NTTと阪大ら、量子ビット“ダーク状態”のメカニズムを世界で初めて解明 | RBB TODAY
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NTTと阪大ら、量子ビット“ダーク状態”のメカニズムを世界で初めて解明

エンタープライズ ハードウェア
長寿命のダーク状態の発現するメカニズム
  • 長寿命のダーク状態の発現するメカニズム
  • 量子コンピュータ実現のためのハイブリッド素子
  • メカニズム不明の長寿命状態とは
 日本電信電話(NTT)、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)、大阪大学は4月8日、ハイブリッド系の「量子ビット」において、長寿命を持つ隠れた量子状態(ダーク状態)が発現するメカニズムを世界で初めて解明したことを発表した。

 「量子ビット」は、量子コンピュータを構成する基本要素。どのような系を用いて量子ビットを構成し、量子的な情報をどのように保持し、量子演算をいかに実行していくかについて、さまざまな方式が提唱されているが、2つの異なる系をハイブリッド化する研究が進んでいる。

 今回の発見は、「超伝導磁束量子ビット」と「ダイヤモンド量子メモリ」を組み合わせたハイブリッド系において、「長寿命のダーク状態」の発現するメカニズムを世界で初めて解明。保持時間の長い量子メモリを構成する新しいアプローチとして応用できるものとなる。なお、「ダーク状態」とは、量子力学的干渉性のためにその系から発する信号が打ち消されてしまい、実験的に検出のできない「隠れた状態」を意味する。ダーク状態は、一般に長寿命だが、実験的に検出ができないため、量子情報への活用は難しいと考えられていた。

 今回研究チームは、超伝導磁束量子ビット・ダイヤモンド量子メモリのハイブリッド系において、結晶の歪みや磁場ノイズのために干渉が完全には働かず、ダーク状態由来の信号が検出可能であることを理論的に示した。

 今後は「ダーク状態」を用いて、実際に量子メモリ動作が可能であることを実験的に実証し、長寿命量子メモリ実現に向けて取り組みを進める。
《冨岡晶》
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