乃木坂46「39thSG アンダーライブ」の最終公演が10月9日、神奈川・横浜BUNTAIで開催された。7月リリースの39thシングル「Same numbers」のアンダー楽曲「不道徳な夏」歌唱メンバーによる本公演は、10月7日から3日間、グループとして初の会場となる横浜BUNTAIで実施。初めてアンダーセンターを務める4期生・金川紗耶を中心に、12人で“39”にちなんだコーナーを交えながらステージを展開した。最終日の模様はインターネット配信も行われた。

正面に「UNDERLIVE」、両サイドに「WELCOME」「THEATER」「Effort, Thanks, Smile(努力、感謝、笑顔)」「NOGIZAKA46」の電飾を施した、海外の劇場を想起させるステージに、林瑠奈を先頭にメンバーが順に登場。最後に金川が姿を見せ、「今日は限界突破するぞ!みんな、いっぱい声出してね」を合図に後方の赤い幕が開き、「Under's Love」でライブがスタート。楽曲に合わせて、力強さとしなやかさを織り交ぜたダンスを披露した。続く「My rule」では12人の配列で「4」や「6」を形作り、「Hard to say」ではミラーボールの光が空間を彩る。「マシンガンレイン」まで息の合ったパフォーマンスが続いた。

最初のMCでは、アンダー曲のセンターを務める金川が「終わりがくるのが本当に早くて。今日も皆さんの熱量に負けないように、私たちも頑張りたいと思います!」と挨拶。岩本蓮加は「皆さんの歓声がパワーになるので、一生忘れられない日にしたい」、佐藤璃果は「ここ横浜BUNTAIで乃木坂46がライブをするのは今回が初めて。将来『最初の1回目は伝説だった』と言ってもらえるようなライブにしたい」とそれぞれ意気込みを語った。約1年ぶりにアンダーライブへ参加する奥田いろはがセンターを務めた「落とし物」からライブが再開。「~Do my best~じゃ意味はない」では客席とシンガロングで一体となり、「滑走路」ではアリーナを青、スタンドを白に染めて佐藤を中心にダンスを見せる。「交感神経優位」では、前回の「38thSG アンダーライブ」で座長を務めた柴田柚菜が笑顔で場を引き締め、過去のアンダーライブを彩ってきた楽曲を次々披露した。

続いて、39枚目シングルにちなみ、メンバーが楽曲を通じて感謝(サンキュー=39)を伝える「39(サンキュー)ブロック」へ。初日は林が「音が出ないギター」、岩本が「空気感」、佐藤が「今、話したい誰かがいる」、矢久保美緒が「僕が手を叩く方へ」を、2日目は田村真佑が「大嫌いなはずだった」、黒見明香が「Against」、吉田綾乃クリスティーが「泣いたっていいじゃないか?」、伊藤理々杏が「誰よりそばにいたい」を選曲。この日は、奥田が“5期生はじまりの歌”として「絶望の一秒前」をソロで、柴田は「君に贈る花がない」、松尾が「シンクロニシティ」を各メンバーのナレーションとともに披露。最後は座長の金川が「初めての4期生ライブから成長した姿を観てほしい」というメッセージを添えて「サヨナラの意味」を歌い、3日間の「39ブロック」を締めくくった。
後半は、伊藤&林のダブルセンターによる「さざ波は戻らない」から、王道のアンダー楽曲が続く。「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」では黒見が中心に立ち、受け継いできたグループの流れと今のカラーを織り交ぜて表現。矢久保センターの「三角の空き地」でも同様に、丁寧な歌とダンスを届けた。吉田センターの「嫉妬の権利」では感情を込めたボーカルで会場の温度を上げ、松尾センターの「踏んでしまった」では一体感がさらに高まる。映像演出を抑えた構成で没入感を高め、後半に大型スクリーンへメンバーの姿が映し出されると、表情や所作がより際立った。

ここからは、金川がアンダーライブに向けて選曲する映像に続き、「不道徳な夏」のフレーズにちなむ「Hot! Cool! Sexy!ブロック」へ。まず“Sexyパート”は田村を中心に「バレッタ」から。「深読み」では岩本と吉田がアリーナ後方に登場するサプライズを交え、「悪い成分」までを滑らかに繋ぐ。“Coolパート”は林をセンターに「Wilderness world」から、「命は美しい」「ここにいる理由」と、スマートなダンスナンバーでまとめた。最後の“Hotパート”は金川を先頭に「太陽ノック」で場内を明るくし、「狼に口笛を」でコールが揃い、「ジャンピングジョーカーフラッシュ」まで勢いを保った。

本編ラストは「不道徳な夏」。夏ツアーを通じてコールが定着した同曲で会場がまとまり、締めの一曲として相応しい仕上がりを見せた。アンコールでは「ロマンスのスタート」から再開。一部メンバーがスタンド通路に現れる演出もあり、「車道側」「左胸の勇気」と続く中で、客席のコールが再び整っていく。
ラスト前のMCで金川は、「乃木坂46はどうしても選抜とアンダーに分かれてしまいます。どんなに悔しくても、笑顔でステージに立たなくてはいけません。いろいろ乗り越えて、私たちはステージに立っています。ここにいるみんなは本当に強いんです。そして、どの場所にいても見つけてくださる皆さん、変わらず応援してくださる皆さん、陰で応援してくださる皆さん。皆さんが応援してくださるから、私たちはここまで頑張れました」と述べ、さらに「頑張って努力しても、報われない努力もあるかもしれません。でも、努力している過程が大事なんです。その過程を一番見れるのがこのアンダーライブです。アンダーライブを見届けてくれてありがとうございます」と感謝を伝えた。

続けて「どんなことがあっても、私たちは乃木坂46でいることを忘れず、これからも歴史を作っていきます。なので、そんな私たちに期待して、ついてきてください。よろしくお願いします!」と語り、「次の曲は私たちの想いを曲に乗せて歌います」と紹介して「錆びたコンパス」を歌唱。シンガロングに包まれ、3日間にわたる「39thSG アンダーライブ」は幕を閉じた。
メンバーが退場後もコールが続き、予定外のダブルアンコールとして「不道徳な夏」を再演。最後はメンバーがマイクなしで「サンキュー!」と呼びかけ、観客も「サンキュー!」で応え、千秋楽のフィナーレとなった。終演後、金川は「錆びたコンパス」を歌い終えて、「夏のツアーからこのアンダーライブまで、この12人だから最後まで走り抜けることができたと思います。そしてこのアンダーライブで座長を務めて、私はとても幸せです。乃木坂46ってやっぱり素敵な場所ですね。これからも私たちが守り続けます!」と笑顔でコメントした。