三菱電機、双方向10Gbpsの超高速光アクセス「10G-EPON試作システム」を開発 | RBB TODAY
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三菱電機、双方向10Gbpsの超高速光アクセス「10G-EPON試作システム」を開発

エンタープライズ その他
伝送レート10Gbpsと1Gbpsの混在収容構成
  • 伝送レート10Gbpsと1Gbpsの混在収容構成
  • システム構成例
 三菱電機は5日、電話局とユーザ宅の端末をつなぐ光アクセスネットワークにおいて、上り下りともに現行システムの10倍となる10Gbpsの高速通信を実現する「10G-EPON試作システム」を開発したことを発表した。

 「10G-EPON(10Gigabit-Ethernet Passive Optical Network)」は、1本の光ファイバーに複数の加入者を収容する通信技術。伝送レートは10Gbpsとなる。現在、ユーザ宅の光回線終端装置(ONU)と、電話局の局内装置(OLT)をつなぐ光アクセスシステムは、1つのOLTで複数のONUを収容するGE-PON方式が採用されている。これを10Gbpsに高速化するには、各ONUから高速に送出される光信号を、短時間で確実に処理できるOLTの実現が課題だった。

 三菱電機は今回、上り下り双方向で10Gbps高速通信を実現し、業界で初めて既存と新規の両加入者を混在して収容できる「10G-EPON試作システム」を開発した。1本の光ファイバーを分岐させて複数のONUを収容するPON方式では、ONUからOLTへの上り方向の信号が互いに衝突しないように、時間を区切って、タイミングをずらしながらバースト状の信号として送出する時分割多重方式を採用している。従来は高速化するとOLTがそれぞれの信号を短時間で識別して処理することが困難だったが、同社はタイミングの変化、レベルの強弱、波形のゆがみに高速応答し、信号を的確に識別するOLTを開発し、上り方向の10Gbps伝送を実現した。またOLTからONUへの下り方向にWDM技術を適用し、1つのOLTで伝送レートが異なる2種類のONUの混在収容を業界で初めて実現した。1Gbpsでは従来と同じ光波長を、10Gbpsでは異なる光波長を用いるので、現行の1Gbpsユーザは、これまでのONUを交換することなく、そのまま使用できる。これにより、システムのスムーズな移行が可能となる。

 同社では数年後の商用化を目指し、NGN(Next Generation Network)のサービスグレードにも対応できる通信品質、セキュリティー機能向上と高集積化による小型化、低消費電力化を進めるとのこと。
《冨岡晶》
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