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NEC、100Gbイーサの長距離リアルタイム通信に世界で初めて成功 〜 1520kmの長距離光伝送

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 NECは25日、「100Gデジタルコヒーレント光送受信方式」でリアルタイムに長距離光伝送を行うトランスポンダ(相互変換器)を開発、1520kmの長距離光伝送区間で100ギガビットイーサネットのリアルタイム通信に世界で初めて成功したことを発表した。

 「100Gデジタルコヒーレント光送受信方式」は、100Gbps高速データを光の振幅と位相の2つの情報を使用して送受信する光伝送方式。受信の際は、信号光にローカル光を混合してミリ波帯の信号として取り出し(コヒーレント検波)、さらにこれをデジタル信号処理することによって、元の高速データを復調する。NECはVerizon社が保有する米国テキサス州の北ダラス地区に敷設されている光伝送路を使用したフィールドトライアルに参加。このトライアルでは、今回開発したトランスポンダを100GBASE-LR4クライアントインターフェイスでJuniper社コアルータ「T1600」に接続し、NECのDWDM(高密度波長分割多重方式、Dense Wavelength Division Multiplexing)装置「DW4200」を用いて、エンド・ツー・エンドでエラーフリー伝送を実証した。

 これまでの100Gデジタルコヒーレント光受信方式の研究開発では、受信信号データを測定器でキャプチャ・蓄積、デジタル化した後に、別途PCなどで信号処理を行うオフライン信号処理による伝送特性評価が行われていたが、オフライン評価では、非常に短い時間での評価しか行えないため、実運用に適した評価が困難だった。今回のトランスポンダは、100Gコヒーレント光伝送を実現する光送受信回路により、リアルタイムに伝送特性を評価できるようになったことに加え、誤り訂正符号回路部、イーサネット装置とのインターフェイス部も含んでおり、100G信号サービスとしての評価も可能な構成となっているとのこと。

 同社では今後の実用化に向けて(1)光回路の小型化、集積化、(2)デジタル信号処理部のLSI化による小型化、低消費電力化、(3)歪補償のデジタル信号処理化などのさらなる高機能化、といった課題に対して、製品開発を進めていくとしている。なお、100Gリアルタイムデジタルコヒーレント光送受信器を用いたフィールドトライアルの結果に関しては、3月21日〜3月25日に米国サンディエゴで開催されるOFC(Optical Fiber Communication Conference and Exposition)において、25日に発表が行われる予定。
《冨岡晶》
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