富士通、超大容量の光ファイバー伝送システムを小型・低消費電力化する高性能歪み補償回路を開発 | RBB TODAY

富士通、超大容量の光ファイバー伝送システムを小型・低消費電力化する高性能歪み補償回路を開発

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従来技術(△)、昨年9月の技術(■)、今回の開発技術(▲)の回路段数と信号品質の関係
  • 従来技術(△)、昨年9月の技術(■)、今回の開発技術(▲)の回路段数と信号品質の関係
  • 従来技術(a)と開発技術(b)による補償回路の構成
  • 基幹伝送ネットワークとデジタル信号処理を用いた超高速光送受信器
 富士通、富士通研究所、富士通研究開発中心有限公司の3社は26日、数100km以上の長距離伝送システムにおいて、光ファイバーで伝送する信号の波形歪みを補正するデジタル信号処理アルゴリズムを開発したことを発表した。

 回路規模と消費電力を、一般的な従来技術と比較すると約85%、富士通が開発した従来技術と比較すると約50%削減することが可能だという。これにより、通信キャリアの基幹伝送ネットワークや大規模データセンター間を結ぶネットワークに対して、1波長あたり毎秒100ギガビットを超える超高速の長距離伝送システムを、従来よりも小型かつ低消費電力で提供できる見込みだ。さらに、毎秒10ギガビットが主流である現在のネットワーク容量が10倍以上になることで、超高速かつ大容量データの活用が可能となり、次世代スマートフォンや次世代クラウドサービスの進展を支えるネットワークが実現するという。

 毎秒100ギガビットを超える超高速信号は、数100km以上の長距離を光ファイバーで伝送されるにつれて、非線形光学効果によって波形に歪みが発生し、信号を正しく受信することが困難になる。今回、歪み補償の性能はそのままに、処理に必要な回路段数を一般的な従来技術と比較して約7分の1(同社技術比では約2分の1)に削減できる、新しい信号処理アルゴリズムを開発した。信号の歪みを数式モデルで表現して近似的に分析した結果、従来の技術では見逃していた歪みの成分を数式で表現することに成功。この歪みの成分を補正することにより、少ない段数で精度のよい歪み補償を可能とした。さらに、導き出した数式を整理することで、高精度な補償を小規模な回路で実現できる、効率のよい構成を開発した。毎秒112ギガビットの1,500km伝送実験に適用して、従来技術では20段の回路を用いて得られる信号品質が、開発技術ではわずか3段の回路(所用回路段数:約85%削減)で得られることを確認したとのこと。

 今後は、開発された技術を毎秒100ギガビットを超える次世代長距離光通信システムに搭載し、2015年頃までに実用化を進める予定。
《冨岡晶》

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