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【連載・視点】合成繊維の技術で作れないものはない!成功を呼び込んだ小松精練の戦略

エンタープライズ その他
小松精練 代表取締役社長の池田哲夫氏
  • 小松精練 代表取締役社長の池田哲夫氏
  • 小松精練は繊維の染色整理における世界トップクラスの技術を誇る
  • アパレルのアウター向けに独自の合成繊維商品を多数揃える
  • バッグなどの商品にもその技術は活かされている
  • インタビューに答える池田氏
  • 小松精練本社の外観
  • 本社のプレゼンテーションルーム
  • 染色機による加工の様子
■合成繊維の技術力で「着るエアコン」もつくれる

 「美」「安全」「健康」「快適」「環境」という5つのキーワードは、小松精練の商品開発と事業展開を成功に導く羅針盤だと池田氏は語る。ヨーロッパ進出によりブランドイメージを高めながら「美」を見極める力を育んできた。これからブランドイメージをさらに盤石なものにするために、得意としてきた「アウターウェア」の領域を広げることにも積極的にチャレンジしたいと池田氏は意気込む。欧米が先行する「安全」の面では、ワークウェアのための高品位商品を開発中だ。近く“世界初”と呼べる、高い安全性を備えた商品を世界に向けて発表する計画もあるという。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツウェアのための革新的な技術も開発を進めている。例えば、紫外線や可視光線を防ぎながら温度調整もできるような、高度な合成繊維技術を活かした「着るエアコン」と呼べるようなテキスタイルを実現し、「快適」さを追求することを同社は一つの目標に掲げている。「健康」については今後の高齢化社会に向けて、高齢者にも優しい衣服や寝具、インテリアなど取り組むべきフィールドは数多いとしながら池田氏は指折り数える。

 また「環境」にも重きを置きながら、「ビジネスのかたちにして発信できるかが大事」と池田氏は説く。小松精練の取り組みには、染色産業の廃棄物を有効活用することによって開発した超微多孔性発泡セラミックス基盤の「greenbiz(グリーンビズ)」というエコ建材がある。2009年に発売し、2014年10月から屋上、および屋上緑化材、駐車場の路面材など多くの導入実績をつくってきた。今年3月の北陸新幹線の開通に合わせて、富山県・富山駅北停留所内でもグリーンビズが使われた。

 小松精練ではグリーンビズに加え、耐震補強材としては世界初の熱可塑性炭素繊維複合材料である「カボコーマ・ストランドロッド」を用いた耐震工法により、旧本社棟をベースにアーカイブ棟を建設中だ。今年11月にオープンを予定している。成功を遂げてきた小松精練の歴史の一端に触れられる場所になりそうだ。
《山本 敦》
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