【Wireless Japan 2011(Vol.1)】NTTドコモ、世界に先駆け次世代LTE“LTE-Advanced”をお披露目! | RBB TODAY
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【Wireless Japan 2011(Vol.1)】NTTドコモ、世界に先駆け次世代LTE“LTE-Advanced”をお披露目!

ブロードバンド テクノロジー
NTTドコモ 無線アクセス開発部 無線アクセス方式担当 担当課長 安藤英浩氏
  • NTTドコモ 無線アクセス開発部 無線アクセス方式担当 担当課長 安藤英浩氏
  • NTTドコモ 無線アクセス開発部 無線アクセス方式担当主査 川村輝雄氏
  • 4G高速データ通信の大本命と目されている「LTE-Advanced」。最大100MHz帯域を利用し、下り最大1Gbpsを実現する。3Gから4Gへのスムーズな移行も可能だ
  • 展示の見どころの1つ、LTE-Advancedの高速無線伝送の実験。左側が基地局、右側が移動局になっている
  • 実験装置を通して受信した電波状態のデータなどを表示。高スループットをはじきだしているのがわかる(写真は下り数値)。
  • もう1つの展示の見どころ、LTE-Advancedの性能を最大限に活用したアプリケーション「3Dパノラマ伝送」。
  • 「3Dパノラマ伝送」で用いられる全方位マルチカメラ(6個のカメラを搭載)。360度方向に5つのカメラ、上部に1つにカメラが付いている。Googleストリートビューの制作に利用された車載カメラのようなものだ
 25日から東京ビッグサイトにて開催される「Wireless Japan 2011」で、NTTドコモがLTEの進化版ともいうべき「LTE-Advanced」を展示デモすることが明らかとなった。世界に先駆けた公開となり、一般の目に触れるのは今回がはじめて。

 LTE-Advancedの要求条件は、下りリンクにおいて1Gbpsのピーク速度をワイヤレスで実現することです。また下り速度だけでなく、上り速度も高速化される点も大きな特徴の1つ」と説明するのはNTTドコモ 無線アクセス開発部の川村輝雄氏(無線アクセス方式担当)だ。実際にLTE-Advancedでは、上りでも500Mbps以上のスループットを目標にしており、4G高速データ通信の大本命と目されている。大容量化することで、より多くのユーザーが快適に利用できる環境が整備され、高精細な映像伝送など今後さまざまな分野で新しい活用法が登場するかもしれない。

 NTTドコモ 無線アクセス開発部の安藤英浩氏(無線アクセス方式担当 担当課長)は、LTE-Advancedの技術的なポイントについて「キャリアアグリゲーションとMIMO拡張技術の組み合わせが重要」と話す。「キャリアアグリゲーション技術」は、現在のLTE端末が接続可能な帯域幅(最大20MHz)を1単位とし、複数分束ねて広帯域化する点が大きな特徴だ。これにより従来のLTEと互換性を維持しながら、さらに高速なLTE-Advancedとして利用できる。言い換えれば、LTE-Advancedが提供されていない地域では旧来のLTEを利用すればよく、無理のないスムーズな4Gへの移行が可能になるわけだ。もう1つの技術的なポイントである「MIMO拡張技術」は、送受信に複数対のアンテナを使って無線データ通信の高速・大容量化を図るもの。「従来のLTEでは、最大4レイヤに対応していましたが、LTE-Advancedでは最大8レイヤまで拡張できます。さらにLTEの場合は上り側でMIMOが未実装でしたが、LTE-Advancedになってから最大4レイヤを使用できるスペックになっています」(安藤氏)。これにより前述のように上り速度も高速化されるのだ。

 ほかにも基地局側のシステムで多くの改善点があるという。安藤氏は「セル端でのスループットの向上やカバレッジの改善のために、Relay技術やセル間干渉制御技術等も仕様に盛り込まれています」と解説する。これは基地局と端末の信号を中継する装置を設置したり、隣接する基地局間の信号を制御することで互いの干渉を低減させるなどして、基地局から離れた場所でも高速なデータ伝送を可能にするのだ。

 さて今回のワイヤレスジャパンの展示の見どころについてだが、このLTE-Advancedの高速無線伝送の実験が公開される予定だ。1つの基地局装置と移動局装置で通信を行う動態デモが実施されるという。2×2MIMOを実装し、下りは帯域幅100MHzで最大600Mbps、一方の上りは帯域幅40MHzで200Mbpsほどの速度がデモされる。さらにもう1つの見どころは、LTE-Advancedの性能を最大限に活用したユニークなアプリケーションの「3Dパノラマ伝送」だ。会場では、来場者に3Dメガネと、パノラマ視点を切りかえられるコントローラが与えられ、これを操作することによって360度の3D映像をリアルタイムで体感できるという。移動局側に全方位マルチカメラ(6個のカメラを搭載)を2つ用意(右目と左目用)。合計12台のカメラで同時に撮影した3D動画をLTE-Advancedの無線ネットワークで伝送し、それを基地局側で受信してから、大画面スクリーンで映像として再生する仕組みだ。

 現在このLTE-Advancedの実証実験は屋内実験だけでなく、屋外環境でも精力的に進められているところで、2015年を目処に開発を完了させたい意向だという。まだLTEサービスが開始されて間もないが、NTTドコモではさらなる次の一手として進化を遂げたLTE-Advancedを具現化すべく、研究開発を続けているところだ。ぜひワイヤレスジャパンで、商用化される前の最先端技術を垣間見ていただきたい。
《RBB TODAY》
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