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いよいよサービスインするNetflix、ヘイスティングスCEOらが日本戦略を語る

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「Netflix」が日本でのサービスインに先駆け、メディアセッションイベントを開催
  • 「Netflix」が日本でのサービスインに先駆け、メディアセッションイベントを開催
  • 「Netflix」が日本でのサービスインに先駆け、メディアセッションイベントを開催
  • ファウンダー兼CEO最高経営責任者のリード・ヘイスティングス氏
  • Netflix.K.K.代表取締役のグレッグ・ピーターズ氏
  • ラヴァーン・コックス
  • ウゾ・アドゥバ
  • 記者からの質問に答えるリード・ヘイスティングス氏
  • 記者からの質問に答えるリード・ヘイスティングス氏
--- 料金プランを複数用意するというのは、日本のネット動画配信ではあまり見ない仕組みですが?

フリードマン氏「Netflixもサービス開始当初は一つの価格設定しかありませんでした。しかし、やはり人によってニーズが違うので、それぞれに合うサービスを可能な限り提供したかった。例えば、私は子どもが2人いて、一人がニューヨークに住んでいるので、4ユーザーが同時にストリーミングできるプランを契約しています。でも、一人住まいの独身であれば、ストリーミングはモバイルで観る機会が多い。同時に視聴することもなければ、画質にもこだわらないので、一番安い料金プランで問題ないわけです」

--- 3つの料金プランのうち、どれが一番人気を集めそうですか?

フリードマン氏「世界的には一番人気があるのは、HD画質で2ストリーミングまでの同時視聴に対応した真ん中のプランです。おそらく日本でも、この『ベーシックプラン』の需要が多くなると思います」

--- 日本では「hulu」などの競合他社がサービスを先行しています。勝算はどうお考えでしょうか?

ヘイスティングス氏「アメリカではhuluとNetflixが同時にサービスを立ち上げましたが、今では我々の方が4~5倍大きな規模になっています。日本ではhuluが先行して100万人のユーザーを獲得するなど、素晴らしいスタートを切っていますが、アメリカと同様に共生できるものと考えています」

--- 日本市場のマーケティングについて、どのような戦略をお持ちですか?

ヘイスティングス氏「Netflixではマシンラーニングといい、ユーザーの方々が観ている番組情報を蓄積しています。シリーズを一気見するか、ゆっくりと楽しむのか。そうした視聴傾向をまずは把握したいと考えています」

--- Netflixはオリジナルコンテンツが強みとなっていますが、日本ではまだその知名度が高くないように思えます。露出などはどう考えていますか?

ピーターズ氏「我々が確信しているのは、自分達の作るコンテンツを観たい人が、世界のどこかしらにいるということです。そういう人にコンテンツを届けるには、もちろんマーケティングも必要です。その上で、ユーザーの嗜好に合わせて、タイトルを提案できる仕組みを作ることを重視しました」

--- ハリウッドと比べると、日本の市場はヒットの仕方が違うと言われていますが?

ピーターズ氏「日本に限らず、どのマーケットにも特性があります。ハリウッドのように日本でも当たる、当たらないという経験をしていくことになるでしょう。ただ、インターネット配信は、映画やDVDのようにすぐに結果を出す必要がありません。すべての作品で大ヒットを狙うのではなく、それぞれの作品を見たい人に効率的に届け、ファンを増やしていければと考えています」

--- 日本へのサービスインの段階で用意できるコンテンツ数は?

ヘイスティングス氏「約1000本の映画とテレビ番組を用意します。ただ、大切なのはあくまでも質であって、実際に試していただければ、観るべきタイトルがたくさんあると自負しています」

--- 日本ではコンテンツ制作にあたって、フジテレビや吉本興業への出資がありました。権利は各社が持っている状態ですが、今後出資する作品ではnetflixが権利を持つ場合もあるのでしょうか?

ヘイスティングス氏「我々はユーザーをハッピーにすることに一番集中しています。だから、著作権が誰にあるかというのは大切ではなく、質のいい番組を提供するのが大事。あと、テラスハウスはシーズンが終わったら、世界中で発信する予定ですよ。アメリカでファンが付くか、ぜひ試してみたいですね」

--- 日本の版権は複雑だと言われていますが?

ヘイスティングス氏「我々からすれば、それほど複雑ということはありません。ただ、コンテンツの質が高いこともあって、ライセンス料が高いのは確かです」

--- 『センス8』や『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』といったビッグタイトルが、日本ではサービスインと同時に配信されます。日本ではどんなコンテンツが人気を集めるとお考えなのでしょうか?

ヘイスティングス氏「個人的には日本では『デアデビル』が大ヒットすると考えています。マーベルのキャラクターは人気がありますし、非常にクオリティも高い。Netflixの“一気見”機能と相性の良い、どんどんと次が観たくなるコンテンツです」

--- これから作るコンテンツは全て4Kなのでしょうか?

フリードマン氏「カートゥーンのような子ども向けのものは、一部高画質ではないものもあります。なので、全てとは言い切れませんが、ほとんどが4Kでの制作になるでしょう。アクションものは全部4Kですね。予算の多寡や制作規模は関係ありません」

--- インターフェイスなどで、日本でのローカライズに苦労された点はありますか?

フリードマン氏「これは本当に難しいことで、今現在も努力している最中です。今回も長い時間を費やしましたし、今後もユーザーの嗜好を把握して、それに合わせる作業が必要になるでしょう。例えば、字幕については今回のローンチで、欧米以外の文字に初めて対応することになりました。なので、字幕や吹き替えの作業ができる人を探すことから始めましたが、その経験は今後中国などにサービスを展開する上でも、必ず役に立つと考えています」

--- 日本市場ならではの特殊性がありましたら教えてください

フリードマン氏「日本の皆さんは自国の番組を観るのを好むので、オリジナルのローカルコンテンツは他国に比べて増えると思います。一般には15%ぐらいですが、恐らくそれ以上になるのではないでしょうか」

--- 日本市場でのビジネスについて、今後のビジョンをお聞かせください。

ヘイスティングス氏「一年目は数字を追うのではなく、まず質の高い視聴体験をしてもらうことを重視しています。長期的にはどのマーケットも同じなのですが、7年間ぐらいのスパンで、ブロードバンド世界の1/3ぐらいのユーザー獲得を目指します」

--- ニュースやスポーツの分野に進出するというお考えはありますか?

ピーターズ氏「それはテレビ局の方々が生放送で提供するものであり、それを超えるサービスを我々がすぐに作れるとは思っていません。既存の放送業界が作るコンテンツを超えられないのであれば、インターネットならではのサービスで勝負するというのが我々の考えです」

--- 今あるテレビ局は将来どうなっていくのでしょうか?

ヘイスティングス氏「アメリカではCBSなどのテレビ会社が、インターネットテレビ事業を始めています。将来的にはテレビ局のネットへの移行が進み、20年後ぐらいには全てのビデオ映像がオンラインで観られるようになるでしょう」
《丸田》
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