孤独死を防ぐために……IoT活用の事業者向け見守りサービス | RBB TODAY

孤独死を防ぐために……IoT活用の事業者向け見守りサービス

 ニフティは、事業者向けの見守りサポートサービスとして「おへやプラスPRO(おへやぷらすぷろ)」を20日より提供開始し、同日、その詳細を伝える記者発表会を行った。

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離れた場所のエアコンの制御、室内環境のデータ収集が行える事業者向け見守りサポートサービス「おへやプラスPRO(おへやぷらすぷろ)」。安全な通信が可能な同社のネットワークサービス「スマートサーブ」を利用している(撮影:防犯システム取材班)
  • 離れた場所のエアコンの制御、室内環境のデータ収集が行える事業者向け見守りサポートサービス「おへやプラスPRO(おへやぷらすぷろ)」。安全な通信が可能な同社のネットワークサービス「スマートサーブ」を利用している(撮影:防犯システム取材班)
  • 同サービスの利用イメージ。事業者が同サービスの契約し、各高齢者宅にセンサー端末を設置することで効率的な見守りを実現する。取得したデータは、ニフティクラウドに管理・保存される(画像はプレスリリースより)
  • 記者発表会では、実証実験が行われている埼玉県熊谷市の全20軒の高齢者宅の室内環境のモニタリングの様子も公開された。温度、湿度、照度のみのデータしか取得されないので、プライバシー面にも配慮されている(撮影:防犯システム取材班)
  • ブラウザ上では、複数ユーザーの一括表示の他、個別ユーザーの温度・湿度・照度のログを確認可能。法人向けサービスの特徴としては、取得した過去データはすべて保存され、閲覧できる(撮影:防犯システム取材班)
  • エアコンの遠隔操作画面。ON/OFF設定、温度設定がブラウザ上から行える。夏場の熱中症対策、冬場のヒートショック対策に有効な機能となる(撮影:防犯システム取材班)
  • 各高齢者宅に設置される機器の数々。左の白いボックス型の機器がサービスアダプター、そこに挿さっている長方形の機器がNifMow SIMカードを挿入したLTE USBドングル、右端の円形の機器がiRemocon Wi-Fi(撮影:防犯システム取材班)
 ニフティは、事業者向けの見守りサポートサービスとして「おへやプラスPRO(おへやぷらすぷろ)」を20日より提供開始し、同日、その詳細を伝える記者発表会を行った。

 ニフティでは、エアコンの制御や室内の温度・湿度を遠隔管理できる見守り活用も可能なコンシューマー向けIoTサービス「おへやプラス(おへやぷらす)」を提供していたが、介護関係者や事業者からの問い合わせ、引き合いがあったことから、今回の法人向けサービス「おへやプラスPRO(おへやぷらすぷろ)」の製品化に向け、実証実験を1月より行っていた。

 実証実験は8月まで実施されるが、1月から約3か月半に蓄積された現場の声をサービスに反映できる体制が整ったことから、今回のサービスインとなったという。

 同サービスは、温度、湿度、照度の情報を取得し、高齢者宅の室内環境を遠隔地でリアルタイムで把握でき、見守り先でいつもと違う変化があった場合にはメールで通知したり、エアコンのON/OFF、温度設定が行えるという特徴を持つ。そのため急病時の早期発見、熱中症対策やヒートショック対策として活用することが可能だ。

 システム構成は、サービスアダプター、iRemocon Wi-Fi(室内環境の取得用センサー)、LTE USB ドングル、NifMo SIMカードとシンプルで、自宅にネット環境を持たない家庭にも回線工事不要で設置できる。

●法人向けに多機能化&複数管理に対応

 コンシューマー向けの「おへやプラス」が、離れた場所で暮らす家族の様子をエアコンや室内環境から見守るというコンセプトだったが、「おへやプラスPRO」は、介護事業者への導入を想定しているため、複数の高齢者宅の一元管理や家族以外の人間が管理することを想定した運用方法を実現。

 例えば、センサーによる取得データも従来の温度&湿度のみのモニタリングから、新たに照度も加えたことで、事業者が担当する高齢者の方々の生活リズムを把握しやすくなっている。

 使い勝手の面では、コンシューマー向けはスマートフォンやタブレットを使ってモニタリングしていたのを、法人向けでは、ブラウザベースでの管理に変更。

 また、ブラウザ上で、担当する家庭の室内環境をモニターで一元管理でき、異常があった高齢者宅を、視覚的に認知しやすくなっている。

 他にもコンシューマー向けでは、24時間分のログデータしか閲覧できなかったが、法人向けでは過去すべてのログデータを保存・閲覧できるとのこと。

●現場の声は「事後認知より未然把握」

 記者発表会では、今回の実証実験に協力したNPO法人日本福祉ネットワーク 日本福祉カレッジ熊谷の山中規光さんが登壇し、介護現場にいる立場としての同サービスへの感想を述べていたが、印象的だったのは「カメラによる見守りや定期的な訪問による高齢者の孤独死対策の場合は、どうしても事後の認知になってしまうことが多かったが、同サービスなら介護のプロが運用することで、危険な予兆を未然に把握できる可能性が高まる」という指摘。介護のプロなら、温度、湿度、照度のログを見るだけでもかなりの危険予知が行えて、同時に業務の効率化が図れるのだそうだ。

●課題は「いかに普及していくのか?」

 なお、同サービスは、介護見守り事業者が、初期登録費10,000円+月額管理料10,500円の法人契約を結んだ上で、見守り先となる高齢者家庭の1世帯ごとに初期費用60,000円、月額料金1,800円(いずれも税別)がかかるビジネスモデルとなっているため、その費用を誰が負担するのか?という点が課題となる。

 前出の山中氏は、「決して“高い”という金額ではありませんが、ご家庭によっては経済的に困窮されており、初期費用はもちろんのこと、月額1,800円でも重い負担の場合もあります」と指摘する。

 ただ、山中氏のような介護現場の人間の声としては、こうしたサービスの必要性は強く感じており、国を挙げた課題となっている医療費や健康保険費の増加を抑制できる対策になりうる可能性を秘めていることから、助成金や補助金が出る体制の整備が普及のカギにとなるのではと続けて語っていた。

 ニフティでもそうした普及にむけた課題は把握しており、記者発表会では、「ターゲットの拡大」と題して、調剤薬局や高齢者向け住宅での付加価値サービスとして、町内会&自治会、集合住宅の管理会社の共助を目的とした取り組みとしての導入も視野にいれていることを説明している。

 同サービスは、8月まで実証実験が行われ、今後も介護事業者からの要望を取り入れながら、利便性や有用性を高めていくという。
《防犯システム取材班/小菅篤》

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