富士通研、サーバ内のデータ伝送距離を約1.7倍延伸できる高速送受信回路を開発 | RBB TODAY

富士通研、サーバ内のデータ伝送距離を約1.7倍延伸できる高速送受信回路を開発

エンタープライズ ハードウェア
サーバのバックプレーンで利用される高速送受信回路
  • サーバのバックプレーンで利用される高速送受信回路
  • 今回開発された技術
 富士通研究所とFujitsu Laboratories of America社は24日、伝送距離を長くした場合に発生する信号のひずみを効果的に補正し、データ伝送距離を従来と比べて約1.7倍に延伸できる、多チャンネル高速送受信回路を開発したことを発表した。

 この技術は、サーバを複数組み合わせて高性能化したマルチプロセッサ・サーバにおいて、通信経路として利用される「バックプレーン」(相互接続用のプリント配線板)での利用に使われる。従来技術では70cm程度だった伝送距離を約1.2mに延伸することが可能で、毎秒10ギガビット(Gbps)の高速送受信にも耐えうるものとなっている。これにより今後、より多くのプロセッサを接続した、大規模で高性能なサーバシステムの実現が期待されるという。

 通常、バックプレーンを通して毎秒10Gbpsと伝送速度を高速化していくと、伝送損失により信号がひずみ、データを正しく伝送できなくなる。従来の多チャンネル送受信回路では毎秒10Gbpsで70cm程度の配線距離が限界だった。本体の横幅が85cm程度ある大規模サーバのバックプレーンでは伝送の高速化が難しく、高速送受信回路の伝送距離を長距離化することが課題となっていた。今回、振幅ひずみに加えて位相ひずみを補正する新しい信号処理アルゴリズムを富士通研は開発。毎秒10Gbpsで最大41デシベルという大きな損失による信号のひずみでもデータを正しく補正し伝送することを可能とした。

 位相ひずみでは、送信側と受信側の両方の信号補正回路(イコライザ回路)を同時に適応制御することで、データを正しく補正する技術を開発。また長距離配線によるひずみを補正した後も残ってしまうノイズ成分の影響を軽減するため、伝送データのなかでノイズの影響が少ない部分を選択し、より正確なクロックを得る回路を開発した。なお本技術の詳細は、米国サンフランシスコで2月20日から開催された「国際固体素子回路会議ISSCC(IEEE International Solid State Circuits Conference)」にて発表されている。
《冨岡晶》

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