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NTT・NEC・KDDI・富士通など、100Gbpsイーサネットを効率的に運ぶ広域光ネットワーキング実験に成功

ブロードバンド テクノロジー
波長リソースを有効活用する仮想光網が実現する将来の広域LAN環境(現在と比較)
  • 波長リソースを有効活用する仮想光網が実現する将来の広域LAN環境(現在と比較)
  • 100GbEを効率的に運ぶ広域光ネットワーキング実験網の構成
  • 転送の例
  • パケット処理頻度を1/100に抑えて、複数波長に振り分けてパケット送受信
 日本電信電話、日本電気、NTTコミュニケーションズ、三菱電機、日立製作所、KDDI研究所、富士通、沖電気工業は、毎秒100ギガビット(現在の100倍)のアクセス速度による広域LAN環境を実現することに成功したことを発表した。

 情報通信研究機構(NICT)の委託研究により開発した、光ファイバ内の通信リソースである光の波長を効率的に利用するための複数の技術を連携させたもので、NICTの実験環境(JGN2plus光ファイバ)を用いて、光波長をユーザーにオンデマンドで割当てる仮想光網を構成し実現した。この実験は、今年6月に国際標準化された最新100ギガビットイーサネット(IEEE802.3ba 100GbE)に対応した技術を用いて、デジタルシネマ級の高精細な映像通信や大容量のファイル交換を、遠隔地ともストレスなく行える将来の広域LAN環境の構築が可能であることを、世界で初めて実証したこととなる。

 今回、NTT、NEC、NTT Com、三菱電機、日立、KDDI研、富士通、OKIの各社は、NICTの委託に基づき、広域光ネットワーク技術を開発するとともに、そのプロトタイプ装置を持ち寄り、JGN2plusの光ファイバで複数拠点を結んだ波長多重(WDM)実験網を構成し、100Gbpsイーサネットを効率的に運ぶ広域光ネットワークを動作させることに成功した。

 具体的には今般開発された「ユーザーによる網アクセスを効率化する技術」「網内の波長を有効利用する技術」「光リンクを高度化する技術」を連携させることにより、WDM網内の波長資源を仮想化して有効利用することに成功した。これによりユーザー要求にあわせて網内の波長資源を動的に割当て、ユーザーとサーバを1~10波(1波あたり毎秒10ギガビット)で結ぶことができる。本技術により、ユーザーは、最新の100GbEインターフェイスを用いて、従来の100倍の速度で光ネットワークにアクセスし、高精細(HD)映画1本相当(ブルーレイディスク1枚分)のデータも、僅か2秒でend to end 500kmの広域転送が可能になる。

 今後は、今回の実証成果に加えて、100Tbps級のスイッチ容量を実現する光技術などの研究開発を進めるとともに、それらを連携させてスループットがテラビット級の広域LAN環境の実証を進めていく予定。なお、本実験模様は、12月16日および17日に静岡県三島市で開催される「光通信システムシンポジウム」にて展示紹介される予定。
《冨岡晶》
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