IDC Japan サーバーリサーチマネージャーの林一彦氏は「2009年の国内x86サーバ市場は、多くのユーザ企業が、景気後退の影響から、投資予算を削減する。そのため、限られた顧客予算の争奪が激しくなるとみている。このような状況下では、成長性の高いセグメントを見極めることが重要である」とのコメントを寄せている。
x86サーバのオペレーティングシステム別では、WindowsとLinuxが成長するセグメントだとした。Windowsは、2008年に最新のサーバOSであるWindows Server 2008が出荷された。しかし、ユーザ企業においては、IT予算削減の影響で、サーバの更新を延伸するだけでなく、レガシーアプリケーションの延命を図る動きがでている。このためOSの更新も控えられ、同OSの普及もゆるやかに進んでいる。マイクロソフトは、今年に入り、中小企業向けに機能を限定した、Windows Server 2008の低価格サーバ向けバージョンの出荷を始めた。また、Windows Server 2008の次期バージョンとなるエンタープライズサーバに向けた Windows Server 2008 R2を発表した。「これら新製品の効果によって、同OSの本格的な普及は、x86サーバ市場の回復が見込まれる2010年に入ってからになるとみている」と林氏は述べている。
なお今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内x86サーバ市場2009年〜2013年の予測: Windows Server 2008のインパクト」にその詳細が報告されている。同レポートでは、国内x86サーバの2004年から2008年までOSごとの出荷実績と、2009年から2013年までの市場予測を行っている。併せて、Windows Server 2008のx86サーバ市場へのインパクトとその背景についても解説している。同レポートは40ページで税込63万円にて発売中。
《池本淳》