SoftMobileは、GSM、UMTS、LTE FDD、LTE TDDの4つのモードに対応するベースバンドユニット(BBU)とこれを制御するユニット(SRC:Single Radio Controller)によって構成される。SDNのアーキテクチャをモバイルネットワークに適用した形ともいえるが、単に複数のバンドを仮想化ネットワークとして制御するだけでなく、全体の統合的な管理(オーケストレーション)を行うことができる。
BTS(基地局)には通常2G~4Gなどと複数のベースバンドに対応したアンテナやRRU(Remote Radio Unit)やベースバンドユニットを設置する。ベースバンドユニットはソフトウェア制御が可能であり、このとき制御局を物理的に1か所に集約してネットワーク全体を管理できれば、制御や管理のオペレーションコストを大きく下げることができる。これも仮想化ネットワークのメリットのひとつだ。
筆者の考えだが、LTEの変調方式ではFDD方式がグローバルでの採用が多く、TDD方式のLTEは少数派(中国市場が入るので実際の利用者数での比較はしにくい)ともいえる。もちろん使用できる周波数帯によって条件は変わってくるが、マルチバンド端末が出荷され始めている状況を見るとベースバンドや通信方式の多様性への対応がメーカーや通信事業者にも求められていくだろう。ファーウェイは、9月18日~20日の期間に恵比寿ガーデンプレイスで開催される「SDN Japan 2013」に出展し、そこで「SoftCOM」とその関連技術について紹介する予定だ。
《中尾真二》