【テクニカルレポート】Microsoftアプリケーションによる“全体の”仮想化に向けて-~前編 | RBB TODAY

【テクニカルレポート】Microsoftアプリケーションによる“全体の”仮想化に向けて-~前編

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
図1) NetApp、VMware、Ciscoによる共同ソリューションの主な構成要素
  • 図1) NetApp、VMware、Ciscoによる共同ソリューションの主な構成要素
  • Abhinav Joshi氏
 データ・センターにおける完全な仮想化という目標に取り組む際には、Microsoft ExchangeやMicrosoft SQL Server、Microsoft SharePoint Serverなどのビジネス・クリティカルなMicrosoftアプリケーションの仮想化に細心の注意を払うことが不可欠です。

 現在の環境から、効率性、可用性向上、コスト削減といった仮想化のすべてのメリットを享受できる環境に移行するには、仮想化ソフトウェア、サーバ、ネットワーク、ストレージなど、インフラの全レイヤを仮想化する必要があります。

 こうした理由から、NetAppはCiscoおよびVMwareと協力して、Microsoftアプリケーションの仮想化に対応した完全なソリューションを開発しました。このアーキテクチャには、VMware® vSphere 4による仮想インフラ、Cisco Nexusによるユニファイド・ファブリック、NetAppユニファイド・ストレージによるハードウェアとソフトウェアの利点が融合されています。

 この柔軟なアーキテクチャを使用すると、さまざまな負荷が混在するMicrosoftアプリケーション環境の仮想化が可能になり、サーバ、ネットワーク、ストレージの仮想化によるメリットがすべて実現します。私たちはこのソリューションでMicrosoftアプリケーションのパフォーマンスをテストし、ボトルネックがないことを確認しました。さらに、すべてのパフォーマンス・メトリクスについて、Microsoftが公開している指針が十分満たされていることも確認しました。

 この記事ではMicrosoftアプリケーションを仮想化する根拠について簡単に紹介するとともに、仮想化を行う際に最も重要となるアーキテクチャと導入に関する考慮事項を重点的に説明します。ここで紹介する共同ソリューションの全容については、NetAppテクニカル・レポートの『NetAppソリューション・ガイド:VMware vSphere 4、NetAppユニファイド・ストレージ(FC、iSCSI、NFS)、Cisco Nexusユニファイド・ファブリックの統合環境におけるMicrosoft Exchange Server、SQL Server、SharePoint Serverの混在ワークロード』を参照してください。

■Microsoftアプリケーション仮想化の根拠

 このソリューションでMicrosoftアプリケーションを仮想化する根拠は、他のアプリケーションの仮想化とほぼ同じです。

・コストの削減: 仮想化を行わずに新しいMicrosoftサーバ・アプリケーションへとアップグレードすると、すでにコスト高となっているアプリケーションの稼働をサポートするために、さらに多くのサーバ・ハードウェアが必要となる可能性があります。VMwareで仮想化を行えば、各システムで複数のワークロードを処理できるようになり、既存のハードウェアの性能を無駄なく利用できます。利用率を向上させることで、使用するハードウェアの数と、全体的な資本コストおよび管理コストの低減が図れます。

・高度なストレージ機能:NetAppストレージにMicrosoft Exchange、SQL Server、SharePointを導入するにあたり、FC、iSCSI、NFSといった任意のストレージ・プロトコルを使用できます。NetApp FASとVシリーズ・ストレージ・アレイは、完全なテストを経て、FCとIPをベースとしたVMware環境での動作が確認されています。NetAppのStorage Efficiency機能とインテリジェント・キャッシング機能を利用することで、ストレージ・コストを大幅に削減できます。NetAppのストレージ仮想化では、VMwareでサーバ・リソースを仮想化する仕組みと同様に、利用可能なIOPSと容量をプールして、複数のアプリケーションがオンデマンドで利用できるようにします。

・高可用性:VMwareを使用すると、VM(仮想マシン)レベルでクラスタリングを行わなくても、Microsoftサーバ・アプリケーションのHA(高可用性)が実現します。VMでは基盤となるサーバ・ハードウェアとの関連付けが失われるため、VMware VMotionを使用して、いつでもサーバ間で移動させることができます。VMware HAは、すべてのVMにサーバ・ハードウェアのフォールト・トレランス機能を提供し、サーバだけを保護するように設計されたソリューションよりもはるかに優れたレベルの可用性を実現します。NetAppのアクティブ/アクティブ・ストレージ構成は、ストレージ・レベルでこれと同じ機能を提供します。

・高度なバックアップ/リカバリとDR:このソリューションのバックアップ/リカバリ機能は、VMware、Microsoft、NetAppのテクノロジを統合して構築されており、アプリケーション対応の高度なデータ保護を実現します。NetApp SnapMirrorを使用した重複排除対応のリモート・レプリケーションは、ディザスタ・リカバリ(災害復旧)に備えたエンドツーエンドのデータ保護機能を提供します。VMware Site Recovery Managerを併用すると、リカバリ・プロセス全体を自動化できます。

・モビリティの強化:Microsoftアプリケーションが使用している仮想マシンやストレージを、簡単に無停止で移動できるオプションが用意されているため、負荷分散、アップグレード、保守のほか、組織の目標達成のために利用できます。

 こうした明らかなメリットがあるにもかかわらず、クリティカルなMicrosoftアプリケーションを仮想化することには2つの根強い懸念がありました。ただし、この懸念は以下に記すようにすでに解消されています。

・パフォーマンス: VMware vSphere 4.0のリリースに伴い、VMwareのパフォーマンスは、あらゆるミッションクリティカルなビジネス・アプリケーションに適したレベルまで向上しました。具体的な内容については、各種のストレージ・プロトコルにおけるExchangeのパフォーマンスを説明した、最近のVMwareのホワイト・ペーパー(英語)をご覧ください。この長い間解消されなかった懸念を払拭するため、今回の共同ソリューション開発にあたっては、パフォーマンス検証に力を入れました

・サポート: 仮想化されたMicrosoftアプリケーションのサポートについては、多くの人がいまだに不安を感じています。ただし喜ばしいことに、必要なサポートが受けられる方法は複数あります。Microsoftは同社のServer Virtualization Validation Program (SVVP)を通じて、仮想化を完全にサポートしています。また、Microsoft Services Premier Support Programを契約すれば、仮想化されたMicrosoftアプリケーションについて直接サポートを受けられます。さらに、使用するサーバのOEMベンダー、VMware Global Support Services(GSS)、Technical Support Alliance Network(TSANet)を通じてサポートを受けられる場合もあります。


■執筆者(敬省略)

Abhinav Joshi
サーバ/デスクトップ仮想化担当リファレンス・アーキテクト
NetApp

AbhinavがNetAppに入社したのは2008年のことです。当時すでに、データ・センターの統合と仮想化に関して9年を超える経験がありました。現在、スケーラブルなリファレンス・アーキテクチャの開発のほか、NetAppの仮想ストレージとデータ保護ソリューション、VMwareの仮想化テクノロジ、CiscoのUnified Computing Systemとネットワーキング・テクノロジをセキュアに統合するためのベスト・プラクティスの作成を担当し、お客様の問題解決やコスト削減を支援しています。また入社以来、さまざまな資料の執筆にもあたっており、この記事で紹介しているソリューション・ガイドの多くの作成に、筆者または関係者として貢献しています。

※同記事はネットアップ(NetApp)の発行する「Tech OnTap」の転載記事である
《RBB TODAY》

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