【TOUGHBOOKレポート(Vol.1)】パナソニック、医療現場での使用に徹底的にこだわった「TOUGHBOOK CF-H1」を発表 | RBB TODAY

【TOUGHBOOKレポート(Vol.1)】パナソニック、医療現場での使用に徹底的にこだわった「TOUGHBOOK CF-H1」を発表

エンタープライズ モバイルBIZ

今後注目される医療現場への取り組みとあって、会見には大勢の報道関係者が集まった
  • 今後注目される医療現場への取り組みとあって、会見には大勢の報道関係者が集まった
  • 「TOUGHBOOK CF-H1」。製品を持っているのは、タレントの原理恵子さん
  • RBB TODAYでは彼女の取材で関係者インタビューや動画レポートをお届けしていく
  • パナソニックAVCネットワークス社副社長の伊藤好生氏
  • TOUGHBOOKの市場シェア
  • ヘルスケア市場のモバイルPC販売は世界で537,046台。2011年には1,517,426台になると予測
  • パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部テクノロジーセンターハード設計第一チーム主任技師の安政馨氏
  • 拭けないところがない、拭きやすいを徹底的に研究
 パナソニックは6日、頑丈設計のモバイルパソコン「TOUGHBOOK(タフブック)」シリーズの新しいラインナップとして、ヘルスケア市場向けのタブレット型モバイルパソコン「CF-H1」を報道関係者に公開した。2009年3月10日から発売する。

 今回の製品はヘルスケア向けモバイルパソコンの普及に加え、医療IT市場の拡大を目的としており、インテルとの協力もうたっている。会場にはインテル事業開発本部本部長の宗像義恵氏もかけつけた。

 宗像義恵氏によると、同社がヘルスケア市場特有のニーズに応えるプラットフォーム「MCA(モバイル・クリニカル・アシスタント)」に関する事業を立ち上げたのは2005年。高齢化や慢性疾患、医師・看護師をはじめとする各スタッフの不足、医療費の問題は米国や欧州を含めて世界的な現象になってきており、いわゆる「医療破壊」が顕在化。医療現場をITでどうサポートできるかを研究した結果、モバイルパソコンによるベッドサイドケアのサポートにたどり着いたという。すでにアメリカやイスラエルなどではMCAの検証を実施。「投薬ミスが30%、患者情報の転載作業が80%減少した」とその効果が確認されていることを明かした。MCAの導入は、投薬ミスなどの医療事故の回避、医師・看護師の作業低減には大きく貢献してくれそうな見通しだ。

 CF-H1は、インテルが提唱する「MCA」を基盤にしたタブレット型のモバイルパソコンだ。TOUGHBOOKシリーズで培ってきた頑丈設計、ワイヤレス通信機能、長時間バッテリー駆動などの特徴を受け継ぐだけでなく、業界初となる耐薬品性能を付加したのが大きな特徴となっている。会見ではパナソニック AVCネットワークス社の副社長である伊藤好生氏が登壇し、「看護師の業務の約25%が管理業務になっている」とヘルスケア市場に現状について言及。今後はIT化が進んでいくとの判断から、MCAの年成長率を22%と予測した。2008年現在、MCAの普及は1万台程度。それが2012年には10万台に拡大していくものと見られ、「その時点でのシェアNo.1を目指したい」と意欲を見せた。

●MCAに準拠したCF-H1の詳細

 「院内感染の防止のためにも、とにかく拭きやすいデザインと設計にして欲しいというこということを医療現場からは強く要求されていた」

 パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部テクノロジーセンターハード設計第一チームプロジェクトリーダーの安政馨氏は、CF-H1の具体的な特徴を説明した。

 現場では院内感染を防止するために衛生面に細心の注意を払う必要がある。このため、まず拭きやすさを重視して凹凸の少ないスムーズな形状とし、アルコールでの拭き取り耐久性をアップ(数万回におよぶ耐久実験をクリア)した表面素材を採用した。「普通の素材ではアルコールなどがしみ込んで時間が経過してしまうと、ひび割れなどの現象が起きてしまう。消毒などのために何度も拭き取った場合を考慮し、耐楽品性に配慮した樹脂を採用する必要があった」(安政氏)。さらに万が一のクリーニング忘れを防止するために、設定した条件でクリーニングを促したり、吹き残しを知らせるユーティリティーを搭載した。

 本体は細かい部分にも、現場に対応した設計がなされている。通気用のスリットなどがないファンレス設計とし、コネクタ類がなく、スイッチも隙間がないフラットな形状になっている。LAN、USB、シリアルなどのコネクターはクレードル(オプション)に装着することで使用できるようになっている。これも前述の拭きやすさや埃対策を考えた結果だ。さらにCF-H1には患者の様子を撮影できるカメラ、指紋認証センサー、投薬する薬の種類やその量などが記載されたバーコードを読み取るリーダーなども装備されている。

 堅牢設計はパナソニックの得意とするところであるが、同製品にも内部にはマグネシウム筐体を配置し、強化樹脂ではさむことで耐衝撃性能を向上、防塵・防滴性能も備えた。

 CPUには低消費電力のインテル「Atom」プロセッサーを搭載しているが、特徴的なのが独自の高密度バッテリーをバッテリー2個装備している点だ。電源を入れたまま予備バッテリーへの交換が可能なホットスワップ機能に対応することで、動作中のバッテリー交換を可能とし24時間勤務の医療現場での連続業務を可能とした。また、充放電回数を記録して片方のバッテリーだけがなくなったり、へたったりしないように工夫されている。

 会場では耐衝撃実験で使われる器具(実際のものより少し簡略化したという)を使って、90cm程度の高さからの落下実験などをデモンストレーション。「ガタンッ」という大きな音とともに落下したCF-H1は何の問題もなく動いていることでその耐衝撃性を強烈にアピールしていた。

●医療の現場は一般的なノートパソコンからMCAへ

 会見にはさらに、CF-H1の導入実験先となっている国立成育医療センター 医療情報室長の山野辺裕二氏が登場。医療とITとの関わり合いについて話してくれた。「病院にコンピューターが入って30年、ベッドサイドで10年。でも、医療向けのパソコンはこれまでになかった。PDAは製品化されたけれど、壊れやすいし、バッテリーがすぐ無くなるのであまり普及していない」と、政府の構造改革でレセプトオンラインや遠隔医療などは進んできても、現場レベルではまだまだだという現実を説明した。

「現場ではノートパソコンが主流。運搬用のワゴンが開発されているが、長時間の駆動が困難だったり、液体にも弱いのでベッドサイドでは対応できないケースも多い」としたうえで、CF-H1の導入を歓迎していた。「ナースステーションの端末との兼用ができる。ステーションではデスクトップとして、ベッドサイドでは単体で使える。業務の中断が患者の容態に直接関わるため、そのスマート化ができる」とコメント。山野辺氏は同センターのナースステーションの写真も公開し、「うちではナースステーションにスタッフがいません。みんなベッドサイドに行っている」と業務のスマート化が推進されていることをうかがわせていた。

 CF-H1は11月12日から東京ビッグサイトで開催される「HOSPEX Japan 2008」にも展示されるとのこと。オープン価格だが、予想実売価格は26万円程度を想定しているという。また、無線LANが及ぼす影響についてだが、すでにCF-H1が実用化されている欧米での聞き取り調査では「携帯電話の無線規格と比べたら出力が低いので、実際の現場ではトラブルにはなっていない」とのこと。
《RBB TODAY》

関連ニュース

特集

page top