【インタビュー】開発に約4年!コカ・コーラ史上、世界初の“HOT炭酸”はこうして生まれた | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【インタビュー】開発に約4年!コカ・コーラ史上、世界初の“HOT炭酸”はこうして生まれた

エンタメ その他
「カナダドライ ホットジンジャーエール」を開発したコカ・コーラの朝日氏
  • 「カナダドライ ホットジンジャーエール」を開発したコカ・コーラの朝日氏
  • 「カナダドライ ホットジンジャーエール」を開発したコカ・コーラの朝日氏
  • 「世界初の新ジャンルとして根付かせたい」
  • “あっつ~い炭酸”こと「カナダドライ ホットジンジャーエール」
  • “あっつ~い炭酸”開発の様子を描いたテレビCM
  • “あっつ~い炭酸”開発の様子を描いたテレビCM
  • “あっつ~い炭酸”開発の様子を描いたテレビCM
  • “あっつ~い炭酸”開発の様子を描いたテレビCM
 すこし地味目なおじさんが製品開発に奮闘するコミカルなテレビCMでお馴染み、“あっつ~い炭酸”こと「カナダドライ ホットジンジャーエール」。温かい炭酸、しかもジンジャーエールということで「よくあるウケ狙いの製品なんだろな…」と思っていたのだが、飲んで納得、これがなかなか美味しい!しかし、どういうワケで温かいジンジャーエールが開発されたのか気になる…!というわけで、同製品の開発を担当した株式会社コカ・コーラ東京研究開発センター、製品開発グループマネジャーの朝日浩氏に開発秘話を聞いた。

■“あっつ~い炭酸”が作られたワケ

――「カナダドライ ホットジンジャーエール」が開発された経緯を教えてください。

朝日氏:アイデア自体は約4年前に生まれました。炭酸飲料は夏に需要の最大期を向かえて、冬に落ち込むという特徴があるんですが、お客様に冬でも炭酸飲料を飲んで頂けるような新製品を作り出すという目的がまずありました。もう一つは、“消費者が驚くような新しいものを作りたい”という開発チームのイノベーティブなマインドがあったんです。その二つが合わさって、炭酸を温めてみるというアイデアが生まれたんです。

■インパクトに負けない“美味しさ”追求

――その時点では、まだ“ジンジャーエール”とは決まっていなくて、“温かい炭酸飲料”だったんでしょうか?

朝日氏:そうですね。コカ・コーラ史上、“世界初の温かい炭酸飲料”というコンセプトが生まれた後に、どういった製品設計が一番望ましいのかをトライ・アンド・エラーを繰り返しながら、徐々にブラッシュアップしていきました。最初に消費者モニターの方に飲んで頂いた際、コンセプトについては「新しい」「飲んでみたい」というポジティブなものが中心だったんですが、味わいに関しては「炭酸が弱い」「バランスが悪い」「香りが弱い」など、ネガティブなフィードバックを頂いたんです。コンセプトは非常に強いので、味さえ改良すればお客様に喜んでいただける、ビッグヒットに繋がる製品ができるだろうなと最初の段階で確信を得ました。その後に、ネガティブなポイントをいかに改良していくかを考えて、100種類以上のフレーバーの候補から、ジンジャーエールをベースにすることを決めたんです。ジンジャーエールのスパイスの刺激と、炭酸の刺激が非常に似ていて、その二つのバランスを上手くとることによって、温かくてもちゃんと炭酸を感じる味わいになりやすいというところが決め手でした。

――製品開発に約4年かかったそうですが、通常の製品と比べると長いんでしょうか。

朝日氏:製品にもよりますが、炭酸飲料の開発期間は数ヵ月~1年ほどです。これほど長い期間をかける製品は非常にまれですね。

――とくに時間をかけたところは?

朝日氏:やはり、味わいの部分ですね。ホットな炭酸できちんと美味しく感じてもらえるようにするというところで工夫しています。ジンジャーエールをベースにして、温かいお菓子などでよく使われるアップルやシナモンのフレーバーを隠し味として使っています。開発者の隠れたこだわりなので、パッケージには表記していないんですが……。意識して飲んでいただいたら気づいて頂けるかもしれません。あとは、容器のサイズにもこだわりました。開封後に置いておくと炭酸が抜けてしまうし、温度も冷めてしまう。一番おいしい時を逃さないように、飲みきりサイズにしたんです。

――ユニークなテレビCMが印象的ですが、実際に面白い開発秘話があったりしたのでしょうか?

朝日氏:それはインタビューの度に聞かれるんですが、残念ながらありませんでした。調査で「美味しくない」と言われたガッカリ感を、いかに埋めていくかという作業を粛々と行っていった感じですね。あんなに面白いテレビCMなのに、担当者のコメントがつまらなくて心苦しいんですが…。

■“あっつ~い新定番”を目指して

――発売から約2ヵ月が経ちましたが、どのようなリアクションがありましたか?

朝日氏:やはり「新しい」という声が一番多いです。そして、実際に飲んでみて「温かいのに刺激がある」という声も頂いています。コンセプトと味わいの両方で驚きの声を頂いていますね。あとは、ジンジャーエキスも入っているんですが、それもあってか「身体を温めたいから飲む」「温まって、なおかつ美味しい」という声も挙がっています。非常に好評頂いています。

――売れ行きはどのくらい好調なんでしょうか?

朝日氏:発売から8週間で1000万本を突破しました。これは当初の計画を大きく上回るものです。また、通常の炭酸飲料の新製品よりも認知度や購入意向度が高いのが特徴ですね。コカ・コーラ史上、世界初というジャンルということもあって、とても注目して頂いているようです。かなりの手応えを感じています。

――この好調ぶりを受けて、“ホット炭酸飲料”の第2弾の構想などが生まれたりしていますか?

朝日氏:まずは、この製品を市場に根付かせるのが最優先かなと思っています。それが上手くいった後、ご要望があれば第2弾も考えたいと思います。

――ありがとうございました。
《宮城 宙》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top