利用者増を続けるリクルート「Airレジ」の戦略 | RBB TODAY

利用者増を続けるリクルート「Airレジ」の戦略

ビジネス 経営

Airレジの注文入力と会計の画面
  • Airレジの注文入力と会計の画面
  • 執行役員ネットビジネス本部スモールビジネスソリューションユニット長の大宮英紀氏
  • 売上管理の画面
  • 座席管理の画面
  • 予約管理の画面
  • 在庫管理の画面
 リクルートライフスタイルのPOSレジアプリ「Airレジ(AirREGI)」が圧倒的な勢いで利用者数を拡大している。2013年11月にサービスを開始すると、1年後の14年11月にアカウント数が10万を超え、さらに1年後の15年11月には21万を突破した。

 POSレジアプリは、タブレットやスマホといったモバイル端末にアプリをインストールし、POSレジとして利用できるようにするもの。従来のPOSレジは専用のハードとソフトを用意しなければならないためコストがかかり、大手チェーン店でしか導入しにくかった。

 しかし、POSすなわち販売時点情報管理機能をアプリ化したPOSレジアプリならば、モバイル端末とキャッシュドロア(現金を収納する引き出し)、インターネット環境を用意するだけで良い。コストを安く抑えることができるため、個人経営の小規模店でも手軽に導入することが可能だ。

 ほかにも同様のサービスがある中、Airレジの強みは利用料が“無料”であること。また、機能が優れている点にある。同社でAirレジの開発・運営の第一人者として活躍する大宮英紀氏は次のように語る。

 「弊社では飲食や美容、宿泊・旅行など多岐にわたる領域でメディアを発行し、さまざまなお店とのつながりを持っています。そのお付き合いの中でお店側の視点に立ち、ICTを使ってお店の運営を効率化できないか、どうすれば売上アップに力を入れられるようになるかを考えたのです。そこで取り組み始めたのがAirレジ事業でした」。


 例えば飲食の場合、同社はフリーペーパーとネットサイト、モバイルアプリでグルメ情報を発信する「HOT PEPPER(ホットペッパー) グルメ」を展開し、飲食店から得る掲載料を収益の柱の1つとしている。そこで、Airレジを無料(一部有料のオプション機能がある)にしても、Airレジの利用をきっかけにホットペッパーへの掲載につながればよいという考えだ。

 「お店を始める際には、内外装をはじめ、備品や什器を用意するなど、その準備でいろいろとお金がかかってしまい、集客にまでお金を回せないというケースがよくあります。でも、お客さんを集めなければお店はもうかりません。Airレジを使えば少なくともレジ周りの負担は軽く済みますので、その分を集客費に回してほしいと考えています」。

 開業時に限らず店の改善を図る場合でも、Airレジの導入により業務の無駄を省けば、その分だけ従業員を減らすなり雇用時間を短くするなりで人件費を削減できる。そこで生まれた“ゆとり”を使ってホットペッパーに掲載して集客力を上げ、売上をアップさせるといったことも可能。むしろこうした好循環を店側にもたらすのがAirレジの狙いだ。

 Airレジでは、例えば飲食の場合、席番号や、メニュー名と値段などを事前に登録しておき、客から注文を受けた際にモバイル端末のタッチ画面でボタンをタップして客毎の注文内容を管理。支払時にも画面をタップしながら処理する。日々の売上の集計といった“レジ締め”の作業も同様にタップして行う。

 機能面では、特別な知識を持たなくても誰もが直感的に操作できるように、また、タップの回数を可能な限り減らすように工夫。操作に対する反応速度も高速化を図っている。

 実はAirレジの開発に当たり、開発メンバーが事前に、飲食店や雑貨店など約10店舗に入り込み、店舗スタッフの仕事を実体験する機会を得ていた。店の業務は集客から予約の受付・管理、接客、会計、経理、在庫管理までさまざまにわかれるが、「ICTを活用して効率化できる業務として最もインパクトがあり、お店の方が喜ぶだろうと感じたのがレジ業務。それでAirレジの開発を始め、どうすれば店側が楽になるか、機能をブラッシュアップしていったのです」と大宮氏は振り返り、次のように続ける。

 「飲食店で夜遅い時間にやっとお店を閉め、疲れているときに、そこから電卓をたたき、細かな計算をしなければならないのはとてもつらいこと。その作業に時間がかかって終電を逃してしまい、そのまま店に泊まらざるをえなくなった、というケースも珍しくありません。Airレジはお客さんからの注文から売上集計までを自動で処理できますので、カンタンに”レジ締め”が終わり早く帰れるようになったことで、家でぐっすり眠れるようになったと喜ばれたこともあります」。

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《加藤/H14》

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