【インタビュー】学生から社会人まで、生涯のキャリアをつなぐ……ビジネスSNS「リンクトイン」の進化 3ページ目 | RBB TODAY
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【インタビュー】学生から社会人まで、生涯のキャリアをつなぐ……ビジネスSNS「リンクトイン」の進化

エンタープライズ その他
リンクトイン・ジャパン 日本オフィス代表代行の杉本隆一郎氏
  • リンクトイン・ジャパン 日本オフィス代表代行の杉本隆一郎氏
  • 早稲田大学の「カレッジページ」
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――ビジネスプロフェッショナルの利用について、もう少し教えてください

 我々は、ビジネスプロフェッショナルとしての各ユーザーが、自分の価値を高めながらビジネスを成功に導くことができるようなあらゆるサービス、機会を作っていきたいと考えています。まずは人脈、ビジネスコンタクトをいかにつくっていくのかがビジネスを成功させる肝だと思います。たとえば、ライターの方がどこかに取材をしたいなという時に、その会社に知り合いがいないか、誰かに紹介してもらえないかなど方法を考える必要があると思いますが、リンクトインを探して、取材対象の会社や個人の方が存在していれば、そこで直接コンタクトを取って情報交換もできます。それに、一度繋がっておくと、数年後にまたコンタクトを取りたい時にどちらかがキャリアチェンジしている場合でもアップデートされた状況にアクセスできる。自らのビジネスネットワークの管理としても有効的に活用していただけるということがあります。

 また、ニュースやインフルエンサーによる投稿のフィード機能もあり、自分が興味を持っているメディア、もしくはジャンルなどをあらかじめ設定することでその情報が入ってきます。そのマーケットにおける情報を一通り自分は握っているんだということで、さらに自身をもってビジネスに取り組む事ができると思います。一個人として、知識と経験をきちんと持ったプロフェッショナルとして自らを確率してくために、あらゆるかたちでリンクトインのサービスを活用いただけるのではないでしょうか。

■ビジネスユースは「リンクトイン」、プライベートユースは他のSNSという使い分けが浸透

――他のSNSと併用するユーザーが多いのでしょうか。また、競合と考えるサービスはありますか

 たとえば他のSNSですと、どこで何を食べたとか、どこにいるよとか、プライベート面を配信するツールとして活用しているイメージがありますが、リンクトインの中を見てみるとそういったプライベート要素が一切ありません。ビジネスに関連する情報に特化している。ビジネスユースとしてはリンクトイン、プライベートユースとしては他のSNSという風に、用途によって使い分けて行く方法がだんだんと浸透しています。

 “ビジネスSNS”という切り口では特に競合として意識しているところはありません。SNSという括りで考えると、たとえば日本ではFacebookやTwitterのユーザー数が非常に多く、その中でプライベートの要素もビジネスの要素も両方混在させてしまっている状況があると思います。そういった意味では、我々のリンクトインの中でやってほしいアクションを他のSNSでやっている状況も伺えます。我々としては競合認識というよりは、リンクトインの価値を日本のユーザーに認識していただくことで、そういうものがあるならこっちと使い分けをできるんだ、という認知を広げていきたいと思っています。

 昨年から法人のお客様のサポートにも力を入れています。リンクトインのBtoBサービスとして人材採用のソリューションと広告配信のサービスとがありますが、それらを活用していただいている法人の皆様をきちんとサポートしていく。そうすることで企業の活動が活発になってくると、後からリンクトインユーザーも増えてくるという状況が昨年見受けられました。たとえば、リンクトインにおける「勤務地が日本」という求人数も昨年は1000件近く出していただいて、外資系企業だけでなく日本企業も増えてきています。そういった企業と何かコンタクト取りたいな、興味があるなと考えた時に、リンクトインできちんとアカウントを作っておくと情報収集できるんだという認識があれば、そういった目的から入ってくるユーザーも多いと思います。後は、興味がある会社の従業員の方がリンクトインにいるということであれば、そういう人たちと情報交換するためにも、リンクトインで何かアクションしてみようだとか、そういった動きが最近では法人の軸から広まってきているので、継続していきたいですね。 

■“グローバル”でも、“国内”でも活用価値は高い

――使い分けという話が出ましたが、そういったソーシャルの使い方においては欧米の方が日本よりも定着しているイメージがありますがいかがでしょうか

 海外の方が仕事とプライベートの使い分けをしっかりやっていますね。たとえば日本の様子をみると、Facebookの中で上司や同僚なども繋がっている場合が多いですが、海外ではあまりありません。ビジネスとプライベートの使い分けが明確です。また、ビジネスにおいて誰かを紹介したいという時に、プロフィールを送る必要がありますが、海外の場合だとこの時にリンクトインが利用されています。仕事のプロフィールを渡す際、お互いを気持ちよく知る、その時にリンクトインのURLを利用していただいています。プロフェッショナルの写真で、何をやっていて、どんな目的をもっているかというのが明確なので、お互いにとって話が早い。余計な情報がないのでクリアです。

 日本以外の東南アジア諸国のユーザーをみていると、勢いがあって、自分のビジネスに関連がある欧米のユーザーと積極的に繋がっています。アグレッシブで、いち早くスピーディーにビジネス展開をしている。私は、良くも悪くもリンクトインの“グローバル”というブランドをネガティブに感じています。日本ではグローバルにチャレンジしたい人はひと握りですが、だからといって関係ないと思ってほしくないので、“グローバル”ブランドの打ち出しは慎重に行っています。リンクトインは、ビジネスパーソンが日々使うサービスとしてはグローバルスタンダードになっている。そのやり方自体はジャパンToジャパンの中でも成り立つものなので、自分は関係ないと思わずに、まずは日本の中でビジネスをやる方も試していただきたいですね。ビジネスプロフェッショナルがオープンに100万人以上の規模で交流している。そういうプラットフォームは他にありませんし、日本だけを切り取っても価値があると思います。東京オリンピックも控えて、日本への関心も高くなっている中、日本と何か仕事がやりたいという方が海外に多数いらっしゃいます。そこでリンクトインのプロフィールを持っていれば、見つけてもらえて、海外との新しいビジネスが始まる可能性もあります。

――最後にリンクトインのマネタイズ方法について教えてください

 収益源としては、企業の人事・採用部門向けのサービス、ターゲティング広告、有料のプレミアムプランなどがあります。リンクトインは無料で使えるサービスですが、営業活動やビジネスにより役立てたいという方や仕事も探したいという方向けに色々な有料プランがあり、メール送信先の制限がないとか、自分のプロフィールをみた足跡を過去にさかのぼって閲覧できたりといった拡張機能がご利用いただけます。

 広告配信では、たとえば航空会社がミドルクラス以上の方をセグメントしてビジネス・ファーストクラスのプロモーションを打ったり、大学卒業から3年以内のユーザーを対象にビジネススクールが広告を出したり、ビジネスに特化した項目でセグメントしてうまく配信することが出来ています。リンクトインの広告配信では、7つの軸で絞り込みが可能です。他のサービスが、年齢や居住地を登録している一方、ビジネスの情報はプロフィール情報としてあまり入っていません。リンクトインはそこがしっかり入っているので、プロフェッショナルを対象にした精緻なターゲット広告が出せるわけです。たとえば同じ50歳でも、どういうポジションの方なのかといった棲み分けがしっかり作れて効果的にご利用いただけます。また、人事・採用部門向けのサービスに対する問い合わせはグローバルでも増えてきていて、採用活動への問題意識が大きく、現状を変えたいという声を聞きます。ここも伸ばしていきたいところです。

――本日はありがとうございました
《白石 雄太》
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