「ULTRA SPEEDはXiより実力あり」……ソフトバンク孫社長 | RBB TODAY

「ULTRA SPEEDはXiより実力あり」……ソフトバンク孫社長

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ソフトバンクモバイル 孫社長
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  • ソフトバンクモバイル+ウィルコム夏商品発表(5月29日)
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  • 「AQUOS PHONE Xx(ダブルエックス) SoftBank 106SH」
  • 「ARROWS A(エース) SoftBank 101F」
 ソフトバンクモバイルは29日、夏商戦向け新商品発表会を開催し、スマートフォン4機種、フィーチャーフォン3機種、モバイルルーター2機種の計9機種を発表した。また、ソフトバンク傘下となったウィルコムの新商品も3機種が同時に発表された。

 同社の代表取締役社長兼CEOの孫正義氏は、今期の新機種のメインテーマは「ネットワーク」であると強調。同社は今年3月に900MHz帯の事業免許を取得し、7月25日から同周波数のネットワークを運用開始する。孫社長は新周波数帯の特性について「電波の届く範囲がいきなり3倍に増える。同じ基地局数でも電波の届く範囲が一気に広がる」「直進性の強い2.1GHz帯に対して、900MHz帯は電波により粘りがあるので、ビルに当たっても後ろに回り込んで向こう側にも届く」と説明した。
 
 NTTドコモやKDDIは、これまでのソフトバンクと同じ2.1GHz帯以外に、800MHz帯を使用してネットワークを構築していた。700~900MHz帯は電波の伝わり方が携帯電話の通信に特に適していることから“プラチナバンド”と呼ばれることがあるが、孫社長はプラチナバンドの事業免許がないことがソフトバンク携帯のつながりにくさの原因と以前から主張しており、今回の発表会では「これ(プラチナバンドの免許)を得たことでもう言い訳はできない」と述べ、ネットワークの改善に全社を挙げて取り組む決意を改めて表明した。

 端末側では、今回発表となったスマートフォン、フィーチャーフォン計7機種のすべてがプラチナバンドに対応する。また、既発売のiPhone 4/4S、iPad 2、新iPad(3月発売)ほか数機種も端末に含まれている。基地局側では、免許取得が確定する以前から先行して機材発注などを行っており、「業界の一般的常識の3倍から4倍のスピードで一気に工事を進める」(孫社長)としている。

■「ULTRA SPEEDはXiより実力あり」と主張

 ハイエンド機種の「AQUOS PHONE Xx 106SH」「ARROWS A 101F」は、下り最大42Mbps(規格上の理論値、以下同)のULTRA SPEEDにも対応する。これに対してNTTドコモはいち早くLTEを導入することで下り最大75Mbpsのサービスを提供しているが、実力ではULTRA SPEEDのほうが上と孫社長は主張する。

 ドコモは3GとLTEで同じ周波数帯を使用しており、サービス開始初期の現状ではLTEに十分な周波数幅を割くことができないため、75Mbps対応エリアはごく一部のスポットに限られ、ほとんどの場所ではその半分の37.5Mbpsというスペックになっている。一方のULTRA SPEEDは、かつてPDC方式で利用していた1.5GHz帯の周波数を3Gの高度化技術であるDC-HSDPA方式に転用したもので、さらに比較的ネットワークが空いているためスピードが出やすい。長い目で見れば今後Xi網の充実によって名実共にドコモのパフォーマンスのほうが上回ると考えられるが、新技術の立ち上げスピードではソフトバンクに勢いがあるという形だ。

 また、データ通信ではかつてのウィルコムから継承したAXGP方式の「SoftBank 4G」サービスで、下り最大110Mbps/上り最大10Mbpsに対応するモバイルルーター「102HW」を発表した(9月以降発売予定)。これまで同サービスに対応していたモバイルルーターの「101SI」は、端末の性能カテゴリが低かったため下り速度が最大76Mbpsに限定されていたが、新端末の登場でフルスペックのサービスが開始される。こちらは2012年度中にすべての政令指定都市をサービスエリアとする予定。

■ウィルコムの初Android機はPHS+3Gのデュアル

 ウィルコムの新製品では、ウィルコムブランドでは初となるAndroidスマートフォン「DIGNO DUAL WX04K」を発表した。PHSへの通話が24時間無料となるほか、固定電話や他社携帯電話への発信も月500回(1回あたり10分まで)が無料となる「だれとでも定額」をオプション料金無料(キャンペーン適用時)で利用でき、データ通信は下り最大21MbpsのULTRA SPEEDに対応する。現在のウィルコムは主に音声通話のヘビーユーザーを取り込む戦略を採っているが、今回DIGNO DUALをラインナップに加えたことで、PHSとスマートフォンの2台持ちをしなくても両方のメリットを享受することが可能になる。

 ただし、DIGNO DUALはPHSと3Gをセットにした専用料金プラン「ウィルコムプランD」(月額6755円)での契約が必須で、PHS回線のみ契約するといった使い方はできない。また、ウィルコムでは音声通話用PHSに3Gモバイルルーターを内蔵した「PORTUS WX02S」を既に発売しているが、DIGNO DUALにはモバイルルーター機能は搭載されておらず、目立った割安さは感じられない。現状では、PHSが手放せないユーザーが2台持ちの手間なしにAndroidスマートフォンを利用するためのアップグレードパスという性格が強い製品となっている。

■今後のネットワーク戦略についてはノーコメント

 従来の2.1GHz帯に加え、プラチナバンドの900MHz帯、ULTRA SPEEDの1.5GHz帯、SoftBank 4GのAXGP、そしてウィルコムのPHSと、ネットワークの充実に焦点を当てた発表会だったが、一方で今後のネットワーク戦略について特に新しい情報がアナウンスされることはなかった。ソフトバンクでは今年秋以降に2.1GHz帯の一部を使用してFDD方式のLTEサービスを開始する予定だが、一方で実質的にTD-LTE方式とも言えるAXGPを利用したSoftBank 4Gも提供している。発表会では、これらのネットワークをどう使い分けていくか、スマートフォンへのAXGP搭載の可能性はあるのかといった疑問が報道陣から投げかけられたが、孫社長は「それぞれの方式の特性にあった使い方をしていく」といった回答をするにとどめていた。

 また、孫社長が決まって口をつぐむ話題と言えばiPhoneの新機種だが、次のiPhoneはLTEに対応する可能性が高い。今後のネットワークの使い方をぼかしているのは、次期iPhoneの仕様に関する無用な勘ぐりを避けるためとも考えられる。
 
《日高彰》

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