マイクロソフト ディベロップメントの代表取締役社長も兼務する加治佐氏は、「将来の技術の方向性」と題しておこなわれたプレゼンテーションにおいて、マイクロソフトにおける技術開発の動向について報告。
マイクロソフトでは日本でも開発部門を、200名程度のエンジニアが調布テクノロジーセンターを拠点に開発を置いている。「Bing」や「Office」、「IME」「Windows Phone」また、カーナビゲーション向けなどローカライズの比重の高い製品について米国の本社と協力して開発にあたっているという。
またマイクロソフトでは、製品化を直接に前提しない3年以上先の先行研究を「Microsoft Research」として主に米国本国で取り組んでいる。プレゼンテーションでは、3年より先に向けたビジョンとして、「人間中心のコンピューティング」「NUI(Natural User Interface)」「端末+クラウド」という3つが紹介された。日本国内にMicrosoft Researchの研究拠点はないが、日本の研究者や大学と積極的に共同研究に取り組んでいるという。
次いで、具体的な研究事例が3つ、動画で紹介された。
まずひとつ目は「HoloDesk」と呼ばれるもので、その名の通りホログラフィック(立体像)の仮想物体をあたかも実際につかんだり動かしたりできる技術で、球や立方体上部の物体を手のひらにのせて動かすということもできる。
ふたつ目は「OmniTouch」で、肩越しに装着したカメラ/プロジェクターユニットで手のひらや腕、その他近い物体に映像を投影。画像認識技術により、手のひらに映し出された電卓を操作するなどのデモが披露された。
みっつ目は「Talking Head」で、母国語でない言語でもあたかも本人が話しているかのように話させることができるというもの。音声も本人の声を元にした合成だが、外国人のTalking Headに日本語を語らせると、イントネーションも含めて外国人風に再現される。これは高度な自然言語処理と、話す際に口元を動かす「Lip Sync」と呼ばれる技術を組み合わせているという。