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【Interop 2013 Vol.72】「IX」の進むべき道は?日本が情報拠点であり続けるために……JPIX

ブロードバンド 回線・サービス
JPIX 代表取締役社長 石田慶樹氏
  • JPIX 代表取締役社長 石田慶樹氏
  • JPIXが展開する8サイト
  • サッカー日本代表戦はインターネット トラヒックにも大きな影響を与えた
  • 著作権法改正の影響などが見て取れるが、全体としては伸び続けている
  • トラフィック傾向の2分化
  • IXのメリット
  • IXの基本機能
  • JPIX 構成図

■日本が情報拠点であり続けるために

 最後に石田氏は、今後のIXの進むべき方向について考えを述べた。今現在、北米からくる海底ケーブルが概ね日本もしくはその近海を通るなど、日本は地理的な要因で恵まれた環境にある。しかし、今後はこの状況も変わってくる恐れがあると、JPIXは危機感を抱いている。

 ネットワークでコンテンツや情報が流通する場合、コンテンツ等の生産者がまず存在し、次に配信者が間に入り、それを受信者と呼ばれるISP・接続系の事業者が最後の情報消費者に届けるというのが通常の流れだ。これまで、IXは配信者と受信者の間に介在し、両者間の情報の流れやすさをサポートしてきた。だが、日本では受信者と消費者の間のブロードバンド網、高速モバイル網が発達しており、YouTubeやニコニコ動画への投稿に代表されるように、消費者の中に生産者が存在するケースも多い。そうなると、ネットワークの流れやすさ、すなわち広帯域で低遅延であることがますます重要になってくる。例えば、自分のコンテンツをどこかにアップロードする際に、時間がかかりストレスを感じることが多いと、次第にコンテンツを上げる意欲を失ってしまう。こうした状況が起こることこそ、同社が危惧しているところだという。

 受信者はアクセス事業者なので、日本在住がマストだが、配信者はその限りではない。上述したような状況が増えてしまうと、配信者は日本を離れてしまってもおかしくない。逆に、海外から日本に入ってくる配信者も現れなくなる。日本は現在、ネットワークの品質、信頼性、ブロードバンド普及率が高く、情報生産消費能力が高い、といった部分で何とか闘えている。その中でIXは、「広帯域・低遅延でかつ、合理性のある価格を実現し、配信者に留まってもらうことが重要と考えている」「その中の一つの施策として100G対応がある」とのこと。

 今後については、「目指すところはアジア太平洋でナンバー1かというと、そこまでは考えていない。IXは非常なオープンな場で、そのあり方は政治・経済・地理など様々なレイヤーの要因に影響を受ける。そうした中、この先アジア太平洋で幾つかのネットワークハブができると予想していて、その一つとして、日本が情報拠点であり続けられること。そこが目指すべきところ」と話した。
《白石 雄太》
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