなく、日本人の利用シーンを想定した念入りな対応をアピールした。

日本語の文脈も理解することをアピールした
日本語の文脈も理解することをアピールした


 またAlexaを通じて音声で呼び出すことができるサービス群『Alexa Skills』について、日本展開にあわせて100以上のパートナー企業から、250以上のスキルが提供されることも発表された。

日本展開に合わせてスキルを用意したパートナー
日本展開に合わせてスキルを用意したパートナー群


■Echoは3種類

 ホームスピーカーのEchoについては、3種類のデバイスが用意された。まず基本となるEchoは、Alexaとの対話機能を搭載したスピーカーで、2.5インチのウーファー、専用ツイーターを装備し、Dolbyプロセッシングに対応する。またBluetoothスピーカーとして、スマートフォンなどの外部音源を再生することも可能だ。

 そして上位機種であるEcho Plusは、互換性のあるスマートホームデバイスとZigBeeなどで接続し、操作することができるものだ。

 そしてEcho Dotは非常に小型のデバイスで、内蔵した小型スピーカーでAlexaとの対話や音楽の再生が可能だが、特徴は外部スピーカーと接続可能な点で、Bluetoothまたは3.5mmステレオケーブルの有線接続で、手持ちの外部スピーカーに接続することができる。音質にこだわるユーザーはEcho Dotを選ぶといいだろう。

Amazon Echoの製品群
Amazon Echoの製品群


■Music Unlimited にEcho専用プラン

 今回同時に発表されたAmazon Music Unlimitedは、約4000万曲を揃える定額制音楽聞き放題サービス。Amazonは、以前から同様のサービスである『Prime Music』を展開しているが、こちらは約130万曲であるため、かなりボリュームが違う。

 そして今回、Music Unlimitedの日本対応に合わせて、DREAMS COME TRUEや、三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEなど、日本の人気アーティストの楽曲にも対応した。デジタル音楽事業部マーケティングマネージャーの大平舞氏は、「Music Unlimited で限定配信しているスピッツの『CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection』がおすすめです」と教えてくれた。

 そして、Echo購入者だけが利用できる「Echoプラン」は、通常プランの月額980円に対して、月額380円と格安に設定されている。この点について広報本部 PRマネージャー ビデオ&ミュージックの齊木更沙氏は、「Echoでストリーミング音楽を楽しむ方が非常に多いので、戦略的な値付けにしました」と説明する。

 Music Unlimitedの価格体系は3通り。通常プランは月額980円、プライム会員は月額780円。そしてEcho専用のEchoプランは月額380円。ただしEchoプランは、Echoでの音楽再生となり、スマートフォンなどのデバイスで利用する場合は、通常プランへのアップグレードが必要になる。つまり、外出してスマートフォンなどで利用する場合は、通常プランが必要だ。

■Alexaの強さはスキルの多さ

 音声対話エージェントは、GoogleやMicrosoftといった強力な競合があるが、Alexaが本国のアメリカで圧倒的なシェアを占めている理由のひとつに、対応するスキルの多さが挙げられる。音楽はもちろん、ニュース、ビジネス、ファイナンス、教育、ゲーム、ツール、ローカル情報など、その数はすでに数万を超えており、いまだに増加し続けている。

 日本展開に際しても、日本語に対応したスキルが用意された。100以上のパートナー企業から、250以上のスキルが提供される。例えば日産自動車は「リーフのバッテリー残量の確認や充電のオンオフ、エアコンの操作を、Alexaに話しかけて操作することができます」(広報本部 シニアPRマネージャー Amazonデバイス 別府かおり氏)とのことだ。

Harman Kardonブランド初のスマートスピーカー。Alexa搭載の「Harman Kardon Allure」
Harman Kardonブランド初のスマートスピーカー。Alexa搭載の「Harman Kardon Allure」


こちらはオンキヨーのAlexa対応スマートスピーカー「Onkyo P3(VC-PX30)」
こちらはオンキヨーのAlexa対応スマートスピーカー「Onkyo P3(VC-PX30)」


Anker社の「Eufy Genie」
Anker社の「Eufy Genie」。サードパーティー製品も続々と登場している


■アマゾン勝利の方程式

 今回のAlexaおよびEchoの日本展開に際しては、単に日本に”持ってきた”だけではなく、日本の文化もふまえた、日本人の利用シーンへの配慮、そしてMusic Unlimitedの日本の人気アーティストや限定配信の準備など、抜かりない事前の準備が印象に残った。

 そして、Alexaを使った体験の本質ともいえるAlexa Skillsについても、250を超える日本語対応スキルが事前に準備されたうえ、開発者向けのサポートも用意され、今後その数を増やしていくものと思われる。

 デバイスについても、ZigBeeに対応した高機能なEcho Plusの今後の発展性も気になるところだが、何といってもEcho Dotの価格が魅力的だ。プライム会員向けには3,980円(11月17日までの期間限定価格)で提供される。

 デバイスをリーズナブルに頒布し、サービスで囲い込むというアマゾンの勝利の方程式が、今回ますます洗練されてきたのを感じた発表会であった。
《佐藤 耕一》
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