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【視点】ママさん社員のアイデアがヒットに!「マカロンレースマスク」

エンタープライズ その他
マカロンレースマスク
  • マカロンレースマスク
  • ラインナップは豊富
  • 店頭に並ぶ商品
  • ハンドメイドのようす
 季節はすっかり秋めいてきた。気温が下がり過ごしやすくなる一方で、心配になってくるのが、風邪やインフルエンザなどの感染症。その予防のためマスクが手放せないという人も多いのではないだろうか。マスクは衛生用品。まず性能や機能が重視される。その一方で、お洒落という付加価値で存在感を示すのが「マカロンレースマスク」だ。今年1月、通販サイトの楽天市場でレディースファッション部門1位を獲得するなど、ファッションアイテムとしても人気を集めている。

■マスク着用を嫌がる子どもために
 マカロンレースマスクの企画・製造・販売を手掛けるのは株式会社エスト(岐阜市)。古田明広社長が2003年に立ち上げた企業で、主にシーツなど寝具の企画・製造・販売を手掛ける。マカロンレースマスクの事業に乗り出したのは2012年。

「産業の構造が変わり、人口が減少に転じているなか、寝具だけに頼っていては、いずれ衰退するだろうと考え、生き残り策を模索しているところでした。手作りマスクのアイデアは、そうしたタイミングで、女性社員の中から出てきました」

と古田社長は開発の経緯を振り返る。

 手作りマスクのアイデアを切り出した、その女性社員は当時、育児中。子どもが通う幼稚園では、冬場になると風邪予防の観点から通園バス乗車中においてマスクの着用が求められていた。ところが子どもはマスクの着用を嫌がり、あげくには「幼稚園に行きたくない」と拒むこともしばしば。

 マスクを嫌がるのはその子に限ったことではなく、同様の悩みを抱える保護者は少なくなかったという。「どうしたら、子どもたちが進んでマスクを着けてくれるようになるだろう」と考えた女性社員が出した答えは

「かわいい柄のマスクだったら子どもたちも喜んでくれるのではないか」

というものだった。

 試しに布製のマスクに花や動物などの柄の布を縫い付けたマスクを手作りで試みたところ、子どもは大喜び。毎日楽しそうに幼稚園へ通うようになった。ほどなく保護者から「うちの子の分も作ってほしい」「できれば(大人の)私の分も」といった声が寄せられるようになり、その反響を糧に試行錯誤を繰り返し、レースやリボンなどの装飾を施したマスクを商品化。ファッションに敏感な女性に人気となった。中でも一番人気なのがこのマカロンレースマスクというわけだ。

■バリエーションは多彩、サイズは幼児用から大人用まで4種類
 ピンクやブルー、デニム、花柄、水玉、リボン付き……カラーや装飾などによるバリエーションは実に豊富だ。期間限定品もある。サイズはSS(7.5×12cm、幼児向け)、S(8×14cm)、M(8.5×16cm)、L(9×18cm)の4種類。中心価格帯は810~1200円(税込)。

 使い捨てマスクが普及したなかにあって、その価格は決して安くはないが、それでも女性の間で人気なのは、まずファッションアイテムとしての効果があるからだ。

 一般的な白いマスクを着けると、いかにも病人、あるいは花粉症に悩んでいます、といった印象を与えてしまうが、カラフルなマカロンレースマスクなら、そんな暗いイメージを払拭できるうえに、アクセサリー感覚として楽しめる。衛生用品でありながら、この“楽しめる”という点が新しい。女性ならではの遊び心があり、例えば光沢あるサテン生地に、繊細なレース、パールをふんだんに散りばめた豪華仕様も売られている。

■ふわっと柔らか、今治産のタオル生地を使用
 機能や性能にも優れる。まず生地。肌と接する内側の生地には今治産のタオルを使用している。きめ細かにおられたタオル地で、ふんわり柔らか。吸水性や保湿性、速乾性に優れる。

「使い捨てマスクのように湿気がこもりません。息苦しくなく、さらっと快適な着け心地です。厚手なので防寒対策にもなります」(古田社長)。

 着け心地をさらによくするのが、耳にかけるゴムだ。特殊素材のゴムを使用。ソフトなあたりで、長時間着用しても耳が痛くなりにくいという。

 そのほか、顔をすっぽりと覆う立体ギャザー、鼻の形状にフィットするノーズワイヤーなどでフィット性を高めているのも特徴。またゴムは結んであるので、長さの調整が可能。伸びたら付け替えて使用することもできる。洗って何度も使えるため、経済的でもある。「より楽しく、よりよい商品にしようとスタッフがさまざまなアイデアを出して作り上げた、当社オリジナルの商品で、実用新案も取得しています。一度使っていただければ、そのよさは分かっていただけると思います」(古田社長)。

■戦力は近所に住む主婦
 多彩なのはデザインだけではない。UVカットマスクや3つの天然成分を配合した生地を使用した潤い美容マスクなど、機能面でもさまざまなタイプがラインナップする。こうしたバリエーションの拡充で、古田社長が特に大切にしているのがユーザーの声だ。メールなどで寄せられるさまざまな意見や要望は、古田社長のみならずすべてのスタッフがひとつ残らずチェックをしているという。

「お褒めの言葉をいただくこともあれば、厳しい意見を頂戴する場合もあります。こうした声は、新しいヒントにつながるので、真摯に向き合っていかなくてはならないと思います」(古田社長)。

 マカロンレースマスクはすべて女性スタッフによる手作りだ。生地の裁断から縫製、ゴム通しまで、会社の近所に住む主婦を中心に約30人のスタッフがひとつひとつ丁寧に作っている。

「微力ながら新しい雇用を生み出して、地域のためになりたいと思っています。そのためにもマカロンレースマスクは大事に育てていきたい。現在はネット通販が柱ですが、これからは販路を広げて、メイド・イン・岐阜をアピールしていきたい」(古田社長)。

【地方発ヒット商品の裏側】ママさん社員のアイデアから生まれた、マカロンレースマスク

《DAYS》
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