夏商戦で状況は変わるか? 好調2キャリアと苦しいドコモ、明暗を分けている要因は | RBB TODAY

夏商戦で状況は変わるか? 好調2キャリアと苦しいドコモ、明暗を分けている要因は

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各社MNP数の推移
  • 各社MNP数の推移
  • 「auスマートバリュー」がKDDIのMNP好調を支えている
  • 引き続き好調を維持しているiPhone 4S
  • プロモーションにも力を入れている
  • auスマートパスも好調だ
  • AQUOS PHONE SoftBank 102SH II。「プラチナバンド」対応、大画面4.5インチの高精細HD液晶搭載防水スマートフォン
  • プラチナバンド対応としていち早く発売された「PANTONE 4 SoftBank 105SH」
  • 予約も非常に好調だったとされるドコモの「GALAXY SIII SC-06D」
 6日、電気通信事業者協会(TCA)が携帯各社6月の契約数を発表した。他社からの乗換えとなり、キャリアの勢いを示す指標と言われているナンバーポータビリティ「MNP」では、KDDIが9ヵ月で1位となり、好調を維持している。また、純増数ではソフトバンクが6ヵ月連続で1位と、こちらも引き続き好調だ。

 一方、好調2キャリアと比較して厳しい状況が続いているのがNTTドコモ。MNPでは転出超過が続き、純増数でも6ヵ月連続で3位、さらに6月の純増数は1万1,300件と5年振りの低水準となっている。MNPはKDDI、純増数はソフトバンクという状況が定着し、ドコモとの明暗が分かれているが、その要因はどこにあるのか、各社に話を聞いた。

■「auスマートバリュー」がKDDIの好調を支える。端末ラインナップの拡充も

 MNPで好調のKDDIに話を聞くと、まず話に挙がったのが3月からスタートした新サービス「auスマートバリュー」だ。これは、特定の固定回線とセットで契約することで、auスマートフォン1回線あたりの利用料金から最大2年間、毎月1,480円が割り引かれるといもの。家族全員が割引対象になるため、一家全員でauに乗り換えればお得感も大きい。さらに、対象となる回線サービスに全国のケーブルテレビ事業者のサービスも含まれており、各事業者と相互にピーアール展開をしたことで、新たな顧客の獲得に成功したとのこと。「auスマートバリュー」の契約数はすでに100万を超えており、その勢いがしばらく続きそうだ。

 500本以上のアプリのほか、クーポンサービス、セキュリティ、ストレージサービスなどが月額390円で使い放題となる「auスマートパス」も好調で、こちらも開始から2ヵ月で100万契約を突破している。KDDIでは、ユーザーになるべく低負担で使って楽しんでもらえるサービスをさらに拡充したいとしており、月額590円で映画やアニメなどが見放題で楽しめる「ビデオパス」、月額315円のストリーミング型音楽サービス「うたパス」といったサービスを次々に開始している。

 こうしたサービス面の充実が、KDDIの好調を下支えしているとのことだが、端末についても好感触を得ているという。KDDIのMNP連続1位がスタートしたのは昨年の10月で、これはiPhone 4Sの発売と重なっている。ここをきっかけに、Androidスマホも拡充し、スマートフォンで出遅れているイメージを払しょくできたことも大きい。引き続きiPhone 4Sは好調なほか、夏モデルとして発売した「HTC J」も非常に好調な売れ行きだという。

■好調が続くiPhone 4Sとプラチナバンドへの期待が要因のソフトバンク

 次に純増数で首位をキープし続けているソフトバンクだが、こちらはやはりiPhone 4Sが好調であり、そこに対して積極的にキャンペーン等を実施し、注力しているとした。現在も、ホワイトプランの基本使用料0円もしくは商品券1万円分キャッシュバックが選べる「iPhoneかえトクキャンペーン」を実施中で、好評とのことだ。3月に発売された「新しいiPad」も順調で、この6月の純増数は昨年同月比を上回っており非常にいい傾向と捉えているとした。

 また、ソフトバンクは、電気通信の用途において良質とされ、プラチナバンドと呼ばれる900MHzの周波数帯域を利用したサービスを25日から開始する。このことも追い風となっており、プラチナバンド対応端末として3月にいち早く発売されたPANTONEケータイ「105SH」が、サービス開始前にも関わらず非常に売れ行き好調だそうだ。今後もプラチナバンド対応端末はスマートフォン含め増えていくため、その影響は少なくないだろう。スマホ以外の部分では、データカードやみまもりケータイ、デジタルフォトフレームのフォトビジョンなども、純増数の好調に寄与しているとのことだった。

■プリペイドの解約が響いたドコモ。iPhoneが無い中、夏モデルでの巻き返しなるか

 最後に苦しい状況にみえるドコモにも話を聞いた。今月、純増数がここ数年でもかなり低い水準になってしまったことについては、昨年12月にソニー・コンピュータ・エンタテイメントが発売した携帯ゲーム機「PS Vita」の3G版のユーザーが契約を更新せず解約となったことが大きく影響しているという。「PS Vita」3G版は、NTTドコモのプリペイドデータプラン180日分がついたものが初回限定で発売されており、そのユーザーの解約期限が一度に来たことが大きいとみられている。加えて、ドコモ以外の2社がそろって好調の要因に挙げたiPhoneが無いということも、不調の大きな原因になっていることは間違いないだろう。

 ただ、MNPについては、転出超過が続いているものの、その数字は徐々に縮小傾向にあり、そこまで悲観していないとのこと。ドコモは、2012年夏モデルスマートフォンとして、「GALAXY SIII」や「ARROWS X」、Xperiaシリーズなど注目機種も含めて多くのラインナップを揃えた。これらの販売が本格化する7月、8月は、MNP、純増ともに回復が見込めるとの見方だ。3キャリアで唯一iPhoneが無いという状況を、Androidスマホの充実で跳ね返せるのかどうか、注目したい。そのほか、XiスマホやFOMAスマホ、iモードケータイのユーザーが、2台目にXiタブレット、Xiモバイルルーターなどを利用する際に毎月の定額料が割り引かれる「プラスXi割キャンペーン」の影響もあって、タブレットやデータ端末は好調だという。

 ここまでは、MNPでKDDI、純増数でソフトバンクが優位に立ち、ドコモが苦しい状況が続いている。このままの勢いで2社がさらに数字を伸ばしていくのか、それともドコモの巻き返しがあるのか、この夏商戦の行方が気になるところだ。
《白石 雄太》

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