エリクソン、最新のモビリティ・レポートを公開……世界で4G/LTEの格差が拡大する | RBB TODAY

エリクソン、最新のモビリティ・レポートを公開……世界で4G/LTEの格差が拡大する

 エリクソンは1日、商用ネットワークのトラフィックやマーケットトレンドに関する見解をまとめたモビリティ・レポートを発表した。エリクソンでは既存の商用ネットワークを対象に、毎年世界規模でデータトラフィックの測定を行っている。

ブロードバンド フォトレポート
レポートの詳細を説明する、エリクソン・ジャパンCTO藤岡雅宣氏
  • レポートの詳細を説明する、エリクソン・ジャパンCTO藤岡雅宣氏
  • モバイルトラフィックは10倍に成長する見込み
  • 世界のモバイルトラフィック量の推移
  • アジア太平洋地域の伸びが著しい
  • モバイル動画のトラフィックが増大
  • LTEのカバレッジは広がるが、普及率で格差も出てくる
  • LTE-Advancedの展開
  • HetNetの適用領域
 エリクソンは1日、商用ネットワークのトラフィックやマーケットトレンドに関する見解をまとめたモビリティ・レポートを発表した。エリクソンでは既存の商用ネットワークを対象に、毎年世界規模でデータトラフィックの測定を行っている。

■モバイル・データトラフィック、2019年には今の10倍に

 最新のモビリティレポートでは、2016年にはスマートフォンの加入契約数は通常の携帯電話の加入契約数を上回り、2019年までに56億に達すると予測。欧州では、スマートフォン加入契約数は2019年に約7億6,500万に達し、人口数を超える見込みだという。2014年第1四半期に世界で販売された携帯電話の65%はスマートフォンであり、2019年にスマートフォンユーザーが消費する1ヵ月当たりのモバイルデータ量は、現在と比べて約4倍に増加すると予測されている。スマートフォンユーザーの増加とユーザーあたりの消費データ量の増加によって、2013年から2019年の間にモバイル・データトラフィックは10倍に増加する見込みとのこと。

 スマートフォンの契約数、トラフィックの伸びはアジア・太平洋地域において特に顕著で、次いで中央、中東、アフリカ地域の伸び率も高い。低価格帯のスマートフォンが市場に投入されることも契約数増加の一因となるとみられている。トラフィックの傾向として、現在は画像系のトラフィックが大半を占めるが、2019年にはビデオ系のトラフィックが50%を超えるとされる。ユーザーあたりの消費データ量の増加は、デバイスのディスプレイサイズおよび解像度が拡大・向上していることなどに起因する。

■LTEカバレッジは世界的に広がるが、地域格差も拡大

 LTEのカバレッジについては、今後も世界全地域で継続して拡充され、2019年までに世界人口の65%以上に拡大するとみられている。しかし、地域による格差も広がる懸念もある。たとえば、2019年、欧州のLTE人口カバレッジは約80%に達するが、欧州のLTE加入契約普及率は30%に留まる見通し。これは同年に予測される北米の普及率85%とは大きく異なり、低い普及率となる。さらに欧州内でも、西欧と中欧・東欧間の差異が広がる見通し。一方、北東アジアのLTE人口カバレッジは2019年までに95%に達し、LTEの普及率は45%になると予測される。同年までに、中国ではLTE加入契約数が7億件を超える見通しで、これは世界のLTE加入契約数の25%を超えることになるという。

 LTE-Advancedは、日本国内では主にキャリアアグリゲーションの商用導入を中心に進んでいく。すでにKDDIが2つの周波数帯を10MHz幅ずつ束ねる下り最大150Mbpsのサービスを開始した。今後はドコモ、ソフトバンクなども加わり、20MHz幅×2、20MHz幅×3などのアグリゲーションで、下り最大450Mbps、さらには20MHz幅を4つ束ね、4×4MIMO技術なども取り入れて下り最大1Gbpsといったビットレートが実現されていく見通し。VoLTEの商用化も進み、世界で40以上の事業者が2年以内の導入を予定している。エリクソンも広くVoLTEのシステムを提供していくとのこと。

■HetNetがシームレスなユーザーエクスペリエンスを実現する

 同レポートでは、増加するトラフィック量やアプリ要件に対応するために、ヘテロジニアス・ネットワークの必要性についても説明している。ヘテロジニアス・ネットワークは、無線アクセス方式やアーキテクチャー、出力が異なる各種基地局で構成されたネットワーク。エリクソンでは、異なる基地局、特にスモールセルをマクロセルとを緊密に協調させることで、スモールセル設置による付加価値が拡大し、シームレスなユーザーエクスペリエンスを実現できるとしている。都市部でのトラフィック容量を倍増させるためには、通常1つのマクロセルあたり9つ程度のスモールセルが必要になるが、協調したスモールセルを用いれば、5つあるいは3つ程度で実現できてしまうという。既に各種フィールドテストも行っており、安定したスループットとアプリカバレッジの改善効果を確認しているとのこと。

 ネットワーク性能でみると、日本は韓国と並びLTEの展開で他地域をリードしている。しかし、セルエッジの値でみるとまだまだグローバル平均に近く、改善の余地があるといい、ヘテロジニアス・ネットワークの構築が望まれる。

 さらに今回のレポートでは初めてM2Mモバイルデバイスについても記載。アクティブなモバイルM2Mデバイスの数は、2013年末現在の2億から2019年までに3~4倍に増加すると予測。現在のモバイルM2Mデバイスの過半数はGSM専用だが、2016年までには3G/4GがアクティブなモバイルM2M加入契約の過半数を占めるとみられている。LTEについても、今後デバイスの価格が下がることと、M2Mを想定したLTEの仕様が定義されてくることで全体の20%以上に増加するとしている。
《白石 雄太》

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