今年のCESにはグーグルがブースを出展している。そしてラスベガスの街中に「Hey Google(ねえ グーグル)」のトリガーワードをハイライトしたバナーが躍っている。コンシューマーエレクトロニクスとさらに融合を深めるAIアシスタント。そして、グーグルには新しいスマートデバイスとして発表した「Google Smart Display」のロケットスタートをCESという晴れの舞台で切る狙いもある。CESにグーグルが大規模なブースを構えている 今回グーグルが発表した「Google Smart Display」は、Googleアシスタント搭載のスマートスピーカーに、8~10インチという、タブレット程度のサイズのタッチディスプレイをドッキングさせたようなデバイスだ。トリガーワードで起動してから、できることはほぼスマートスピーカーと変わらないが、当然ながらディスプレイが付いているので、天気やニュースを訊ねると、答えがビジュアル付きで返ってくる。体験してみると、音楽ストリーミングの再生ですら視覚情報が返されることがこんなに快適だったんだなあと、あらためて実感させられる。実際にグーグルフォトやマップ、YouTube視聴など「Google Smart Display」で楽しめるようになるグーグル系アプリは、そもそも画面なくしては成立しない。JBLが発表したスマート・ディスプレイ 今回グーグルのブースにはレノボとLG、JBLがスマート・ディスプレイの新製品を展示している。プレスリリースではソニーもいわゆる“ファーストティア”に加わるパートナーに名を連ねているが、ソニーのブースにそれらしい製品は置いていなかった。JBLとLG、レノボが製品を手がける OSにはグーグルがIoTデバイスのために展開するAndroidThingsを搭載しているが、先述の通り使い勝手としてはスマートスピーカーと大きく変わるようなことはない。Google Homeアプリと連携して、スマート家電機器やIoTデバイスの音声コントロールがおこなえる。Googleアシスタントと連携する白物家電も増えている アメリカでの発売は今年の夏頃を予定している。気になる日本の上陸時期については今のところまだ見えていない。国内ブランドであるソニーの動向も注目されるところだ。 アマゾンは一手先に、スマートスピーカーにタッチディスプレイを合体させた「Echo Show」を発表している。グーグルが発表した「Google Smart Display」はこれをキャッチアップして、闘っていく使命を帯びたデバイスだ。ただ、AIアシスタントを巡る話題は「薄型テレビに搭載」「PCも採用」「イヤホンでパーソナル体験」「白物家電にも」…といった具合に、そこかしこで賑わいを見せはじめており、ある意味混沌とした状況にもなりつつある。 グーグルとアマゾンのスマートスピーカーが日本に上陸したばかりなのに、「次は画面付で」と言われてしまうとユーザーがいつ、どんな製品を買えば幸せになれるのか判断がしづらくなりそうだ。「Google Smart Display」が日本に上陸する頃には、AIアシスタントまわりの状況がどう変わっているのか。一度クールダウンして冷静に状況を見つめることも大事なのかもしれない。