モバイルブロードバンドとLTEの動向……エリクソン・ジャパン | RBB TODAY

モバイルブロードバンドとLTEの動向……エリクソン・ジャパン

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CTOの藤岡雅宣氏
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 エリクソン・ジャパンは11日、都内で「TELECOM SEMINAR」を開催し、モバイルブロードバンド時代のICT政策や技術動向を解説した。

 同社CTOの藤岡雅宣氏は「モバイルブロードバンドアプリケーションに向けた4Gへの技術動向」と題した講演のなかで、LTEの動向について触れた。氏の示した資料によると、現状、商用LTEサービスを提供中の事業者は北米を中心に28事業者となっており、これが2012年末までには93以上の事業に増える見込みだ。

 対応端末に関しても、タブレットやスマートフォンなど161が存在し、開発も順調に進んでいる。加入者の数はまだまだ少ないが、グローバルで200万以上の加入者がいる。ちなみにVerizon Wirelessは100万以上、NTTドコモは30万以上となっている。

 ただし、このLTEに関しては2009年12月にサービスを開始した北欧TeliaSoneraは2.6GHz帯、2010年12月にサービス開始の米Verizon Wirelessは700MHz帯、NTTドコモは2GHz帯、独Vodafoneは800MHz/2.6GHz帯といった具合に、周波数帯がバラバラでローミングに適さない。コアバンドをどこにするかが問題になってくるだろうとしている。

 一方、TD-LTEにも活発な動きがみられる。来年商用化が見込まれる中国の場合、2011年第2四半期から上海、南京、杭州、深センなど各100基地局以上による大規模フィールド試験がはじまっている。インドではTDD帯域のオークションが2010年6月に完了し、Bharti、Reliance、Tikona、Aircel、AugereがTD-LTEを採用する方向だ。インドは、当初はWiMAXという話もあったが、流れはTD-LTEになっているという。商用化は今年後半になるとしている。米国のCleawireに関してもWiMAXと並行してTD-LTEを検討し、欧州、日本、台湾、チリなどにも同様の動きがみられる。

 藤岡氏は、LTEは帯域幅がかなり柔軟に選べること、標準で決めらた1.4、3、5、10、15、20MHzという6つの周波数帯域で運用でき、立ち上がりが早い点が面白いところだと評価する。実際、Verizon Wirelessではかなり早いスピードでカバレッジが行われている。2011年末までに175都市、2013年末までには全国をカバーする見込みだ。ドイツでは、デジタルデバイド解消にLTEが採用され、地方から先に導入が進む。ここではLTEの800MHz帯が利用されるが、2.1GHz(UMTS)と比べて、800MHzはひとつひとつの基地局のカバレッジが広いので実用的だという。

 また、LTEの普及には、ネットワーク運用を自動化するSON(Self Organizing Network)が貢献している。藤岡氏はSONソリューションのANR(Automatic Neighbor Relations)のテストルートの結果を挙げ、近隣のセルを初期設定せずに構築し端末情報に基づいてトラフィックを疎通する同技術により、ハンドオーバーの成功率は100%となっていると話した。品質の高さに加えて、LTEは3Gに比べてネットワーク構成が単純化されているため、結果的に遅延時間が短くなっている点も紹介された。GPRS(2.5G)では600msであったのが、HSPAでは50ms、LTEでは30msとなっている。実際、ドイツではVodafoneネットワークを使って、3Gの都市部と地方、LTEの2.6GHz帯、800MHz帯をテストした。その結果2.6GHz帯のLTEで90%の割合で遅延が50ms以下という結果が得られた。

 これらの技術の進化とともにトラフィック量が急激に増えている。2009年Q2から2010年Q2の間にモバイルデータのトラフィックは3倍になった。モバイルデータは音声と比較して10倍の速度で増加しており、2016年までに世界の全てのトラフィックが15倍になるという。調査によると、2008年と2010年を比較するとPCの利用時間は20%減少しており、明らかなモバイルへの移行が見られるという。問題は、トラフィック量と収益にかい離が出てきている点だ。

 現状ではモバイルブロードバンドは、ARPU増と加入者増によって収益拡大に貢献している。AT&Tでや香港SmarToneでは、ARPU、収益ともに増えている。ただ、ヘビーユーザーのトラフィック制限やトラフィック種別による優先付け、SONなど自動化機能によるコスト低減などビット当たりのコスト低下により、トラフィックの増加が収益増加と連動しない状態を回避する努力が必要だ。藤岡氏は「すでに日本ではトラフィック制限を行っているが、それをさらにうまく運用していく必要があるのではないか」と話す。また、技術的には基地局をたくさん打つということ、さらにHetNetを導入していくことが挙げられるとした。HetNetとは、LTE-Advancesの要素のひとつ。マイクロセルのなか(カバレッジ)にピコセルを入れて高いデータ通信速度を提供するが、独立したピコセルを配置する方法、独立したリレーを配備する方法、マクロセル内に無線ユニットを配備する方法などの実現方法がある。
《RBB TODAY》

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