KDDIによる資本参加「直前の話で何ら詳細な説明は受けてない」——J:COM社長 | RBB TODAY

KDDIによる資本参加「直前の話で何ら詳細な説明は受けてない」——J:COM社長

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代表取締役社長の森泉知行氏
  • 代表取締役社長の森泉知行氏
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 ジュピターテレコムは28日、都内で2009年12月期決算説明会を開催した。具体的な数値は既報の通り(関連記事参照)だが、付け加えると、実績としては顧客ボリュームは未接続難視(共聴)世帯の取り込みなどによりRGU(Revenue Generating Units)は34万増、ARPUは160メガサービスやHDRの拡販、HD、VODの強化などで30円増(7,819円)、J SPORTSの連結子会社化などが挙げられた。地域特性に即した新たなサービスとしては、札幌、関西、九州に「お得プラン」、関東に「地デジパック」を投入、関西では「KNテレビジョン」「V☆パラダイス」を導入した。特に「お得プラン」を導入した関西ではRGUは2桁の伸びとなったという。これらは7期連続増収、過去最高益を更新する結果となっている。

 このような好業績の決算発表であったが、25日のKDDIによるジュピターテレコムへ資本参加の直後だっただけに、質問は同案件に集中した。下記は報道陣などと代表取締役社長の森泉知行氏との主なやりとり。

——株主変更の影響と今後の戦略見通しは?

KDDIがリバティグローバル・グループの株を取得するという話は直前になって連絡あったため、詳しい内容についてはまったく承知していない。したがって、この取引に関わる法令の問題などについても調べてないので、適法に全てが行われるのかどうか、これが行われない限りは先に進まない。シナジーが働くであろうとは考えられるものの、KDDIの全体の戦略をどう進めるのか、そのなかでケーブルビジネスをどう位置づけるのかということによっても違ってくる。これらについても何ら説明を受けてない。したがって、詳しく話をきいて株主、従業員にとってプラスで企業価値につながるであれば積極的に協力する。

——今回の話にどのような印象をもったか?現在はどのような状況か?

昨年の末に、KDDIがリバティ社に会ったというのは聞いていた。ただ、その時にもどういう形か知らなかった。事実関係で言うと、1月になってから資本参加することになったので協力してくれという手紙をいただいた。そこでも具体的なことが書いてなかったのでリアクションはとってない。結構早く(行動を)とられたんだなという感じだ。プラスになるか判断させてくれと話した。現在は本当にそういう状況だ。

——リバティ社はどんな反応だったのか?

リバティのことはわからないが、結果的には日本から撤退することになるのではないかのではないかと考えている。なお、新聞報道に対する見解を話すと、彼らはヨーロッパでオペレーションから全て自身で行っている。日本の事業は投資事業的で、まったく(ヨーロッパとは)やり方が違う。かれらの判断として自分たちがオペレーションを行っているヨーロッパに注力してくということだと思う。(リバティの撤退は)日本がケーブル事業ででドイツより劣っているということにはならないと思う。個人的な見解だが、ドイツに比べて日本のマーケットは比較にならないほど優れている。

——KDDIによる買収にあたってつけられた65%のプレミアムという企業価値の評価について感想を

65%のプレミアムは14万円くらいだと思うが、これは妥当かどうかについては意見を差し控えさせていただきたい。ただ、65%の根拠になっているのは8万4,000〜5,000円の株価だ。これについては率直に言って不満足な水準だ。不満足でアンダーエスティメイトされた株価に対して65%が高いか安いかというのは、あまり意味がない。私どもが上場したのは2005年でOCFは632億円。現在は1444億円。上場した時の株価は8万円だが、84,000円というのを根拠にするのは、伸びを考えると適正に評価されているものではないのではないか?

——KDDIとJ:COMのパートナーシップは、共通の敵であるNTTグル—プに対してどのくらい競争力の向上につながるのか?

通信事業と放送事業は、今後はひとつの事業となっていく。ビジネスの本質は違うが、これをひとつの事業でやるとなると大変難しい。通信の人が放送の事業をやると絶対に失敗するし、放送事業者が通信をやっても失敗する。しかし、そのなかでは我々は放送と通信を融合してやってきた。10年間の経験と実績は自負している。これは着実に生かしていきたい。ケーブルは素晴らしいビジネスだと思うし、ネットワークもFTTHに比べて安価で合理性のあるネットワークだ。しかし唯一の弱点は、エリアも固定でお客様も宅内でしか使えない固定サービスである点だ。我々が一気に事業領域を広げるためには、無線のメリットをどうとらえていくかだ。(事業領域の拡大)実現のために大手の3社と組むというのは現実的で、KDDIはその1社。自前の回線を使っている重要性は大きい。自前の回線を持っているのは日本でNTT、電力会社、ケーブルの3社だが、自分が気兼ねなく使える回線を持つという意味では、必然的な動きだと思う。
《RBB TODAY》

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