【シリーズ・テレビ新時代】NHKオンデマンド開始で注目の「ひかりTV」!独自コンテンツの積極展開も目指す | RBB TODAY
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【シリーズ・テレビ新時代】NHKオンデマンド開始で注目の「ひかりTV」!独自コンテンツの積極展開も目指す

IT・デジタル テレビ
ひかりTVのウェブサイト。12月からはじまった「NHKオンデマンド」もピーアールしている。
  • ひかりTVのウェブサイト。12月からはじまった「NHKオンデマンド」もピーアールしている。
  • 映像ビジネス本部映像サービス営業部プロモーション担当部長 今枝荘介氏
  • ひかりTVのビデオサービス(VODサービス)画面
  •  NHKオンデマンドにより新たなマーケットが登場すると期待されているが、プラットフォームとして期待されているのが「IPTV」。特にNTTぷらら(ぷらら)が運営する「ひかりTV」もそのひとつだ。
 12月から日本放送協会(NHK)が開始したオンデマンド配信サービス「NHKオンデマンド」。「NHKスペシャル」「映像の世紀」「プロジェクトX 挑戦者たち」「歴史への招待」「ダーウィンが来た」など人気コンテンツを週1回更新で提供するライブラリーや見逃し視聴できるコンテンツが魅力だ。これによりVOD市場の新たなマーケットが登場すると期待されているが、そのプラットフォームとして期待されているのが「IPTV」。特にNTTぷらら(ぷらら)が運営する「ひかりTV」は、VODサービスに加え多チャンネル放送やカラオケを提供。NTT東日本、NTT西日本の「フレッツ 光ネクスト」と対応チューナーを利用していれば、地上デジタル放送IP再送信も視聴可能だ。

 そもそもひかりTVは、「オンデマンドTV」、「4ht MEDIA」、「OCNシアター」の3つのVODサービスを統合したものだ。それぞれが、多チャンネルサービス、VOD見放題、カラオケサービスなどの特徴を持っていたが、ひかりTVではこの特徴を引き継ぎながら、地上デジタル放送の再配信サービスも追加している。料金プランは、VODと多チャンネル放送サービスが両方とも楽しめる「お値うちプラン」(月額3,675円)が主力。多チャンネル放送サービスを中心に楽しむ「テレビおすすめプラン」(月額2,625円)と、VODを中心に楽しむ「ビデオざんまいプラン」(月額2,625円)も用意している。どのプランでも、多チャンネル放送サービスの10チャンネルと地上デジタル放送が追加料金なしで楽しめる。テレビおすすめプランでは、基本料金で53チャンネルが楽しめるほか、オプションチャンネルとして23チャンネルを揃えている。VODはその都度課金でも利用できる。一方のビデオざんまいプランでは、10,000本以上のVODコンテンツのうち約5,000本が基本料金のみで楽しめる。

 同社映像ビジネス本部映像サービス営業部プロモーション担当部長の今枝壮介氏に、ひかりTVの特徴やNHKオンデマンドへの期待などを直撃した。

——「ひかりTV」のメリットは何ですか?

 Bフレッツのエリアであればどこでも見られるという点です。さらに、BフレッツのNGNサービス「フレッツ光 ネクスト」のエリアであれば、追加料金なしで地上デジタル放送も見られるのも特徴と言えます。さらに70ch以上のテレビサービスやカラオケも楽しめます。このように多様なサービスをパッケージ化しているという特徴があり、これは映像をIPで伝送しているからこそできるサービスといえます。

——地上デジタル放送はどのようにして楽しめますか?

 ひかりTVでは、映像の信号をパススルーではなくIPで送信しています。これをSTB(セットトップボックス)が受信しテレビに映します。そのためSTBを接続したら、アナログのテレビでも地上デジタル放送が楽しめます。地上デジタルのチューナーが、ひかりTVのSTBに入っているというイメージですね。このような仕組みのため、テレビのアナログ地上波が停止する2011年7月以降でも安心してアナログテレビで地上波放送の番組がご覧いただけます。

——販売面の戦略を教えてください

 せっかく大きい画面のテレビがあるのなら、ゲーム機やCS放送、CATVとは違う世界で“新しい楽しみを追加する”というアピールをしています。

——“新しい楽しみを追加する”という売り方に課題はありませんか?

 VODの認知度が低いせいか、理解してもらいにくいのが課題です。紙のパンフレットだとなかなか説明が難しいですので、ウェブでおすすめの料金プランや楽しみ方などをアピールしたりしています。また、Bフレッツ加入者に対して電話による勧誘も行っていますが、非常に感触がいいです。現在の具体的な契約数は申し上げられませんが、今年度中に累計48万契約という目標がありますが、これは達成しそうです。

——テレビサービスのベーシックチャンネルはどのような基準で選ばれましたか?

 ベーシックチャンネルは40ほど揃えていますが、誰でも楽しめる番組という基準で選びました。チャンネルの数は、スカパー!よりも少ないですが、気軽にテレビサービスをご契約いただけるように値段を抑えています。テレビサービスの安さで気軽にひかりTVをご契約いただき、それがVODの利用にもつながればと期待をしています。

——12月1日から配信を開始したNHKオンデマンドへの期待をお聞かせください

 NHKが腰を据えて本格的にコンテンツを出してくるということで、期待は非常に大きいです。ひかりTVにNHKオンデマンドが加わることで、バラエティーに富んだ楽しみが提供できるようになり、たくさんのユーザが利用していただけると思います。特に「見逃し番組」は、あらたなスキームだと期待をしています。過去1週間のドラマやニュースがいつでも見られるということは、ひょっとしたら多チャンネルテレビのように感じるかもしれません。わざわざ録画予約をしないと見られないHDDレコーダとも違う新しい世界のような気がします。

——NHKオンデマンドがVOD市場に与える影響は、いかがお考えですか?

 VOD市場全体に、大きな影響を与えると感じています。その影響の1つは、NHKオンデマンドがうまくいくと民放も進出してくる可能性があるということ。もう1つは、VODに対する認知度の向上ですね。VODはまだまだ小さい市場のため認知度が低いです。そこに、NHKオンデマンドという強力なコンテンツが投入されることで認知度が高くなるという期待があります。

——NHKオンデマンドのほかにVODが広まるブレイクスルーは何があると思いますか?

 VODはレンタルDVD店に例えられることがあります。店舗で好きなDVDを扱っていても、すべて貸し出し中ということもあります。また、見たいDVDがすべて揃っていても貸し出し枚数の制限があったりします。しかしVODですと、貸し出し中などを気にせずに海外ドラマの48話を一挙に楽しむということができます。ネットワーク上にコンテンツをアーカイブすると生まれるこのようなメリットは、まだまだ理解されていないのが現状です。それをユーザに享受してもらい、利便性が広まっていくとブレイクしていくと思っています。


——ひかりTVのコンテンツ調達はいかがですか?

 ひかりTVは閉じられたフレッツ網を使って配信し品質を確保しています。これは、ユーザが快適に楽しめるだけではなく、映画会社などが安心してコンテンツを提供できることにもつながっています。この安心感が評価されハリウッドの6大メジャーと契約ができたという実績があります。良いプラットフォームを構築しますと、お金を払っても見る価値があるコンテンツが集まってきます。パケットがインターネットを経由するサービスとは、そんな違いがあると考えています。

——ひかりTV独自のコンテンツはありますか?

 最近ですと、鎌倉音楽祭や東京国際映画祭があります。特徴的なのは、まずひかりTVの独自チャンネルにて生中継を行い、後日、編集した番組をVODで配信するという点です。1つのサービスで、放送とVODサービスを提供しているためできる形態ですね。そのほかに、Jリーグはすべての試合を配信しています。ほかではなかなか見られないアイスホッケーの試合も配信しています。

——光ケーブルによる映像配信には、CATVなどが採用するRF方式もありますが、IP伝送方式のメリットはどこにありますか?

 IPTVは、プラットフォームの標準規格があるという特徴があります。東芝の「REGZA」とシャープの「AQUOS」の一部モデルはこの標準規格に沿っており、STBを接続しなくてもひかりTVなどが楽しめます。またIP伝送だと宅内の配線が楽になるというメリットもあります。テレビ放送の電波を通す同軸ケーブルの配線は、距離が長くなるとブースターを入れる必要があるなど非常に面倒です。しかし、IP伝送だとLANケーブルを用いますので、配線の手間は同軸ケーブルよりも少なくて済みます。

——無線LANタイプのSTBを提供する予定はありませんか?

 配線の手間を省いて少しでも簡単に使っていただきたいので、無線LANタイプのSTBも検討をしています。しかし、VODの8Mbpsはいいとしても、地上デジタル放送のビットレートは14Mbpsですので、そこがネックになっています。無線LANタイプのSTBは、帯域をある程度保証できることが条件ですね。

——IPTVの将来性については、どのようにお考えですか?

 さらにIPTVは拡張性が高く将来性があると考えています。アメリカのIPTVでは、録画予約などの付加サービスがあるそうです。ひかりTVでも、このような付加サービスは検討の余地に入っています。ひょっとすると、2年や3年後に私たちでも想像できないような新しいサービスを提供しているかもしれません。
《安達崇徳》
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