スマホの写真や動画でパンク状態のGoogleフォトやiCloud。子どもの成長記録や旅行の思い出で容量が足りなくなり、月額料金も気になるという悩みを抱えていないだろうか。クラウドの料金高騰と外付けHDDの管理の煩雑さ、この両方を解決する製品がUGREEN NASync DXPシリーズだ。中でもDXP2800は「外付けHDDの進化形」として注目を集めている。
UGREENのDXPシリーズは日本のクラウドファンディングで10億円を集めた実績を持つ。NAS初心者でも「工具不要」「スマホだけで設定完了」という手軽さが魅力の製品だ。本記事では、実際に筆者がDXP2800を導入し、約1ヶ月間使用した本音レビューをお届けする。
NASとは? 仕組みをわかりやすく解説
NASの基本概念
NASとは「外付けHDDの進化形」あるいは「自分専用クラウド」と考えると分かりやすい。従来の外付け HDD が「1台のPCでしか使えない」のに対し、NAS は「家中のスマホ・PC・タブレットから同時アクセス可能」という決定的な違いがある。
主なメリットは3つある。家中のデバイスからアクセス可能、専用アプリでの自動バックアップ・同期、そして外出先からの安全なファイル共有である。「クラウド並みの手軽さ」と「自前管理の安心感」を両立しているのだ。
あなたはどのタイプ? NASが特に威力を発揮する3つのケース
NASが威力を発揮するシーンは明確だ。ファミリー層なら子どもの写真・動画でのスマホ容量パンク、在宅ワーカーなら外出先からのファイルアクセス、クリエイターなら大容量データ管理が必要な場合である。
・ファミリー層: 自動バックアップ機能により、撮影と同時に写真・動画が保存され、スマホ容量を気にする必要がなくなる。祖父母への孫の写真共有も専用リンクで安全に行え、毎月の料金負担もない。
・在宅ワーカー:リモートアクセス機能により、カフェや出張先からも自宅にあるNASに保存したファイルに安全にアクセス可能。VPNなどの複雑な設定は不要で、専用アプリから簡単に接続できる。重要な仕事のデータを第三者のクラウドに預けるリスクも回避できる。
・クリエイター: 高速転送とAI写真管理機能により、撮影データの整理・分類が自動化される。RAID構成でデータの安全性も確保でき、外付けHDDを複数管理する煩雑さから解放される。作品のバージョン管理も容易だ。
このように、家庭からプロユースまで幅広いニーズに対応できるのがUGREEN DXPシリーズの真の魅力だ。一台で多様な用途をカバーできる柔軟性こそ、初心者におすすめする最大の理由となっている。
【コスト比較】5年シミュレーション:クラウドとNAS、どちらがお得?

NAS導入で最も気になるのが「本当にクラウドより安いの?」という疑問だろう。初期費用は確かに高いが、長期利用では圧倒的にお得になる。
主要クラウドサービス(5TB~6TB)の3年間費用は約12万円~16万円。これに対してUGREEN DXP2800+HDD代は6TBのHDDを2台 RAID1で構築したとしても約9.8万円と安価だ。さらに5年目ともなると、その差はなんと約10万円から17万円にまで拡大する。長く使うほどNASがお得になるのだ。
NASは「一度買えば長く使える」製品のため、10年以上の長期利用も珍しくない。容量が必要になった場合も、クラウドは月額料金が倍増するが、NASならHDD交換のみで対応できる点も重要なポイントだ。
ちなみに、同シリーズの製品は8月限定で全品15%OFFセールを開催中だ。
■UGREEN DXP2800 製品情報
- [公式サイト詳細](https://x.gd/X637U)
- [Amazon購入ページ](https://x.gd/Qmlf6)
【製品紹介】UGREEN DXP2800の特徴とモデル選び

DXPシリーズはどのモデルも「サクサク動作」と「将来の拡張性」を共通の魅力としている。3モデルの使い分けは明確だ。 DXP2800 は家庭用・NAS 初心者向け、DXP4800 Plus は小規模オフィス・中級者向け、DXP6800 Pro は大容量データ管理・プロ向けとなっている。「とりあえず NAS を試してみたい」ならDXP2800一択だ。

DXP2800は2ベイ構成で最大64TB対応の本格NASだ。第12世代Intel N100プロセッサー(4コア、3.4GHz)、8GB DDR5メモリ、2.5GbEネットワークポート(転送速度280MB/s)、4K HDMI対応などの充実したスペックを持つ。

2.5GbEネットワークポートは「高速ネットワーク接続(従来の2.5倍速)」を実現する。現在普及している1GbEの2.5倍の転送速度により、4K動画1本(約3GB)が約27秒で転送完了する。対応ルーターを導入すれば、すぐにその恩恵を享受できる設計となっている。USB 3.2ポート×1やUSB 2.0ポートx2に接続することで、外付けHDDやUSBメモリに対するバックアップも可能だ。この機能により、大切なデータを確実に守ることが可能となる。
【実機レビュー】工具もネットワークの知識も不要の簡単セットアップ
開封から設置まで
パッケージを開封すると、洗練されたアルミ合金デザイン(ダークグレー)の本体が現れる。第一印象は「思っていたより小さい」というものだった。サイズは縦18cm×幅11cm×奥行き23cmで、一般的な外付けHDDケースを2つ重ねた程度の大きさである。

同梱品は必要最小限で迷いがない。本体、電源アダプター、LAN ケーブル、クイックスタートガイドのみというシンプル構成だ。電源アダプターは外付けタイプで本体をコンパクトに保っている。質感は5万円台とは思えない高級感があり、リビングに置いても違和感のない洗練されたデザインだ。

前面デザインは機能性と美しさを両立している。マットな質感のアルミ合金ボディは指紋が付きにくく、メンテナンス性も良好だ。各ドライブベイの下部には小さなLEDインジケーターがあり、HDD動作状況を視覚的に確認できる。
前面下部には電源ボタン、USB 3.2ポート x1、USB-Cポートx1が配置されている。ボタン類の配置は直感的で、頻繁に使用するUSBポートへのアクセスも良好だ。電源ボタンは適度な押し心地で、誤操作を防ぐ配慮も感じられる。
HDD装着が驚くほど簡単

HDD装着は本当に工具不要だった。まず、前面パネルのドライブベイを軽く押すとカートリッジ式トレイがスライドして出てくる。HDDトレイ底面のボタンを押すとトレイ自体が横に広がる。そこに接続端子を下側にしたHDDを載せ、トレイを元に戻すだけで装着完了。ネジ留めも一切不要でとても簡単にHDDを装着できる。

今回は「WD Red Plus 4TB」を2台装着したが、1台目は3分、2台目は慣れて1分で完了した。従来のNASで経験した「ネジ回し作業」「配線確認」といった煩雑さは皆無だ。工具を使う必要もなく、「機械は苦手」という方でも迷うことなく作業できる親切設計となっている。
スマホだけで完結する初期設定

実際にHDD装着から初期設定まで全て行ってみたが、従来のNASでありがちな「IP アドレス設定」「ルーター設定変更」といった専門的な作業は一切不要だった。スマホアプリの画面指示通りに進めるだけで、「これで本当に設定完了?」と驚くほど簡単に終わる。開封から実際の利用開始までは約 1 時間かかったが、そのうち作業していた時間がわずか 15 分程度だ。
まず、App StoreまたはGoogle Playで「UGREEN NAS」アプリをダウンロードする。アプリを起動すると、自動的にネットワーク内のNASを検索し始める。LANケーブルで接続したDXP2800は数秒で発見され、画面に表示される。

ここからが驚きの連続だった。従来のNAS設定で必要だった「IPアドレスの手動入力」「ネットワーク設定の変更」といった専門的な作業が一切不要だ。「タップするだけで接続完了」という直感的操作は従来製品との大きな差別化ポイントである。

アプリのセットアップウィザードは段階的に進行する。まず、管理者アカウントの作成から始まり、パスワード設定、RAID構成の選択、初期フォルダの設定と続く。各段階で分かりやすい説明が表示され、専門知識がなくても適切な選択ができる。

特に印象的だったのは、HDDの管理方式としての「RAID設定」を選択するステップだ。「データ保護重視(RAID 1)」「速度重視(RAID 0)」という分かりやすい表現で、それぞれのメリット・デメリットが図解付きで説明される。初心者でも安心してデータ保護を選択できる配慮が感じられる。
RAID 1は「容量は半分になるが、どちらかのHDDが壊れてもデータは守られる」安心感がある。初心者には安全性重視のRAID 1をおすすめする。RAID 0は速度と容量重視だが、データ保護の観点では推奨しない。

初期設定完了後、自動的にファームウェアの更新確認が実行される。最新機能とセキュリティパッチが適用され、購入直後から最適な状態で利用開始できる。この一連の流れは、まさに「機械に不慣れなユーザーでも確実にセットアップできる」設計の結晶といえる。
【実践活用】DXP2800でできることと具体的な使用方法
DXP2800の主な機能

上記の表の通り、UGREEN DXP2800は、エントリーモデルながら「これ一台でクラウドサービスを置き換えられる」レベルの多彩な機能を備えている。スマホの容量不足解消から、家族写真の共有、AI による自動整理、外出先からのリモートアクセス、さらにはテレビでの大画面鑑賞まで対応する。 工具不要でスマホだけの簡単設定も、NAS初心者には心強い。 以下、実際の活用シーンを交えて詳しく見ていこう。
自動バックアップでスマホの容量不足を解消

スマホの写真・動画を自動検知して即バックアップする機能は圧巻だ。Wi-Fi接続時のみの設定でモバイル通信量を節約する配慮も嬉しい。「撮影するたびに自動転送」の便利さは一度体験すると手放せない。
容量不足や「うっかり削除」の心配が完全に解消される。さらに見落としがちなメリットが、スマホの故障や機種変更時のデータ移行リスクからの解放だ。「大切な写真があるから機種変更できない」「移行に失敗して子供の写真が消えた」といった悩みとも無縁になる。NAS があれば、どんなスマホに変更しても安心して乗り換えられる。

一方で、家族での利用時に気になるのがプライバシーの問題だ。娘の「彼氏との写真を両親に見られたくない」といったケースにも対応している。DXP2800では個人フォルダと共有フォルダを分けて設定可能で、各家族メンバーが自分だけのプライベート領域を持てる。

これはユーザーから見た個人フォルダと共有フォルダだ。共有フォルダには家族旅行の写真、個人フォルダには友人との写真といった使い分けができ、家族の絆を深めつつプライバシーも守れる設計になっている。
AIによる写真の自動整理でお目当ての写真をすぐに表示

DXP2800のAI写真管理機能は「フォルダ分け」の概念を変える革新的機能だ。人物、場所、被写体を自動認識し、「ラーメン」「海」といったキーワード検索で該当写真が瞬時に表示される。家族の顔を学習して自動分類し、数千枚から「おじいちゃんと孫の写真」も瞬時に発見できる。
重複写真の自動検出機能も見逃せない。「子供の運動会で同じシーンを10枚撮影」といった場合、最も鮮明な1枚を自動選別し、残りは削除候補として提案してくれる。手動で似たような写真を探す手間が完全に不要になる。
外出先からのリモートアクセスもUGREEN Linkで簡単
外出先からのアクセスも UGREEN Link で簡単だ。従来必要だった「ポート開放」「VPN構築」などの専門作業は不要。アプリでワンタッチ設定するだけで、カフェからでも自宅NASに安全アクセスできる。

上記アプリ画面の右はモバイル回線でアクセスしているが、リモートにあるNASに何もしなくても接続できている(「転送モード」というのはリモートアクセス時の接続方法)。
仕組みとしては、UGREENのクラウドサーバーが中継役となり、暗号化された通信でNASと外部デバイスを安全に接続する。これにより、カフェや出張先のWi-Fiからでも、まるで自宅にいるかのようにファイルにアクセス可能だ。
購入前に知っておきたいポイント
購入前に知っておくべき制約事項を3つ挙げておく。ただし、これらは価格を考慮すれば妥当な仕様であり、家庭用途では大きな問題にならない場合が多い。
まず1つ目は、SD カードスロットが非搭載である点だ。上位機種のDXP4800 PlusやDXP6800 Proには搭載されているが、DXP2800では省略されている。デジカメのSDカードから直接写真を取り込みたい場合は、USB接続のカードリーダーが別途必要となる。
2つ目は、HDD別売りで初期費用が追加で必要な点だ。本体価格に加えて、推奨されるNAS専用HDD(WD Red PlusやSeagate IronWolfなど)を2台購入する必要がある。4TB×2台の場合、HDD代だけで約3万円の追加費用が発生する計算だ。
3つ目は、2ベイ限定でRAID構成に制約がある点だ。選択できるのはRAID 0(高速だがリスク高)とRAID 1(安全だが容量半減)のみで、上位機種で利用可能なRAID 5やRAID 6には対応していない。大容量かつ高い冗長性を求める場合は、上位モデルの検討が必要だ。
これらの制約を踏まえても、「NAS初心者が求める機能」は全て満たしている。上位モデルが必要になるのは、「SD カード直接取り込みが頻繁」「RAID 5/6 での高い冗長性が必須」「4ベイや64TB以上の大容量構成が必要」といった特殊なニーズがある場合のみだ。といった特殊なニーズがある場合のみだ。
UGREEN DXP2800を「今」選ぶべき3つの理由

実機レビューを通じて実感した「外付けHDD感覚」で使える本格NASの魅力を総括しよう。
第一に、工具不要のHDD装着とスマホ完結設定の手軽さだ。「LANケーブル接続→アプリダウンロード→画面指示に従う」の3ステップで作業時間15分で完了する簡潔さは驚異的である。
第二に、長期的なコストメリットだ。6年目以降はクラウドサービスよりも圧倒的にお得になる。家族の思い出を長期保存するなら、経済的メリットは計り知れない。
第三に、データを自分で管理できるプライバシー保護の価値だ。クラウドサービスの利用規約変更や障害に左右されない安心感は何物にも代えがたい。
スマホの容量不足に悩み、クラウドの月額料金に疑問を感じているなら、UGREEN DXP2800 は検討する価値が十分にある。「設定が難しそう」「NAS は上級者向け」という先入観を覆す、まさに「外付け HDD 感覚」で使える本格 NAS だ。 一度体験すれば、もうクラウドサービスの容量制限や月額料金に悩まされることはない。あなたの大切な思い出を、自分の手で守ってみてはいかがだろうか。
■UGREEN DXP2800 製品情報
- [公式サイト詳細](https://x.gd/X637U)
- [Amazon購入ページ](https://x.gd/Qmlf6)