外国人観光客が集まる街づくり!町田でセミナー開催 | RBB TODAY

外国人観光客が集まる街づくり!町田でセミナー開催

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海外のパワーブロガーや雑誌編集長を招待するなど、SNSを使った情報拡散についても重要性を訴えるイードの三浦真氏
  • 海外のパワーブロガーや雑誌編集長を招待するなど、SNSを使った情報拡散についても重要性を訴えるイードの三浦真氏
  • 米の生産から販売までを手掛ける「いちかわライスビジネス」の代表取締役で、町田商工会議所企画事業委員会委員長の市川稔氏
  • 電通の満居優氏はインバウンド対策を行なうにあたっては、その位置情報を分析することが大事だと話す
  • 町田商工会議所会館で行なわれたセミナーには、地元事業者の経営者などが参加
 HANJO HANJOではインバウンドに関わるさまざまな事業者を取材し、彼らが行なっている取り組みや、成果を上げるために必要な手法などを紹介してきました。近年では訪日観光客による消費がモノからコトへと移行していますが、その中でも新たなビジネスの商機となりそうな事例を追い続けています。

 これらの活動から得た知見を地域や中小企業の活性化に役立たたせるべく、HANJO HANJOではセミナーなどリアルな場所での活動も行っていく予定です。昨年の11月には、東京の「町田商工会議所」で「全国のインバウンド成功事例から学ぶ外国人観光客が集まる街の作り方」を開催。インバウンド消費を取り込むための方法論について解説しました。

■国内マーケットが縮小、活路は急増するインバウンドにあり

 会場では町田商工会議所で企画事業委員会委員長を務める市川稔氏より、まずはインバウンドを取り巻く状況についての紹介がありました。その中で、まず市川氏が言及したのが少子高齢化の問題です。

「日本人の平均年齢は上昇し続け、2020年には48歳に到達するといわれています。それとともに国内市場はシュリンクしているわけですが、唯一急成長しているのが訪日観光客向けのマーケットです。2016年には2400万人の入国が予想され、政府は20年までの目標を4000万人に上方修正しています」

 このような状況に合わせて、町田市でも駅周辺での無料Wi-Fiの設置を順次進めていくとのこと。現在、周辺のホテルでは外国人の宿泊客が増えているといい、彼らをいかに商業地域へと周遊させ、購買活動につなげるかが課題となっています。

■自治体によるインバウンド対策の成功例

 その後はHANJO HANJO運営委員で、イードの三浦真氏による講演が行われました。まず、三浦氏が注目したのは、インバウンド対策における外国語対応のよくある齟齬です。日本政府観光局(JNTO)が発表している資料によると、訪日外客数が多いのは上から順に中国、韓国、台湾、香港と並びます。英語圏ではアメリカが5位にランクインしますが、上位に比べると、その規模は格段に小さいものです。このため、「外国語対応として、真っ先に英語での翻訳を導入するのは現実にそぐわない」と指摘しました。

 ここ数年におけるインバウンド増加の流れは、円安の動きと、外務省によるビザの緩和が作りました。その恩恵を受けている事業者や自治体も現れていますが、それを定着させるのに苦労をしているとのこと。2020年の東京オリンピックに向けて、まだこれからがその勝負時だと語っています。

 その上で、インバウンドの集客に成功している事例として、三浦氏がまずあげたのが佐賀県の取り組みです。同県ではタイの娯楽映画「タイムライン」のロケ誘致に成功。これをきっかけに、タイ人による観光客が県内で増えています。ほかにも、北海道の美瑛などでも同様の取り組みが行われていますが、そこでコーディネーター役を務めているのが「フィルムコミッション」という存在です。まずは彼らに相談することが、誘致への早道になるといいます。

 また、イベントを使った集客としては、香川県が主催の「瀬戸内国際芸術祭2016」、千葉県の飛行機レース「レッドブル・エアレース」が紹介されました。前者は“芸術で地方活性”というエッジの立った切り口からPR効果は抜群で、後者も国際的な都市のブランド力を高めることにつながっているようです。


■体験型コンテンツが事業者における集客の決め手

 一方、事業者の取り組みとしては、“体験”を切り口に集客に成功している事例が挙げられました。そのうちの一つ、北海道のうたのぼりグリーンパークホテルでは、周囲に観光スポットが何もないのを逆手にとって、“ホテル内で日本のすべてが体験できる”とPR。餅つきから和太鼓演奏まで多彩な体験型コンテンツを用意し、タイからの訪日客の誘致に成功しています。

 その他では、レンタルバイクやアクティビティ、酒蔵体験、観光農園といった体験型コンテンツも訪日観光客から注目を集めているとのことです。中には、天ぷら新宿つな八のように、いち飲食店が伝手をたどって築地の問屋をめぐるツアーを開催。それがインターナショナル・スクールの生徒や父兄を通じて、外国人の間で店の認知を広めるきっかけとなった例もあります。

 こうした集客を拡大していくにあたり、重要なのが訪日観光客によるSNSでの情報拡散です。例えば、新宿のオークホテルでは、レンタル自転車として電動サイクルを設置したところ、「さすが技術の国・ニッポンだ」などとSNSでのコメントが増加したそうです。

 集客にあたっては第三者による認証制度も活用したいところです。観光業界では東京ハイヤー・タクシー協会の「TSTiE(タスティー)ドライバー認定」、日本旅行業協会の「ツアーオペレーター品質認証制度」などが、そのサービスの質を保証するのに一翼を担っています。また、16年8月25日には、「おもてなし規格認証2016」が申請受付を開始しました。こちらはサービス業全般の品質を見える化するものとして、飲食店や小売店などでも導入事業者が増えているといいます。

■コンテンツでの滞在時間が、街への消費活動につながる

 HANJO HANJO運営委員である電通の満居優氏からは、インバウンドを活性化させるためのサービスとして、訪日外国人の属性・位置情報分析ができる「いいデータ」についての紹介も行われました。これは、スマホから取得した訪日外国人の位置情報を分析するもので、どの国籍の人がいつ、どの場所にいたかを地図やグラフで“見える化”します。そのシンプルな使い勝手の良さは、会場に集まった中小企業経営者から注目されていたようです。

 講演後の質疑応答では集客の方法について、町田という街全体で行うべき取り組みについて意見が求められました。これに対して、HANJO HANJO編集長の加藤陽之氏が、参考にすべき街として名をあげたのが新宿です。

「新宿では伊勢丹をはじめ、ビックカメラやドン・キホーテなどが共同でイベントなどに取り組んでいます。欧米からの訪日観光客は長期滞在するケースが多いので、こうした体験型コンテンツのように滞在時間を延ばす仕組みがなければ、エリア内での消費活動に結びつきません」

 訪日観光客によるツアーの多くは、著名な観光施設を点で結ぶもので、その経由地はただ素通りされています。必要なのは事業者や街全体が体験型コンテンツを用意し、まずは彼らの足を止めること。そこで滞在時間を延ばすことで、はじめて飲食や土産の購入といった購買活動が生まれることになるでしょう。

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《HANJO HANJO編集部》

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