歴史を作った名作「おくりびと」〜監督、キャストの喜びの声が到着! | RBB TODAY

歴史を作った名作「おくりびと」〜監督、キャストの喜びの声が到着!

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滝田洋二郎監督
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 第81回米国アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した「おくりびと」。滝田洋二郎(監督)、本木雅弘、広末涼子、余貴美子、小山薫堂(脚本)、間瀬泰宏(プロデューサー)が出席した合同会見でのインタビューの模様を紹介しよう。

 Q.外国語映画賞を受賞した感想をお聞かせください。

 滝田洋二郎(監督):夢のようです。アメリカアカデミーに来ることができることさえ信じられなかったのに、こんなにすばらしいプレゼントをもらえました。納棺師という題材で、終わり方が見えませんでしたが、最高の終わり方が見えました。皆さんのおかげです。ありがとうございます。ロングランして頂いておりますが、映画の神様がたまたま落とし物をしたものが「おくりびと」のところに着たのではないかと思います。本当にありがとうございます。スタッフ、キャスト、すばらしい日本の技術が世界に認めてもらえたと、誇りに思います。

 本木雅弘:言葉になりません。まだまだ気持ちの整理がつかないでいます。信じられないことが続いて起こっている渦中にいるようです。この作品にかかわっている全ての人の思いがかなって大きな花を咲かせたと思います。実はイスラエルの作品を見ていて、とても素晴らしかったので、そちらが受賞すると思っていました。ですので、レッドカーペットはミーハー的な気持ちで歩いていました。こんなことならもっと堂々と歩いておけば良かったと後悔しています(笑)。

 広末涼子:日本映画が世界で認められ、“Congratulation”の嵐の中この会場に着きました。この映画に導いてくれた監督、スタッフ、そして日本にいる友人、いつも支えてくれている家族、いつも有難うと言いたいです。

 余貴美子:心から誇りに思います。「おくりびと」の仲間に入れて頂いて、本当にありがとうございます。舞台に上がった時、最初はよくわからなかったけど、今になってこみ上げてくるものがあります。本当に嬉しいです。

 小山薫堂:今まで自分が経験したことや悲しかったことなどの体験をちりばめて書いた作品がこんなことになってしまい、自分の人生がここに向かっていたのかな、と思います。もしオスカーをとったら、“今週木曜日のパン屋タダ”という張り紙を出してきた。赤字ですが、ぜひいらしてください。人生の運を全部使い果たしてしまったか、帰りの飛行機が落ちるんじゃないかと心配です。みなさん気をつけて帰ってください。

 間瀬泰宏:みなさんの応援のおかげだと思います。スタッフキャストを代表してお礼を申し上げます。英語タイトル「Departures」死は一つの旅立ち、大吾と美香の成長の物語として名付けました。この映画そのものが、自分の子供のようです。親元離れて旅立ち、親以上に成長してしまった。僕らが作品を追いかけている感じです。

 Q.監督、スピーチは考えていたのですか?

 滝田:聞かないでくださいよ……うれしかったです! 昨日5本の映画の一部を見せてもらいました。イスラエル、フランス、どれもすばらしかった。賞をとれるとかそういう次元ではなく、その監督と知り合いになれてそういったいい出会いがあってよかったです。

 Q.奥様へは何とお伝えしたのですか?

 本木:“信じられない”という感じで笑顔で飛び込んできてくれました。二人でオスカーを持って写真をとらせてもらいました。山崎努さんにも電話でお礼と喜び、この瞬間の臨場感を伝えられました。この画面を通じて、峰岸徹さんにも報告したい、そして私的なことですが、この映画の企画に参加してくれた小口社長にも報告したいです。実は胸に写真を入れて臨みました。

 Q.監督からスタッフへの言葉は?

 滝田:このオスカーはみんなのものです。ロスまでみんなが来てくれました。それが本当にうれしいです。

 Q.レッドカーペットや授賞式の思い出は?

 滝田:レッドカーペットは無我夢中でした。長いようで短かく、すばらしかったです。全然飽きずに、ずっとドキドキしていたのでもっと落ち着いて見たかったですね。

 本木:レッドカーペットが無事に終わり、よりビッグなセレブに会いたくて終わり辺りで待っていました。ショーン・ペンの後ろを歩いてみました。持っているチケットでバーに行き、メリル・ストリープとすれ違いました。サラ・ジェシカ・パーカーは匂いがわかるくらい近くに感じました。途中にトイレに行ったとき、ペネロペ・クルスが携帯電話で話しているのを見ました。パパラッチな気持ちで眺めていました(笑)。ハイスクールミュージカルの女の子には握手を求めて、娘がファンですと伝えました。

 広末:壇上に呼んでもらえて、壇上からの景色は全く違うもので、エキサイティングでファンタスティック、言葉にできない格別なものでした。それを経験させてもらえたのは映画人としてこの上ない幸せだったと思う。

 余:RCでは、アンソニー・ホプキンスのインタビューをしていたのでモニターを確認して映りこむように後ろを歩いてみました。挙動不審なアジア人がいたと思います(笑)。会場に入る前にリムジンが渋滞していて、その光景にも騒いでいました。実に当事者とは思えない位でした。

 小山:ABCの放送でたまに見かける皆さんを見て、いい匂いするんだろうな〜と見ていました。

 Q.この作品について、もしスピーチするなら?

 本木さん:昨晩夕食を共にした北米の配給会社の人たちに、どうしてこの作品がうけるのか、理由を聞いたら、世界中の人たちが感じられる、日本人の繊細なもてなしのこころを受けて、癒される映画だと、普遍的なこと、シンプルな感情は伝わるので自信を持ってくれ、と言われました。もしスピーチするチャンスがあるなら、この作品は「別れの儀式の映画です」と軽く説明できたらと思っています。

 Q.予想では受賞は難しいと思われていましたが、不安はありましたか?

 滝田:受け入れられるかは考えてもしょうがないことです。自分の作品を作ったまでです。受け入れられなければそれはしょうがない。作ったあとではそういうことは考えません。映画が一人歩きをしてくれました。

 Q.オスカー像の行方は?

 滝田:このオスカー像を誰にも売ってはいけません、という証書にサインしました。ですので、私が保管します。が、スタッフには1週間レンタル。メインスタッフには1カ月。明日から枕にして寝て、新しい映画の夢をみます。みんなで分かち合いたい。

 小山:オスカー像、元気の源。予想以上につるつるしていた。

 広末:日本人だけでなく、パーティー会場でもこの像にみんな寄ってきて触らせてほしい、と言っていました。

 Q.勝因は何だったと考えますか?

 滝田:日本映画のスタッフキャストのすばらしさ。ただそれだけです。

 本木:先ほどイスラエルの作品を見たといいましたが、それは本当に心揺さぶられる作品でした。昨日お会いした北米の配給会社の方たちに、「なぜイスラエルの作品はとれなかったのか?」と聞いたら、アニメーションだったこと、アカデミーは生身の人間を選んだ。「Departures」には、もっとやわらかい救いがある。前向きな救いをたくさん感じる。と言われました。

 間瀬:どれも秀逸な作品でした。ただ、「おくりびと」は特別。コミカル、笑いながら泣いてしまう。そこが他の4作品と違ったのではないかと思います。

 以下は、同作品に出演した山崎努、吉行和子、笹野高史、久石譲(音楽)からのコメント。

 山崎努:先日の日本アカデミー賞でも過分に評価されたのに、今度はアメリカとは。自分が参加した作品の出来を冷静に判断することは難しいものです。やたらにうまくいったと昂奮したり、逆にダメだダメだと落ちこんだりします。でも「おくりびと」はたしかに成功したんですね。こいつぁ春から縁起がいいや! さ、ビール飲もう!

 吉行和子:おめでとうございます。すばらしい出来事ですね。本木さんの長年の夢が、こんな大きな花を咲かせたのですね。どんなに嬉しい事でしょう。私も参加できたことを、心から喜んでいます。何度も何度もおめでとう!

 笹野高史:バンザイ、バンザイ! 「おくりびと」バンザイ。日本映画、バンザイ!! 素晴らしい出来事に参加できたことを、心から光栄に思います。オスカー像に触らせてもらえたら「また会おうのぉ」と言います。

 久石譲:本当に優れた作品だからこそ、アメリカのアカデミー賞で海外映画のトップまで上り詰めた。滝田さん、本木さんをはじめ、スタッフの皆さんの作品への思いが偉大な結果につながった。音楽的には全編チェロをフューチャーするなど僕なりの実験もした。この結果に心から満足しています。おめでとうございます。
《織本幸介》

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