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NTTとJAXA、「電気光学プローブ」でイオンエンジン内のマイクロ波電界測定に世界初成功

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EOプローブとは
  • EOプローブとは
  • 金属プローブを用いた従来技術とEOプローブの比較
  • EOプローブにより測定したイオンエンジン内のプラズマ電界分布
 日本電信電話(NTT)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、光ファイバを活用した「電気光学プローブ」(EOプローブ)を応用し、「マイクロ波放電式イオンエンジン」内部のプラズマ中のマイクロ波電界計測に世界で初めて成功したことを発表した。

 さまざまな種類の電磁波を測定するために、従来は「金属プローブ」が広く用いられていたが、より正確に測定可能な、「光ファイバ」を活用したEOプローブをNTTは開発していた。また、JAXAでは、かねてより小惑星探査機に搭載されるイオンエンジンの研究・開発を進めており、推進性能向上を図っていた。このイオンエンジンの性能向上を図るため、イオンエンジン作動中にプラズマ中におけるマイクロ波電界の分布を測定する技術が必要とされていた。

 そして、NTTが開発した「光ファイバ」を活用したEOプローブの低擾乱性(電界の散乱が発生しにくくなる特性)や高空間分解能(空間的に細かい電界分布を測定可能な特性)にJAXAが注目、イオンエンジン内のマイクロ波電界の計測に向けて、共同研究を実施。

 今回、イオンエンジン内のマイクロ波電界測定に世界で初めて成功した。測定結果から、マイクロ波が伝搬できなくなるマイクロ波カットオフ現象を緩和することで、イオンエンジンの性能をさらに向上できることが判明したという。

 今後、マイクロ波放電式イオンエンジンの研究・開発を推し進めることで、イオンエンジンを使用する小惑星探査機がより遠くの惑星への到達することが可能となったり、人工衛星などの宇宙機の長寿命化、等の実現が期待できるとのこと。
《冨岡晶》
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