【WTP2012】LTE-Advancedのさらに一歩先をいく技術のシミュレーション | RBB TODAY

【WTP2012】LTE-Advancedのさらに一歩先をいく技術のシミュレーション

ブロードバンド テクノロジー

NTTドコモのブース。LTE-Advancedのさらに先をいく開発の取り組みを発表していた
  • NTTドコモのブース。LTE-Advancedのさらに先をいく開発の取り組みを発表していた
  • 写真右がヘテロジニアス(HetNet)ネットワークシミュレータを使ったデモ。写真左が市街地でのMU-MIMOの実証実験
  • LTE-Advanced無線伝送実験の結果を公開。市街地でもパフォーマンスは落ちず、MU-MIMOの実験も成功した
  • HetNetの進化系となる「eLA」(LTE-B、C)の高度化を狙ったシミュレーション。従来と比べ、200倍の速度(約12Gbps)が得られるという
  • アジレント・テクノロジーのブース。同社の製品ラインナップのほか、世界初を謳うLTE-Advancedの計測装置も展示
  • 写真左下が新製品のMIMOアナライザ「N7109A」、右下が超高性能シグナルアナライザ「PXA」
 ワイヤレス・テクノロジー・パーク2012のNTTドコモブースでは、「LTE-Advanced」の実用化と、その先をいく無線技術の開発に向けた取り組みに関する展示が行われていた。

 まずLTEの進化系であるLTE-Advanced無線伝送実験の結果が公開された。LTE-Advancedは、通信速度1Gbps以上、最大帯域幅100MHzと高速・大容量化を実現した技術で、LTEとの互換性を重視し、将来的にスムーズなシステム展開を可能にしている。昨年もLTE-Advanced無線伝送実験が行われたが、そのときはNTTドコモの研究所があるYRPでの整った環境。今回は、建物が林立し、反射が多い市街地(相模原市)での実験を行った。その結果、MIMO(SU-MIMO)により、下り600Mbps/上り200Mbpsと従来と同様のパフォーマンスが得られた。また1kmぐらい離れた場所でも、100Mbpsの速度を確認できたという。

 一方、マルチユーザーMIMO「MU-MIMO」(Multiple-Input Multiple-Output)と呼ばれる無線通信技術の実証実験も実施した。これは、互いに干渉しない複数の信号波を送信し、空間多重技術によって複数の端末に信号を同時に送信できる技術だ。基地局には4本のアンテナがあるが、2台の移動局のほうは各2本ずつのアンテナしかない。その状態だと移動局側に縛られて理想的なパフォーマンスがでない。それぞれの移動局に対して、時間的に切り替えて通信すると効率が悪くなるからだ。しかしMU-MIMOでは、合計4本分の信号を同時に送れる。ただし、そのままだと電波が干渉してしまうため、指向を絞って各移動局にビームを向けることで、交互に送らなくても一度に4本分の信号を送れるようになる。この実験により、2移動局合計で、下り1Gbpsの確認ができたそうだ。

 もう1つの展示は、LTE-Advancedで採用されている「ヘテロジニアス」(HetNet)ネットワークシミュレータを使ったデモ。ここではセル間の干渉制御技術の適用などにより、HetNetの進化系となる「eLA」(LTE-B、C)のさらなる高度化を狙ったシミュレーションを披露。具体的には、マクロセルの中に多くのスモールセルを置いて、通信スループットを高める試みだ。「スマートフォンなどの普及によって、今後どんどんトラフィックが増大することが予想される。移動通信のトラフィックは2010年から2020年の10年間で、500倍以上も増加すると想定されている」(NTTドコモ担当者)という。そのため周波数を広げたり、利用効率を高めたり、ネットワーク密度を高めるなど、大容量化に向けて急ピッチな施策が求められているのだ。今回のシミュレーション結果では、従来のマクロセルのみと比べ、スモールセルを敷き詰めた場合は200倍の速度(約12Gbps)が得られることが分かったという。

 また、世界初を謳うLTE-Advancedの実験計測装置も紹介されていた。これらは、アジレント・テクノロジーブースの出展だ。新製品のMIMOアナライザ「N7109A」や新MXG標準RF信号源、PXBユニバーサル受信テスタ「N5106」、超高性能シグナルアナライザ「PXA」などを展示。LTE-Aから導入される技術に対応済みの信号生成・解析ソフトウェアやMXG信号源、シグナルアナライザなどを利用したデモが行われていた。
《井上猛雄》

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