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松下電器産業、DNA配列から個人の体質を電気的に識別する技術を開発

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SNP識別技術の概要
  • SNP識別技術の概要
 松下電器産業は19日、甲南大学杉本直己教授と共同で、薬効や病気の発症リスクなど個々の体質に影響を与える個人ごとのDNA配列の違い(SNP)を電気的に識別する技術を開発したことを発表した。

 本技術は、世界で初めてDNAを固定せずに電流計測することにより、正確かつ安価なSNP識別を実現したとのこと。従来の識別技術では、DNA複製反応を厳密に制御することが困難であったし、あらかじめ識別用の人工DNAを固定させた特殊で高価な電極を用意する必要があった。そのためSNPの正確な識別が困難だったが、今回あらたにDNA複製反応の有無を厳密に制御できる識別用人工DNAの塩基配列設計技術と、DNA複製の際に放出されるリン酸化合物の量を酵素反応で生じる電流値として測定する電気的検出技術とを開発し用いたものとなっている。

 DNA複製反応の際に、一塩基複製されるごとに反応副産物として「ピロリン酸」と呼ばれるリン酸化合物が1分子放出される。このピロリン酸の量に応じて電流として検出できる新規な酵素反応系を開発、3種類の酵素を用いて、ピロリン酸の量を電子伝達体であるフェロシアン化カリウムの量に変換し、その酸化電流を測定することに、世界で初めて成功したという。

 これにより、正確かつ安価に一人1人の薬効や病気の発症リスクを知ることができるため、今後、一般病院や診療所などの医療現場で、個人の体質に合わせた健康管理や医薬品処方が将来的に可能になる見込み。
《冨岡晶》
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