インテル、Atomベースで拡大するMoblinエコシステムとコア技術を解説 | RBB TODAY

インテル、Atomベースで拡大するMoblinエコシステムとコア技術を解説

 今年4月、Atomプロセッサーに最適化されたMoblinプロジェクトがThe Linux Foundationに移管された。

エンタープライズ その他
Moblinプロジェクトの歴史
  • Moblinプロジェクトの歴史
  • インテル ソフトウェア&サービス統括部部長の池井満氏
  • 携帯端末市場へ展開するときの条件
  • Moblinアーキテクチャ
  • Moblinアーキテクチャ
  •  今年4月、Atomプロセッサーに最適化されたMoblinプロジェクトがThe Linux Foundationに移管された。
  •  今年4月、Atomプロセッサーに最適化されたMoblinプロジェクトがThe Linux Foundationに移管された。
  •  今年4月、Atomプロセッサーに最適化されたMoblinプロジェクトがThe Linux Foundationに移管された。
 今年4月、Atomプロセッサーに最適化されたMoblinプロジェクトがThe Linux Foundationに移管された。5月にはMoblin Ver.2.0のベータ版がリリースされ、6月にはCOMPUTEX TAIPEI 2009にて、同OSを搭載したネットブックが展示された。Moblinは2.0のアルファ版からMIDだけではなく、ネットブックや家庭用の端末なども視野に入れ、ひとつのエコシステムを作ろうとしうている。

 そもそもインテルがMoblinプロジェクトを立ち上げたのは2007年後半。MoblinベースのMIDが発売されたのは2008年前半だが、北米のみの発売で国内では登場しなかった。このころからUIの重要性が注目された。インテルがClutterの技術を持つOpenedhand社を買収したのも2008年後半だ。

 東京・秋葉原で開催された開発者向けの「Moblinセミナー」に登場したインテル ソフトウェア&サービス統括部部長の池井満氏は「PCのデスクトップですぐに利用できる技術を、携帯端末で実現しようというインテルのもともとの考えがあり、それには低消費電力でインターネットを利用できるパフォーマンス、ソフトウェアの互換性、常時接続可能な接続性(ワイヤレス)が必要だった。これらを実現できるような端末として目指したのはMIDのはじまりだ」とMID開始のいきさつを説明した。

 しかし、当時のLinuxを見たときには、いくつかの問題があった。池井氏によると、

・標準のLinuxのデスクトップUIのGNOMEやKDEは、どちらかというと経験のあるコンピュータユーザーに向いている。
・標準のPC Linuxに書かれているアプリケーションGUIは、主な入力がタッチスクリーンに対応していないケースが多く、かつMIDは横長(800×480)のためブラウザが使いにくい。
・MIDは一般的にはメモリ512MB、フラッシュが4〜8GBなので、一般的なディストリビューションに使うにはメモリやディスクの使用量が大きすぎる。
・電力効率はあまり注意がはらわれていない。最適化されていない。

 これらを解決するために立ち上げたのがMoblinプロジェクトだ。

「MoblinはMIDからはじまっていろんな分野に展開しようとしている。我々がLinuxを使って小型の端末に最適化しようと考えたときに、ほかのエリア、つまりネットブック、自動車などそれぞれが全く異なるOSを使っている。これは言いすぎかもしれないが、同じLinuxを使っていてもバイナリーの互換がなかったりなどという状態だ。我々PC側からきた人間から見ると全部一緒にすることはできないまでも、これらを共通にできるようなフレームワークができないか、というのがMoblinの狙い。それによって、同じ携帯電話のなかでも違う機種に使えるかもしれないし、違う音楽プレーヤに使えるかもしれないし、それを考えて定義していかなくてはいけない」(池井氏)。

 池井氏が示したMoblinのアーキテクチャは下の図のようなものだ。カーネル、アプリケーションサービス、UIサービス、UIと4つのレイヤーに分類される。インテルはComms Services、Internet Servicesなどオープンソースのプロジェクトを使い、UIではQT、GTK+のほかにClutterを進めている。Clutterはスクリプトベースで3次元のUIを書くことができ、基本的には下のレイヤーのMoblinコアでバイナリーの互換性をとろうとしている。「ここあるようなアプリケーションサービスに準拠してバイナリーを作っていれば、基本的にどの端末でも使える」(池井氏)。

 なお、池井氏は図を見せながらインテルの役割は低いレイヤーでエコシステムを支えることだとして「我々はあくまでインテルのアーキテクチャで動くバイナリーの互換を追いかけている。また、簡潔したソリューションを提供するのではなく、UIを作るためのツールなどを提供している」と話した。

 Clutterについては、高速で表現力があり、可搬性のあるアニメ的なグラフィカルUIを実現するためのオープン・ソース・ライブラリとして紹介された。特徴は、2Dマルチメディアの3D環境での操作に対応、画像サポート(SVG、PNG、JPEGなど)、テキストのレイアウト(Full UTF8 Pango)、アニメーション/特殊効果、スクリプトのr低アウトや絵に目用ファイルのサポート(JSON)、WEBのレンダリング(Mozilla Gecko)、物理エンジン(Box2D)、メディアの再生(Gstreamer、Helix)、GTK、QTのサポート(GTK embed、QT embed)といった具合だ。

 また、インテルは次期AtomとしてMoorestownのリリースを2010年に控えている。現在のところ、同プラットフォームでMoblinベースのMIDの開発を表明しているのは、Inventec、Quanta Computerなど5社がある。Moorestownについては別記事で紹介する。
《小板謙次》

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