【クチコミ分析が企業戦略を変える】monoONLINE藤田店長が「感°Report」の実力をチェック
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ECサイトでも、トレンドや市場の動きにあわせた商品展開が求められるが、最近はブログなどのネット上のコミュニティが重要な情報源となっている。しかし、これらの情報収集をして、定量分析・定性分析を行うのはなかなか手間のかかる作業だ——と思っていたところ、今回、NECビッグローブの「感°Report(かんどれぽーと)」を利用する機会に恵まれた。
「感°Report」は、任意のキーワードについて、過去の一定期間(ベーシック版は4か月、スペシャル版は13か月に対応)の、ブログでの取り上げられ方のグラフ化、関連キーワードの抽出、コメントのネガ・ポジ分析などを自動的に行ってくれるツールだ。SaaS形式のため、ソフトウェアのインストールは不要で、インターネットに接続されたPCとブラウザがあれば利用できる。
NECビッグローブによると、「感°Report」はメーカーが商品開発のための市場調査やキャンペーンの反応分析などに利用することが多いというが、「monoONLINE」の商材戦略やキャンペーン企画にもおおいに役立ちそうなので、早速使ってみることにした。
◆まずは調べたい商材を設定
サービスを申込むと通知されるIDとパスワードを入力。管理画面もシンプルなので、すぐに使うことができた。不明な点がある場合は、PDFのマニュアルを参照すればよい。
まずは、「monoONLINE」のメイン商材となるビジネスバッグの話題について調査するため、「ビジネスバッグ」のキーワードで分析してみた。ビジネスバッグは例年2〜3月に注目度がアップしはじめ、新生活シーズンの真っ只中の4月にピークに達する商材だ。
画面のとおり、入力窓にキーワードを入力するだけで、調査はいたってシンプルだ。条件検索も、Yahoo! JAPANやGoogle検索と同様にスペースで区切るだけ。ただ、同音異義語や、リンクコンテンツのみのアフィリエイト専用ブログなどの“ノイズ”が含まれていると結果の精度が落ちてしまう。そのため、検索対象から排除したいものを指定する機能も用意されている。
調査対象は、国内主要事業者55社(2009年07月現在)のブログ約100万ページ/日と、掲示板やレビューサイトを約10万ページ/日で、システムが自動抽出した「関連検索ワード」「連想ワード」が一覧表示される。画面の例では、「クロコダイルビジネスバッグ」「A4対応ビジネスバッグ」などの候補の中から、分析に不要なキーワードを削除することで、より精度の高い分析が可能になるわけだ。たとえば、仕様が多く含まれているものはカタログページである可能性が高いので除外する、といったぐあいだ。
◆分析結果から“気づき”を広げる
分析を実行してみる。今回利用したスペシャル版では、過去13か月分の記事をたどれるので、年間を通じた動向調査、季節商品の動きなども分析できる。
ブログ数の分析結果では、3月から話題に上り始め、4月中旬〜5月初旬かけて一気にスパイクが立っている。その後は7月中旬まで緩やかに下降線をたどり、あとは横ばいという結果となった。鞄業界や小売店では、新生活シーズンの4月にピークがあることは常識となっているが、「感°Report」でもこれを裏付ける結果が得られた。データを視覚化することによって“気づき”の効果も期待できる。
◆POSに近い分析データが得られる可能性も
次に「急増ウォッチ」と「評判ウォッチ」というレポート機能を使ってみよう。前者は、分析対象期間の詳細な分析結果のグラフが表示され、対象キーワードにスパイクがあった日をランキング形式でマーキングする。後者は、対象キーワードが、どのような内容で扱われているのか、どんな書き込みになっているのかを、テキストマイニングによって関連キーワードとともに評価内容を分析してくれるものだ。
急増ウォッチでは、「原文をみる」ボタンをクリックすることで、ブログ記事本文を確認することができる。評判ウォッチでは、「デザイン」が「上質だ」とか「ギフト」に「最適だ」など、キーワードに対しての評価内容が抽出され、ポジティブな内容とネガティブな内容を選別して、具体的な評価内容をスコア化し、グラフと一覧で示してくれる。
これらの分析グラフを活用することで、商品が話題に上がってくるタイミングにあわせて新商品を投入したり、商品に対するブロガーの生の声を生かしてギフトキャンペーンなどの販促企画を行うなど、従来より精度の高い販売戦略を立てることができそうだ。このサービスは、メーカーなど生産者がマーケティング戦略に活かしている事例が多いというが、ネット通販のバイヤーとしての立場で、ブログでの話題性からマーチャンダイズを行い、商品仕入れや販売企画に活かす用途にも使えそうだ。
また、新商品の発売後に「感°Report」のネガ・ポジ分析や熱心なブロガーによる生の声を収拾することで、アンケートや街頭調査をすることなく、リアルタイムに市場での評判を知ることができ、それらを販売戦略や新商品開発に活かすことができる。これは、「感°Report」の分析結果が、大規模店舗などに普及しているPOS(販売時点情報管理)によるマーケティングと近いイメージで利用できるということを意味する。そして、POSでは商品販売時の消費者の属性や天候などから販売の傾向を分析してマーケティングするのに対し、「感°Report」では、商品販売「前」の消費者のニーズを読み取り、将来の販売の傾向を分析してマーケティングするといった使い方も考えられる。
◆比較分析で競合商品やトレンドも読み説く
「感°Report」では、最大20まで(スペシャル版)分析キーワードを設定できる。競合商品の銘柄を指定すれば、ブログでの話題の多さなどを比較することができる。また商品ジャンルごと、たとえば、どんなバッグが話題になっているのかを調べることもできる。そこで、ビジネスバッグよりも流行り廃りが顕著なカジュアルバッグの傾向を調査することにした。最近、市場で人気となっている「トートバッグ」「ショルダーバッグ」「メッセンジャーバッグ」「バックパック」の4種類のキーワードを比較分析してみた。
結果は、エコバッグやエコトートのブーム、付随してこれらの雑誌付録が増えていることの影響が大きいためか、最も話題に上っているバッグは「トートバッグ」であった。また、「ショルダーバッグ」も話題に上っていることがわかった。
ここで注目したいのが、トートバッグとショルダーバッグは2009年8月までは同じくらい量のブログで話題にされていたのだが、それ以降、ショルダーバッグの話題がトートバッグの話題数を超えることがなくなっている。8月以降は、メッセンジャーバッグの話題も落ちている。このことから、市場でのショルダーバッグの人気が落ちているという見方ができるかもしれない。
上記のような複数キーワードの設定を保存しておくことで、定点観測することができるので、中長期的な分析も可能だ。流行の服や人気の色などの分析キーワードを吟味することで、うまく使えば市場動向やトレンドを分析することもできそうだ。
◆販売“事前”管理ツールとして活用
ECサイトのマーケティングの観点から「感°Report」を使ってみた。ブログやネット情報のテキストマイニングや高度な分析には、時間もコストもかかるものだが、「感°Report」ではこのような機能がサービスとして手軽に利用できる点がよい。「感°Report」で、クラウド時代のサービスの良さを実感することができた。
一般的にアンケート調査では、回答者がアンケートであることを認識したうえでの意見や感想になるため、本音が調査できていないのではないかという懸念がつきまとう。「感°Report」なら、消費者が持っている潜在的ニーズやトレンドはもとより、掴みどころのない消費者の“気分”や“消費意欲”といった情報も捉えることができ、サイト運営に活かせる貴重な情報を入手することができそうだ。
POSが「販売時点管理」であるのに対して、「感°Report」は「販売“事前”管理」が行えるツールと言うことができる。「感°Report」の使いこなしは、バイヤーやマーケッターの強力な武器になりそうだ。
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