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日立、データセンターのIT機器と空調機をリアルタイムに連係制御する技術を開発

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 日立製作所は8日、IT機器と空調機器をリアルタイムに連係制御することにより、データセンターの空調電力を削減する技術を開発したと発表した。

 データセンターの省電力化には、IT機器だけでなく、大きな消費電力を占める空調機や無停電電源の省電力化も必要となる。今回日立は、IT機器と空調機を連係させた運用管理において、IT機器に割り当てられる負荷の配置と、空調機の稼働台数ならびに給気温度を連係してリアルタイムに制御するデータセンターの電力制御技術を開発し、その効果を実証した。

 データセンター内の気流や温度の状況に関する解析結果を、事前に表形式でデータベースに記録することで、実際のデータセンター稼働時の最適条件の算出に要する時間を大幅に短縮し、リアルタイムな連係制御を実現。本技術を空調機2台の小規模実験環境に適用したところ、空調機の給気温度を固定した環境に比べ、空調電力を18%~34%削減する効果を実証したという。

 日立はこれまで、三次元熱流体解析を行う高速シミュレータを用いて、その時々のセンター内の任意の位置の温度を予測し、IT機器と連係して空調機の制御を行う技術の開発を進めてきた。しかし、三次元熱流体解析を基に最適な制御条件を求めるには、長時間の解析を要した。今回の開発技術では、データセンター内の熱の流れを線形近似することで、三次元熱流体解析によって、各IT機器の入排気温度と空調機の給還気温度の関係を表す温度感度をテーブル化。こうしてあらかじめ温度感度をテーブル化しておくことにより、実運用時に短時間での解析が可能になった。

 今後は、同社データセンターにおいて本技術の実証実験を実施し、実際のデータセンター環境下での省電力効果の実証を進めるとのこと。なお、本成果は、九州大学伊都キャンパス(福岡県福岡市)で開催されている「第9回情報科学技術フォーラム(FIT2010 : Forum on Information Technology 2010)」にて発表されている。
《冨岡晶》
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