NTT、最大12ビットの高階調映像信号に対応したAVC/H.264イントラエンコーダ構成技術を開発 | RBB TODAY
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NTT、最大12ビットの高階調映像信号に対応したAVC/H.264イントラエンコーダ構成技術を開発

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 日本電信電話(NTT)は7日、「MPEG-4 AVC(Advanced Video Coding)/H.264国際標準」に準拠して最大12ビットの4:2:2映像信号を符号化可能な、フルHD対応リアルタイムイントラエンコーダ構成技術を業界に先駆けて開発したことを発表した。

 人間が目にする臨場感を余すところなく伝えるためには、明るさや色が8ビット(256階調)で表現される現在の地デジやDVDなどの映像ではまだ十分とはいえないとされている。また、医師の病理診断に利用されるレントゲン写真などの医用画像も、8ビットを超える高階調信号による再現性が不可欠であると言われており、近年では、10ビット(1024階調)や12ビット(4096階調)などの高い階調で表示が可能な平面テレビが登場している。また、映像機器とテレビを接続するHDMI規格もversion 1.3で最大12ビット(4096階調)の信号伝送が規定されるなど、臨場感のある高階調なHDTV映像の視聴がますます身近になっている。その一方でNTTではこれまで、放送・プロ向けの素材伝送に対応可能なH.264リアルタイムコーデックLSI「SARA」(2007年4月6日報道発表)など、高品質映像の符号化に向けた研究開発を進めてきたが、SARAを含めて現在のエンコーダの多くは8ビット(256階調)の符号化にとどまっていた。

 今回NTTが開発した技術は、1ピクセルあたりの階調が現在の地デジやDVDなどの8ビットである映像の16倍となる最大12ビット(4096階調)のフルHDTV映像(1920x1080i)を、通常の4:2:0フォーマットの2倍の色情報を有する4:2:2フォーマットで、AVC/H.264標準に準拠して符号化するものとなる。内部データ転送の効率化や演算回路の並列化によって、従来の1.5倍の階調幅を持つ映像信号をリアルタイムに符号化することを可能とし、美しいHDTV映像を豊かな階調と色信号を保ったままで圧縮できるという。またフレーム間差分予測を使用しないイントラ符号化を用いているため、処理遅延が小さく、符号化データの編集も容易となっている。なお今回開発された技術は、2009年9月11日からオランダ・アムステルダムで開催される「IBC2009」で展示される予定。
《冨岡晶》
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