【インタビュー】APT及川直彦氏……データと直感、ビジネス実験という考え方 2ページ目 | RBB TODAY
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【インタビュー】APT及川直彦氏……データと直感、ビジネス実験という考え方

エンタープライズ その他
APT日本代表及川直彦氏
  • APT日本代表及川直彦氏
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  • Test & Learn の“輪”
  • APTのクライアント例
 テストデータとの比較対象を「コントロール」といいます。このコントロールの選別、設定を適切に行うことは、ビジネス実験の成否の要になるといっていいでしょう。単に地理的に近いというだけではだめです。例えば、片方の近くに学校があるだけで、年間を通じた売上パターンは変わってくるでしょう。全体の平均との比較もノイズが多くて予測の誤差は2倍程度広がるという結果がでています。

 テストとコントロールの選び方、設定が正しければ、より正確な予測が可能となり、施策の再現性は高まります。

--- テストとコントロールの選び方が難しそうですね。

及川代表:はい。データサイエンティストと呼ばれている人たちが行っていることに、このテストとコントロールの設定・分析がありますが、分析者のスキルによってばらつきが大きく、同時に難解で説明しにくいため、経営層やマネージャからの理解も得にくい部分ですね。

●「Test & Learn」ソリューション

--- これらビジネス実験の課題に対して、APTはどのような対策が有効と考えているのですか。

及川代表:APTでは、Test & Learn(実験と学習)というソリューションを提案しています。Test & Learnは、実験データを意思決定に役立てるというプロセスを支援するソフトウェアですが、とくに、テストとコントロールの選定について、独自のデータと分析アルゴリズムによって難しい計算や処理をサポートしてくれます。

 施策ごとに最適なテストとコントロールを設定する作業は、高度で複雑な計算処理を伴いますが、Test & Learnでは、独自のアルゴリズムによるデータ分析手法によって、これを自動化します。この処理は、データサイエンティストの作業のうち大量の演算が必要な部分を効率化してくれるものです。あるいは、統計や分析のスキルがないマネジメント層でもビジネス実験の計画ができるように、支援もしてくれるでしょう。

 ソフトウェアによって、高度な計算を効率化できるということは、専門家の作業を横展開する際に威力を発揮します。データサイエンティストの能力や人数に依存していたビジネス実験とその分析の生産性を上げることができます。オペレーションを分担させて並行してプロジェクトを動かすといったことも可能になります。

--- Test & Learnの適用事例について可能な範囲で教えていただけますか。どんな企業が利用していて、どんな企業で効果が得られるのでしょうか。

及川代表:業種としては、スーパー、コンビニ、アパレル、レストランなどのチェーン、B2C企業が多いですね。食品メーカー、製薬メーカーといった製造業、卸などでも採用が進んでいます。欧米企業が多いのですが、企業名でいえばウォルマート、スターバックス、マクドナルド、ターゲット、トイザらス、ヒルトン、アンハイザー・ブッシュ・インベブ、CVSファーマシー、コカ・コーラ、P&G、シェル石油などを挙げることができます。

 日本企業ではすかいらーくでの導入事例があります。すかいらーくは、複数ブランドの店舗チェーンを展開しており、それぞれの新メニュー開発、キャンペーン展開の意思決定、折り込み広告や各種プロモーションの施策について、Test & Learnを活用したビジネス実験で効果を上げています。

《中尾真二》
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