大麻騒動で波紋を呼んだBIGBANG出身のT.O.P(チェ・スンヒョン)が、遂に復帰の道を歩み始めた。
8月19日(現地時間)、アメリカの大衆文化授賞式「2025ゴールド・ダービーTVアワード」で、Netflixオリジナルシリーズ『イカゲーム』が計6部門を受賞し、T.O.Pはドラマ部門の助演男優賞を受賞した。
T.O.Pはシーズン2で薬物中毒のラッパー「サノス」として『イカゲーム2』に初登場した。同シーズン内でイム・シワン演じる「ミョンギ」に殺されて退場したにもかかわらず助演男優賞を受賞し、その存在感を証明した。
かつて大麻騒動で引退寸前まで追い込まれたT.O.Pにとって、これは成功的な復帰と言える。2016年10月、自宅での大麻使用容疑により懲役10か月、執行猶予2年の判決を受け芸能界引退を示唆していた彼は、ファン・ドンヒョク監督からのオファーを受け、『イカゲーム2』で電撃的にカムバックを果たした。

しかし、復帰への道のりは決して順風満帆ではなかった。キャスティングを巡る議論に続き、作品公開後には演技力への批判も浮上した。薬物を使用するキャラクターという特性上、誇張された身振りや口調が目立ち、他のキャラクターとの調和を欠いたためである。さらに、ラップのフレーズを取り入れた多数のセリフも、賛否が分かれる要因となった。
また、キャラクター設定も議論を呼んだ。大麻騒動を起こしたT.O.Pに、薬物を使用するラッパーという役を与えた点が物議を醸したのである。そのため「T.O.Pがあえて論争に正面から挑んだ」との見方やもあれば、「むしろ大衆を欺いている」といった批判も飛び交った。最終的にT.O.Pは直接インタビューに応じ、自らを取り巻く論争に向き合った。T.O.Pは「この10年間、あまりにも多くのことがあった。謝罪したい気持ちが大きく、許しを請いたい」と頭を下げた。
その真摯な態度が功を奏したのか、否定的な世論は次第に和らいでいった。シーズン2公開時のプロモーション活動には参加しなかったT.O.Pは、今年5月にアメリカで開催されたNetflixグローバルファンイベント「TUDUM 2025」に出席した。Netflix関係者によると、会場でイ・ジョンジェ、イ・ビョンホン、パク・ソンフン、カン・エシムらと肩を並べたT.O.Pに、現地ファンから大きな歓声が送られたという。

さらに、韓国国内での公式イベントにも姿を現した。T.O.Pは、今年6月にソウル市庁前のソウル広場で開催された『イカゲーム』フィナーレファンイベントに出席し、「偉大な作品に参加できたことに感謝している。多くのことを学んだ」と感想を伝えた。
『イカゲーム』シーズン2公開直後には批判の声に直面したT.O.Pだが、今では名実ともに“グローバルスター”として存在感を放っており、韓国企業評判研究所が7月16日から8月16日までに調査したボーイズグループ個人ブランド評判ランキングでは32位にランクインするなど、話題性も健在である。『イカゲーム』以外に目立った活動がない中での成果としては注目に値する。
さらに、海外の権威ある授賞式でトロフィーまで獲得したことで、復帰への道は完全に開かれた。今後は、国内外からの新たなラブコールにどう応えていくのか、期待が高まっている。
◇T.O.P プロフィール
1987年11月4日生まれ、本名チェ・スンヒョン。2006年にBIGBANGのメンバーとしてデビューした。最年長メンバーであり、グループ内ではリードラッパーを務めた。2017年に義務警察として兵役をスタートさせたが、服務中に過去の大麻使用事実が明らかになり、社会服務要員に転換。2019年7月の除隊当時は秘密裏にファンミーティングを開催し、その場に駆け付けたファン一人ひとりと握手を交わすなど、ファンに対する並みならぬ愛情を見せた。2022年2月、YGエンターテインメントとの専属契約を解除。2023年5月31日、自身のインスタグラムを通じてBIGBANGを脱退したことを明言した。