NTTグループ、衛星通信を用いたセンサ情報集信システムの実証実験に成功 | RBB TODAY

NTTグループ、衛星通信を用いたセンサ情報集信システムの実証実験に成功

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多地点データ集信型衛星通信システム
  • 多地点データ集信型衛星通信システム
  • データ集信を行う実験の概要
  • 開発技術の効果(1)
  • 開発技術の効果(2)
 日本電信電話(NTT)とNTTコミュニケーションズは9日、衛星通信を用いたセンサ情報集信システムの実証実験に成功したことを発表した。山間、海洋上もカバーするセンサネットワーク実現が前進する見込みだ。

 NTT、NTT Comの両社は、総務省より「衛星通信用中継器における周波数高密度利用技術の研究開発」を受託し、2006年度から衛星通信を用いたセンサネットワークを構築するための基盤技術開発を進めてきた。この研究開発を通して、全国に多数散在するセンサからのさまざまな観測データを、衛星中継器の限られた周波数帯域を無駄なく利用し、低コストで集信できる「多地点データ集信型衛星通信システム」を開発。このシステムの技術確認を目的として、今回、技術試験衛星VIII型「きく8号」を用い、実際の通信衛星を介してデータ集信を行う実験を行い、洋上を航海する船舶からの各種観測データを集信することに成功した。

 NTTとNTT Comが開発したシステムは、「(1)高効率チャンネル割当技術、(2)高精度周波数同期技術、(3)動的一括復調技術」などを実装することにより、限られた帯域幅で多様・多数のセンサデータを集信可能としたもの。また、「(4)環境情報実用化技術」によって、あらゆるセンサデータに基づく環境情報をインターネット上にて取り扱い可能とする。NTT(アクセスサービスシステム研究所)が衛星通信回線の管理や信号伝送等に関わる下位レイヤ部分、NTT Comが主にセンサネットワークの管理やアプリケーション提供に関わる上位レイヤ部分の研究・開発を担当した。

 実験では、千葉県館山市(東京海洋大学 館山ステーション)と京都府けいはんな学研都市(NTT京阪奈ビル)に設置した観測局からのセンサデータを、技術試験衛星VIII型(きく8号)を介して神奈川県横須賀市(NTT横須賀研究開発センター)に設置した集信局で集信する実験が行われた。開発技術を適用した試作装置により、高密度にチャンネル配置され送信されたセンサデータが、良好な品質で集信できることを実証したという。また、センサデータを実際に利用するアプリケーション例として、海洋上を航行する船舶からのセンサデータを利用し、運行管理等に役立つ情報として可視化する実験も実施。この実験では、館山局から東京湾を航行する船舶に設置した気象センサ、GPS、WEBカメラ等からの実観測データを、けいはんな局からは、あらかじめ取得した船舶模擬データとWEBカメラの実画像データを送信した。これらのセンサデータから、船位航跡データを電子航海海図上にリアルタイム表示するとともに、予測船位を計算処理し海図上に表示する、等のコンテクスト化機能を検証し、良好な結果を得た。

 今後は衛星センサネットワークの新しい市場の開拓と、新事業の創出を目指し、実証実験の成果を活用して実用化に向けた検討を進めていくとのこと。
《冨岡晶》

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