日本経済新聞社は、大学が地域社会にどのような貢献をしているかを探る「大学の地域貢献度」の結果を、2023年11月6日発行の「日経グローカル」471号などで発表した。上位は国公立大学が独占。総合1位は前回に引き続き、名古屋市立大学となった。
「大学の地域貢献度調査」は日本経済新聞社がほぼ2年ごとに実施。14回目となる今回は、全国765の国公私立大学のうち518大学からの回答をもとに「大学の組織、制度」「学生・住民、教育制度・社会人教育」「企業、行政」「SDGs・グローバル」の4分野の得点を集計し順位付けした。設問には、新たにIT・デジタル人材の養成、留学生の地元就職率、文系・理系を超えた他大学との連携などグローバル化を視野に入れた取組みを織り込んでいる。
総合ランキングは、1位「名古屋市立大学」、2位「信州大学」、3位「徳島大学」、4位「大阪公立大学 」、5位「鹿児島大学」。トップ10のうち、私立大学は前回59位から7位に急浮上した「近畿大学」のみ。1位と4位は公立大学、ほか7校は国立大学と、上位9大学は国公立大学が占めた。
名古屋市立大学は2019年が5位、2021年に初めてトップに立ち、今回2連覇を達成。最近では、区役所と連携して小中学生対象の「薬学教室」を開催したほか、健康と福祉のために大学がどのように貢献できるかを考えるシンポジウムや、社会人・専門職へのリカレント教育などを実施し、地域貢献に取り組んでいる。
◆大学の地域貢献度ランキング
1位「名古屋市立大学」公立
2位「信州大学」国立
3位「徳島大学」国立
4位「大阪公立大学」公立
5位「鹿児島大学」国立
6位「島根大学」国立
7位「近畿大学」私立
8位「佐賀大学」国立
9位「大阪大学」国立
9位「山口大学」国立
