【連載・視点】宮崎発のベンチャー企業!会わない営業で広がるECビジネス | RBB TODAY

【連載・視点】宮崎発のベンチャー企業!会わない営業で広がるECビジネス

エンタープライズ ソフトウェア・サービス

代表取締役社長の濱渦伸次氏
  • 代表取締役社長の濱渦伸次氏
  • アラタナ エントランス
  • 本社オフィスの様子 仕切りがなく広々としている
  • エンジニア・デザイナー職が半数以上を占めるため、集中して作業に取り組む時間を設けている
  • アラタナ トップページ
  • カゴラボ
■地方発、1000人規模のEC企業を目指す

 地方でビジネスを興し、新しい雇用を創出しようとする動きが注目されている。宮崎に拠点を構える株式会社アラタナは、「宮崎に1000人の雇用をつくる」という目標を掲げる地方発のITベンチャー企業。ネットショップ構築パッケージ「CAGOLAB(カゴラボ)」、ショップ向けのデザイン製作アプリケーション「SketchPage(スケッチページ)」などeコマースに特化したテクノロジーとサービスを提供し、1000社を超えるネットショップの支援実績を持つ。

 代表取締役社長の濱渦伸次氏は、地元宮崎の出身。一度は東京に出てメーカーに就職したが程なくして宮崎に戻り、飲食店経営に挑戦するも失敗。その後しばらくフリーランスとしてWeb製作・カメラマン等の仕事を兼務し、2007年、工業高専時代の同級生でもあった穂滿一成氏(現アラタナ取締役)と2人でアラタナを創業した。フリーランス時代に地元のアパレルショップにおいてネットショップ構築を経験。地方の商店街など、小規模店舗が衰退していく中、ネットショップに活路を見出して成功するということを実際に経験し、ECの可能性に気付いたのだという。

 「宮崎に1000人の雇用をつくる」という目標は、創業当初から既に掲げていた。1企業で1000人規模の採用を目指す以上、地元だけで仕事を獲得していたのでは限界がある。目を付けたのは、“オープンソース”のEC構築パッケージだった。「全国から顧客を獲得することが必要な中で、スケールが見込めて、かつ安定するビジネスモデルはASPだろうと考えました。ただし当時は資金もなく、社員も2人だけ。その状態で始められるASPサービスを思案していたところ、『EC-CUBE』というオープンソースが出てきた。これを活用すればやれるのではないかと思いました」(濱渦氏)。EC-CUBEをベースに、サーバーや決済システム、追加のカスタマイズなどのサービスを加えて独自にパッケージ化することで完成したのが「カゴラボ」だ。当初はノウハウと成功体験を有していたアパレル関連にターゲットを絞って業界特化のECパッケージとしてスタート。その後、細かくカスタマイズできる拡張性、デザイン・システム構成から運用・SEO対策までワンストップでの提供できることなどの特徴が支持され、他業界や県外の顧客を獲得。現在までに約800サイト以上の導入実績があり、EC-CUBEでの構築実績は国内1位となっている。

■敢えて「人手を介す」ことで差別化を図る!営業は“会わないこと”を徹底

 「ECの技術に特化した100人が宮崎にいることで、売れるネットショップを速く安く作れる」。濱渦氏はアラタナの一番の強みをこう話す。たとえば「カゴラボ」では、ショップの成長に合わせた自由度の高いカスタマイズが可能で、一般的なASPサービス、モール型サービスとの大きな違いになっている。通常、サービスのコストを下げるためには、いかに「自動化」するかがポイントになるが、こうした個別のカスタマイズは自動化できない。アラタナは、この自動化できない部分にチャンスを見出し、積極的に「人手を介す」ことで顧客の満足度を上げてきた。顧客の要望をひとつひとつ丁寧に聞き、オーダーメイドに近い対応を行ってきた。オフィスの賃料や社員の生活費が首都圏に比べて格段に安いため、人手を介しても価格競争力が失われない。

 さらに同社がユニークなのは、「一度も会わない営業」を徹底している点。いわゆる訪問営業を行わなくても、電話やメール、Skype等のITツールを活用することで顧客とのコミュニケーションは十分はかれるという。逆に長時間移動して営業に出ない分、サービスの質や対応速度の向上、提供価格を抑えることができているそうだ。
《白石 雄太》

関連ニュース

特集

page top