【WTP2012】 衛星回線によって臨時通信回線を迅速に設営! 災害時に威力を発揮する「小型衛星通信地究局」 | RBB TODAY
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【WTP2012】 衛星回線によって臨時通信回線を迅速に設営! 災害時に威力を発揮する「小型衛星通信地究局」

ブロードバンド テクノロジー
盛況だったNTTのブース。準ミリ波帯固定無線アクセスシステムや小型衛星通信地球局などを出展
  • 盛況だったNTTのブース。準ミリ波帯固定無線アクセスシステムや小型衛星通信地球局などを出展
  • 準ミリ波帯固定無線アクセスシステム「WIPAS」。左側がアクセスポイント、右側がワイヤレスターミナル
  • 利用形態には、面的に展開する「P-MP方式」(Point-to-Multipoint)と、線的に展開する「P-P方式」(Point-to-Point)がある
  • コンパクトなアクセスポイント。手前側がアンテナ部にあたる部分だ
  • ワイヤレスターミナル。ターミナル部のサイズは19cm×19cm×5cm、重量2kg
  • 小型衛星通信地球局の構成図。Ku帯の通信衛星を利用し、下り1.5Mbps/上り384kbpsの通信が可能
  • 衛星の自動捕捉・追尾機能を備えた可搬型アンテナ。アンテナを4分割することでキャリーバッグに収納できる
  • 従来より4分の1に小型化し、可搬性を向上したシンプルモデム。ここからVoIPルータやPCを接続
 ワイヤレス・テクノロジー・パーク2012日本電信電話(以下、NTT)ブースでは、光インフラの適用が困難な場所にブロードバンド回線を提供する準ミリ波帯固定無線アクセスシステム「WIPAS」(Wireless IP Access System)や、災害時に威力を発揮する無線通信システム「小型衛星通信地球局」などを出展していた。

 WIPASは、24.5~27GHzの準ミリ波帯を利用し、FTTHと同等のブロードバンドサービスを安価かつ簡単に提供できるシステムだ。すでにVer.1は2003年からNTT東西のBフレッツサービスで利用されているが、このほかにも携帯電話や無線LANのモバイルバックホール、エリアや拠点間の監視システムなど各種ICTアプリケーションへの適用も視野に入れて、国内外で展開しているところだ。今回ブースにて展示されていたのは最新のVer.2のシステム。Ver.2では、最大伝送速度を180Mbpsに向上し、さらに8クラスのQoS制御を可能にしている。そのため、トリプルサービスで映像・音声に優先制御をかけて高品質なサービスを提供できる。

 WIPASの利用形態としては「P-MP方式」(Point-to-Multipoint)と「P-P方式」(Point-to-Point)、または両方式の併用がある。P-MP方式は、1台の基地局に複数の端末局がぶら下がった形だ。光ケーブルに接続したアクセスポイント(AP)から、最大2kmの範囲(サービス品質による)で面的に無線通信を行い、ワイヤレスターミナル(WT)を設置した端末局に対してトリプルプレイを展開できる。一方、P-P方式では1対1の構成でトリプルプレイを実現する方式。P-MP方式と同じWTを用い、ビル間通信などを安価に構成する。この場合は電波を絞っているので最大7kmまで通信が可能で、さらに多段接続も行える。WIPASは、工事現場などで臨時に利用できるが、災害時にも役に立つ。装置がコンパクト・軽量であるため、簡単に持ち運べて迅速に通信回線を開ける。

 もう1つの小型衛星通信地球局は、災害などで光ケーブルが断線したときに、衛星回線によって臨時通信回線を迅速に設営できるシステムだ。Ku帯の通信衛星を利用し、下り1.5Mbps/上り384kbpsの通信が行える。1局あたり、VoIPならば10回線を同時収容できる通信速度を確保。従来機との違いは、可搬型アンテナや車載型アンテナ、モデムを小型化し、可搬性を向上したことだ。たとえば可搬型アンテナでは、アンテナを4分割してキャリーバッグに収納でき、組み立て時の開口径は75cmほど。現行機の5分の2分まで面積を抑えたという。シンプルモデムの重量も7.5kgと軽量で、現行比で4分の1まで落とした。

 また衛星を自動的に捕捉・追尾する機能も盛り込んである。電波強度を最適化するために、これまではアンテナの方向を専門技術者が調整する必要があったが、本機能を搭載したことにより誰も簡単に迅速なセッティングが可能になった。衛星を約2分で自動捕捉できるという。このほかにも、回線開通時の電波送出試験を統制局からリモートで行えるようにしたことで、運用の利便性も向上しているそうだ。
《井上猛雄》
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