ハウストマトの病害をAIで診断!BOSCHが開発した「Plantect」 | RBB TODAY
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ハウストマトの病害をAIで診断!BOSCHが開発した「Plantect」

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ビニールハウス内の環境と、病害のリスクを見える化する「Plantect」
  • ビニールハウス内の環境と、病害のリスクを見える化する「Plantect」
  • 左から、温度湿度センサー、CO2センサー、日射センサー、通信機。このワンセットがあれば、一般的なビニールハウスの大きさ(1,000平米ほど)で利用できる
  • アプリの利用イメージ。ビニールハウスの状態、感染リスク、病害発生記録、散布農薬記録などが確認できる。過去3年分のデータも閲覧可能
  • 基本プランは月額4,980円から。これまでのサービスと比較すると、大幅なコストダウンが見込める
  • サービスの概要図
  • ボッシュのブースの様子
 農業に関するサービスや製品が集結する「農業ワールド2017」が、千葉市 幕張メッセでおこなわれた。「次世代農業EXPO」のエリアにおいて、ボッシュはトマト栽培に役立つ「Plantect」(プランテクト)を紹介していた。農薬の散布量を減らすことができると、すでに農家から喜びの声が上がっているという。

■92%の精度で診断

 ボッシュが紹介していたのは、病害予測機能搭載モニタリングサービス「Plantect」。ビニールハウス内の環境と、病害のリスクを見える化するサービスだ。

ビニールハウス内の環境と、病害のリスクを見える化する「Plantect」
ビニールハウス内の環境と、病害のリスクを見える化する「Plantect」


 使い方は簡単で、ビニールハウスの中に温度、湿度、二酸化炭素量、日射量を計測するセンサーを設置するだけ。このため工事は不要で、ビニールハウスの建っている場所、大きさなどを問わず、あらゆる農家で利用できる。取得したデータはクラウドにアップされ、気象予報などと連携。ボッシュが自社開発したAIが病気の感染リスクを診断する。その精度は92%というから、かなり信用のできるものとなっているようだ。現時点で対応しているのはトマト栽培における「灰色かび病」だけだが、今後、きゅうり、いちご、茄子などの野菜にも対応していく。

左から、温度湿度センサー、CO2センサー、日射センサー、通信機。このワンセットがあれば、一般的なビニールハウスの大きさ(1,000平米ほど)で利用できる
左から、温度湿度センサー、CO2センサー、日射センサー、通信機。このワンセットがあれば、一般的なビニールハウスの大きさ(1,000平米ほど)で利用できる


 センサーと通信機は、長距離無線通信(LoRa)で通信する。ワイヤレスで使用できるので、通信ケーブルが必要ない。センサーは市販のアルカリ乾電池で駆動。一度充電すれば1年は持つ設計で、アプリから電池残量も確認できる。通信機にはSIMカードが入っており、スタンドアローンでクラウドにデータをアップロードする。クラウドサービスにより、専用アプリを介してスマホやPCから適宜、データを確認できる仕様だ。

アプリの利用イメージ。ビニールハウスの状態、感染リスク、病害発生記録、散布農薬記録などが確認できる。過去3年分のデータも閲覧可能
アプリの利用イメージ。ビニールハウスの状態、感染リスク、病害発生記録、散布農薬記録などが確認できる。過去3年分のデータも閲覧可能


 基本プランは月額4,980円~で、各センサーと通信機のほか、パケット通信費用、クラウド利用料金もこの中に含まれている。初期費用はかからない。これまでの競合他社のサービスと比較すると、大幅なコストダウンが見込めるようだ。

基本プランは月額4,980円から。これまでのサービスと比較すると、大幅なコストダウンが見込める
基本プランは月額4,980円から。これまでのサービスと比較すると、大幅なコストダウンが見込める


 農家の反応について、ブースの担当者に聞いてみた。「これまでは病気を予防するために農薬を多く撒いてしまっていた農家さんでも、病害感染の恐れが高まったときだけ撒けば良いようになったので喜ばれています。農薬散布の回数が減った、という声とともに多いのが、気軽に外出できるようになった、という声。これまではビニールハウスから目が離せなかったんですね」と担当者。

サービスの概要図
サービスの概要図


ボッシュのブースの様子
ボッシュのブースの様子


 ちなみにPlantectは日本で開発したサービスとのこと。「国内の100軒ほどの農家さんに協力してもらい、データを集めました。また地方自治体、千葉大学の先生などにも指導をいただきました」(担当者)。今後、海外での展開にも期待を寄せているとの話だった。
《近藤謙太郎》
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