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情報通信総研、ICTが経済に与える影響を把握するマクロ計量モデルを構築

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実質GDP成長率の予測(年度、寄与度)
  • 実質GDP成長率の予測(年度、寄与度)
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 情報通信総合研究所(ICR)は23日、情報通信(ICT)産業が日本経済に与える影響を把握する一環として、篠﨑彰彦・九州大学教授、飯塚信夫・神奈川大学准教授の監修のもと、内生変数70、外生変数64から成る、小型のマクロ計量モデルを構築したことを発表した。

 このモデルは、企業による設備投資におけるICT投資比率が高まった際の日本経済への影響の分析ができること、日本経済の変動に対して機動的なシミュレーションができることの、2点の特長を持っているという。企業の設備投資に対するICT投資の割合が高まることにより情報資本ストックが蓄積されることで、企業の業務が効率化されて、企業の利益率を改善させるという経路が、モデルのなかに織り込まれている。

 今回このモデルにおいて、ICT投資比率が2012年度から2014年度にわたり2011年度の値で一定であること、そして海外経済が緩やかながら回復を続けるという前提のもとに予測を行ったところ、実質GDP成長率は、2012年度に2.2%、2013年度に1.5%、2014年度に1.6%となった。2012年度は復興需要による内需の拡大が成長率を押し上げ、2013年度以降は海外経済の回復にともない輸出が増加し、企業収益も改善することから設備投資が景気を支える見込みとなっている。ただし、スマートフォンの普及における通信トラヒックの増大に対応するため、大手移動体通信事業者が通信インフラの増強を行っていること等、ICT投資の比率は増加することが予想される。このようなICT投資の増減が日本経済に与える影響のシミュレーションは今後別途公表する予定とのこと。

 今後はモデルの精緻化に努め、企業による設備投資の部分だけでなく、ICTが日本経済へ与える影響を分析できるように、ICTに関する諸変数を明示する形でモデルを拡張していく計画だ。さらに消費税の増税の影響を織り込んだ2012~2015年度までの実質GDP成長率の予測に加え、ICT投資の増減による実質GDP成長率への影響のシミュレーションした結果を年末に公表する予定。
《冨岡晶》
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