NEC、周囲の状況に応じてプロセッサの動作を自動調節するシステム制御法を開発 | RBB TODAY
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NEC、周囲の状況に応じてプロセッサの動作を自動調節するシステム制御法を開発

エンタープライズ その他
 NECは28日、携帯端末、カーナビ、情報家電などの組込みシステムにおいて、ユーザの状態や利用シーンなど、周囲の状況に応じて自動的にプロセッサの能力配分を調節するシステム制御手法を開発したことを発表した。

 このシステム制御手法では、例えばカーナビにおいて、「ユーザが画面を見たときだけ、地図表示用アプリケーションの処理を優先し、代わりにルート検索の処理は遅くする」など、機器外部の状況変化に応じて、組込み機器の限られたプロセッサを効率的に動作させるという。これにより、機器のサイズや消費電力を抑えつつ、ユーザに高い満足度を提供できるとのこと。また、動作中のアプリケーションに対するプロセッサ等の配分量は機械的に算出できるため、機器設計のコスト削減も実現可能だ。

 今回開発されたシステム制御手法を実現した設計プロセスは、システムに組み込む前に、各アプリケーションについて割り当てるプロセッサ能力と発揮される性能の関係を測定した。そして、各アプリケーションに対し、利用シーンごとにユーザの注目度に対応して重要度を設定。実行中のアプリケーションの重要度に応じた性能の和をユーザ満足度と定義した。そして、これらの情報をもとに、システム利用時にカメラ等のセンサで周囲状況を認識して利用シーンを判別し、各利用シーンに対するプロセッサ能力を配分する割合の最適値を算出し、OS等に指示してプロセッサ能力配分を設定。これにより、周囲状況に応じてユーザの満足度を最大化するプロセッサ能力の自動調節が可能となったとのこと。

 なお、NECエレクトロニクス製システムLSIを実装した試作カーナビアプリケーションに、このシステム制御手法を搭載し、カメラを用いて周囲状況を認識させる実証も、すでに行われているとのこと。またこれらの成果は、9月30日〜10月3日に米国フロリダで開催される国際会議「Ubicomp2009」にて発表の予定。
《池本淳》
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