【レビュー】海外でのスマホ利用も怖くない!?音声通話アプリ「050 plus」を試す | RBB TODAY

【レビュー】海外でのスマホ利用も怖くない!?音声通話アプリ「050 plus」を試す

ブロードバンド フォトレポート

MWC 2013 正面入口
  • MWC 2013 正面入口
  • 着信中 通常の電話着信と同じUIとなっている
  • 日本の携帯に掛けた場合の料金比較
  • サグラダ・ファミリア
  • 利用可能な国地域(2013年1月時点)
  • 固定電話と通話した場合
  • 通話可能な状態が、緑のバーで表示される
  • バルセロナ市街地
 スマホの普及が進み、それが生活の一部となっている人も多くなってきているが、海外での利用には少し注意が必要だ。海外で迂闊にスマホを利用していると、高額なパケット通信費用が発生していわゆる「パケ死」といわれる状態になってしまうことがある。そうならないために、海外旅行や出張の際にはデータ通信をオフにして通信をWi-Fiのみに制限したり、各キャリアの海外パケット定額サービスを利用したりするなど対策が必要で、筆者は基本的に前者の方法を取るようにしている。宿泊先は無料のWi-Fiサービスがついているところを選び、移動中の通信には海外用のWi-Fiルーターをレンタルしていくことで、メールチェックやブラウジングなど最低限の用途は賄える。

■海外での音声通話

 また、データ通信だけでなく、音声通話に関しても事前に対策をしていくことが望ましい。中には上述した「パケ死」を恐れるあまり、渡航中はスマホの電源を落としっぱなしにしているという話も聞くが、緊急時のことを考えると電源を落としていて連絡がつかないことは非常に危険だと言える。いざという時のことも考えて通話の受発信はいつでも出来るようにしておきたい。対策の一つとして考えられるのは、「LINE」や「comm」などの無料音声アプリを利用すること。ただし、これらは同じアプリ同士でないとやり取りが出来ない点がネックで、出張時に固定電話やその他携帯電話等に連絡するときは、本当に必要最低限の用件に絞って国際電話を掛けるなどしていた。

■専用の「050」番号が付与され、固定やその他携帯にも掛けられる

 しかし今回、スペイン・バルセロナで開催されるモバイル関連の展示会「MWC2013」の取材で約一週間出張することになり、滞在中は色々と電話でのやり取りも多くなることが予想されたため、何か良いサービスはないかと改めて考えてみた。3人体制で現地入りして基本的に別行動で取材を行うので、都度連絡を取り合う必要があるし、取材状況など日本とのやり取りも多くなってくる。何かトラブルがあれば宿泊先や現地の施設に電話する可能性もある。そこで今回選んだのが、NTTコミュニケーションズが提供しているIP電話アプリ「050 plus」。その名前にもあるように、“050”から始まる固有のIP電話番号を持つことができ、他の携帯電話や固定電話にも国内料金で電話が出来ることが大きなポイント。また、アプリ同士であれば無料通話も可能なため今回の出張にはぴったりだろうと考えた。さっそくサービスを申し込んでみる。「050 plus」は月額315円の有料サービスで、まずWebサイトからの登録が必要で、いきなりアプリだけ落としても利用できない。Webサイトでの登録が完了すると050番号が付与されるので、その番号と任意で決めたパスワードをアプリ初回起動時に入力すれば利用可能となる。なお、国際電話を利用する場合、特に別途料金などは発生しないが、アプリの管理メニューから利用設定をする必要があるので要注意。また、渡航先によっては利用不可の国・地域もあるため、そちらも念のため申込み前にチェックしておきたい。アプリ自体のダウンロードは無料で、iOS版、Android版があり、今回筆者は手持ちのiPhone 5で試した。

■通話品質はまずまず

 同行のライターさんにも同様に申し込みをしてもらい(端末はiPhone 4)、国内でまず通話テストをしてみて問題なく繋がることを確認していざ出発。実は海外出張にまだそこまで慣れておらず、いつも出発前はかなり緊張しているのだが、今回は何かあれば気兼ねなく電話が使える!ということで心なしか気持ちにゆとりがあった。成田からパリを経由してスペイン・バルセロナへ。パリの空港で乗換え時間に余裕があったので空港のWi-Fiスポットを調べてみると、15分までなら無料のWi-Fiが。早速それに繋いで、「050 plus」で奥さんの携帯(ソフトバンク iPhone 4)に報告がてら電話を掛けてみた。同アプリを使っての最初の国際電話で、正直言って半信半疑だったが、通話品質は良好で、タイムラグも想像以上に少ない印象。インターネットを介しての通話のため、どうしても通話品質はネットワークの状況に依存する。同アプリのホームページを確認すると、通話に必要な通信速度は上下ともに20kbps程度とのこと。速度が20kbps以下になることはあまり考えにくいので、後は速度がある程度上下してもこのレベルで安定して使えればかなり優秀だと感じた。ライターさんも神奈川の自宅(固定電話)に連絡しており、こちらも同じような感想だった。

■国際電話料金と比べるとかなりおトク

 スペイン・バルセロナには昼頃に到着し、天気は快晴。初のバルセロナということもあり、何もかも忘れて観光したい衝動に駆られたものの、何とか気持ちを切り替えてひとまずホテルへ。Wi-Fi環境があることは確認していたが、果たしてどれだけ使えるか、ノートPCをつないで確認してみると下りは5Mbps、上りも2~3Mbps前後は出ているようでこれなら許容範囲と一安心。「050 plus」で宿泊先が別のメンバー(ドコモのガラケー)と連絡を取ってみたところパリで試した時と同じく問題なくつながった。ちなみに、「050 plus」にはひとつユニークというか、大胆な機能がある。「おトク額表示」という機能で、ソフトバンクモバイルのホワイトプランやWホワイトプラン、auの各種プラン等の内、いずれかを選んで設定しておくと、通話終了時にそのプランと比べていくら“おトク”だったのかを表示してくれる。各社の割引プランなどは考慮されていないものの、基本の通話料で比較ができることと、実際にいくら通話料がかかったかを簡単にできる意味でもありがたい機能だ。パリから日本の携帯へ掛けた時は、2分55秒の通話時間で、通話料の目安は50.4円。仮にソフトバンクモバイルのホワイトプランであれば126.0円で、75.6円おトクだという結果になった。「050 plus」の通話料は、このアプリ同士であればもちろん無料で、固定電話に対しては一律3分8.4円、携帯電話に対しては一律1分16.8円と割安になっている。また国際電話の場合、通常は着信側にも料金が発生するが、「050 plus」は無料で着信を受けられる。おトク額の差が一番出たのは日本の固定電話に掛けた際で、通話時間は2分10秒、「050 plus」では8.4円、仮にホワイトプランの場合105.0円と大きく差がついた。

 その後、期間中はMWC会場内のWi-Fiや、市内をうろうろしつつ海外対応のWi-Fiルーター(3Gタイプ)につないだ状態で過ごした。通話品質が速度に依存してくると書いたが、今回の期間中ではそれほど目立って品質が上下することはなく、概ね良好だったと言える。ただし、アプリから固定やその他携帯に掛ける時に比べて、アプリ同士の通話の際のノイズ、タイムラグが若干気になった。この辺りはバージョンアップに伴って改善されるとありがたい。まったくの余談だが、バルセロナ市内の地下鉄では通信インフラの整備がかなり進んでいるらしく、3Gではあるが、駅間のトンネル内でも割と通信可能だった。そして車内でもがんがん電話している人が多く、周りの人も特に気にしていない様子だった。使い勝手の面では、一度インストールしてしまえば、通常の電話を掛ける操作と何ら変わりなく使えるので馴染みやすい。端末の連絡先を呼び出すことも簡単にできるし、着信音やバイブレーションのオンオフも可能。IP電話で掛けるボタンのすぐ横に、普通に携帯から(080や090から)掛けるボタンがあり、うっかりそちらを押すと通常の国際電話扱いになってしまうのでそこは少し注意した方が良いかもしれない。

■ビジネスでの使い分けや万が一の備えにも

 通話品質、金額以外のメリットで感じたことも幾つかある。MWCのような大きな展示会では、「○○に関する大きな発表が行われる!」といった情報が急遽入ってくることもあり、そんな時に電話ですぐ連携を取れたこともメール等でのやり取りに比べてメリットとなった。また、050という番号が付与されたおかげで、各メーカーのブース担当者などと落ち合う際に、現地での電話番号はこちらです、といった案内が出来たのも助かった。ビジネス利用という観点でいくと、プライベートの番号と分けられることもポイントになる。観光で来ていたとしても、やはり海外ではスリの被害など不足の事態も起こりやすいので、万が一の際の備えとしての通話手段は大切だと感じた。事実バルセロナではこの時期非常にスリが多いらしく、我々は大丈夫だったが、被害にあった参加者も多かったようだ。

 今回の出張ではそこまで長電話をしなかったので、5日間の通話回数は計19回で総通話時間は37分50秒。「050 plus」の通話料は合計748円で、ホワイトプランと比較すると1101円おトクという結果になった。通話料は確かにおトクだが他社比較はあくまで目安であるし、ここに月額315円の基本料も入ってくるので、あとはどれだけ月に通話するかによって価値は変わってくる。ただそれ以上に他アプリとの違いを感じたのはやはりアプリ間以外でも通話できるという部分。出張中のビジネスマンだけでなく、卒業旅行で初めて海外に行く人や短期留学中の人など、できれば定期的に家族と連絡が取れると嬉しいと思う。家の電話や親のガラケーに直接電話できるのは心強いだろう。もしもの備えも兼ねて、検討してみる価値はあると思う。ただ、せっかくの海外出張中に会社から普通に電話が掛かってくる状態は、少し窮屈な気がしないでもなかった。
《白石 雄太》

関連ニュース

特集

page top