3月31日、NTTコミュニケーションズは、PBX機能をクラウドサービスとして提供する「Arcster Smart PBX」と、「Arcstar IP Voice」の機能強化を発表した。Smart PBXは4月1日からサービス開始となる。 NTTコミュニケーションズ 取締役 ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部長 丸岡亨氏は、「変化の激しい企業環境において、多様なワークスタイルを尊重しながら最適なコミュニケーションを実現するため、柔軟性の高いサービスが重要」とし、同社は「クラウド化」「IP化」「グローバル化」の3つをキーワードとして、サービス展開を考えていると、新サービスの紹介を始めた。 丸岡氏によれば、このうちクラウド化戦略のひとつとしてArcster Smart PBXが開発され、この日の発表となった。クラウドサービス展開にあたって注力しているポイントは、「まず、手軽であること、利用したい分だけ柔軟に使えること。次に、いつでもどこでも使えること。そして最後はセキュアであることです。(丸岡氏)」といい、この3つのコンセプトがSmart PBXにどのように実装されているかの説明に移った。 まず、Smart PBXは、通常企業内に設定されているPBX(構内交換機)をクラウド化することで、設備を所有せずサービスとしての利用を可能にする。これにより、オフィスの省スペース化や機器管理のコストダウンにつながる。また、PBXの機能は、IPによって提供されるため、対応する電話機はIP電話に対応するビジネスフォンや携帯電話、スマートフォン、PCとなる。スマートフォンなどをPBXの子機として使えるようになるため、外出先でも内線として無料の発着信もできる。 スマートフォンやPCには、Smart PBXのアプリをインストールする必要があるが、iOS、Android、Windows、それぞれのアプリが用意されている。内線電話としての端末を選ばないだけでなく、「モバイルデバイスでは契約回線の事業者を問いません」と丸岡氏はデバイスフリー、キャリアフリーなサービスであることを強調した。 VoIPゲートウェイを経由すれば、既存のPBXとも接続可能だ。これは、事業所やオフィス内のPBXや電話を一気にIP化する必要はなく、段階的なIP化、クラウド化が可能ということを意味する。すべての拠点をSmart PBXにできなくても、従来からのPBXを使っている拠点もゲートウェイを介して、Smart PBXの内線に組み入れることができる。 また、同社の「ビジネスポータル」機能にも対応しているので、IDを増やしたり内線番号の設定などSmart PBXの設定はPCなどからGUIで簡単に行える。すでに050 Plusなどでも提供している「Web電話帳」にも対応する予定(2014年度上期)があるので、会社の内線表や取引先の番号など、スマートフォンのアドレス帳にインストールしなくてもリストからの発信が可能だ。着信番号もクラウド上の電話帳と紐づけられるので、誰からの電話かというのを名前で確認できるようになる。会社のアドレス帳がクラウドで一括管理され、端末側がデータを持たないのでセキュリティの向上にもつながる。 じつは、今回の発表に先立って、一部の取引先についてSmart PBXのプレセールスを実施しており、「その中で得られた要望として、Smart PBXとIP電話の接続にOCNなどのインターネットではなく、よりセキュアなVPNや専用線での接続を希望する声もありました。(丸岡氏)」といい、クラウド上のPBXに同社のユニファイドコミュニケーション向けネットワーク(Arcstar Universal One)を利用可能にする予定もあるそうだ。 料金体系いついては、初期費用など必要だが、内線番号1つにつき500円でサービスを利用できるとする。PBXの購入コストや運用管理費用など、同社の調査では5年間でおよそ40%の経費削減になるという。
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